薬剤師の年収ランキングを詳しく解説！1000万円を目指す方法

薬剤師として働く上で、自分の年収が適正なのか、他の薬剤師と比べてどうなのか気になる方は多いでしょう。また、「薬剤師なら年収1000万円も夢ではない」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

この記事では、薬剤師の年収事情を職場別・地域別・年代別に詳しく分析し、年収1000万円を目指す具体的な方法まで、スキルアップ編集部が徹底的に調査した最新データに基づいて解説します。

薬剤師の平均年収と最新動向

厚生労働省が2024年公開した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は約599万円です。この数字は、2019年の543.7万円から5年連続で上昇傾向にあり、薬剤師の需要の高さを物語っています。

全産業との比較

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は460万円です。つまり、薬剤師の年収は全国平均より約140万円高いことになります。これは、6年制の大学教育と国家資格が必要な専門職としての価値が反映された結果といえるでしょう。

男女別年収格差

• 男性薬剤師：平均年収651万円
• 女性薬剤師：平均年収556万円
• 年収差：約95万円

女性薬剤師の年収が低い傾向にある理由は、出産・育児によるキャリア中断や、パートタイムでの復職が多いことが挙げられます。しかし、全産業の男女間格差（男性590万円、女性419万円）と比較すると、薬剤師は相対的に男女格差が小さい職業といえます。

【職場別】薬剤師年収ランキング

薬剤師の年収は勤務先によって大きく異なります。最新の調査データをもとに、職場別の年収ランキングを見てみましょう。

順位	職場	平均年収
1位	製薬企業	720万円
2位	ドラッグストア	580万円
3位	調剤薬局	550万円
4位	病院	450万円

1位：製薬企業（720万円）

製薬企業で働く薬剤師が最も高い年収を得ています。主な職種は以下の通りです：

• MR（医薬品情報担当者）：800～1200万円
• 研究開発職：700～1000万円
• 薬事職：600～900万円
• 学術・DI職：650～850万円

製薬企業の年収が高い理由は、業績連動型のインセンティブ制度があることと、高度な専門知識が求められるためです。特にMRは営業成績に応じて年収1000万円を超えることも珍しくありません。

2位：ドラッグストア（580万円）

ドラッグストアの薬剤師年収は近年上昇傾向にあります。これは調剤併設型店舗の増加と、慢性的な薬剤師不足が影響しています。

主要ドラッグストア企業の年収ランキング：

1. クスリのアオキ：733万円
2. クリエイトSDホールディングス：675万円
3. ウエルシアホールディングス：644万円
4. カワチ薬品：611万円
5. サンドラッグ：606万円

ドラッグストアの特徴は、店長やエリアマネージャーへの昇進により、年収700～1000万円を目指せることです。また、夜間・土日勤務手当も年収押し上げの要因となっています。

3位：調剤薬局（550万円）

調剤薬局の年収は企業規模によって大きく異なります。

主要調剤薬局チェーンの年収ランキング：

1. メディカルシステムネットワーク：700万円
2. 東邦ホールディングス：550万円
3. 日本調剤：525万円
4. クオール：490万円
5. アインホールディングス：437万円

地域密着型の個人薬局では、管理薬剤師として年収650～750万円を目指すことも可能です。調剤薬局の魅力は、ワークライフバランスが取りやすく、在宅医療など専門性を高められることです。

4位：病院（450万円）

病院薬剤師の年収は他の職場より低めですが、専門性の高い業務に携われることが魅力です。

病院種別年収ランキング：

1. 国立病院：500万円
2. 社会保険関係法人：470万円
3. 公立病院：450万円
4. 私立病院：420万円

病院薬剤師でも、薬剤部長クラスになると年収800～1000万円を目指せます。また、がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師などの専門資格を取得することで、講演料や執筆料といった副収入も期待できます。

【都道府県別】薬剤師年収ランキング

薬剤師の年収は地域によって大きく異なります。厚生労働省の最新データによる都道府県別ランキングをご紹介します。

年収上位10都道府県

順位	都道府県	平均年収
1位	熊本県	761万円
2位	広島県	715万円
3位	山口県	687万円
4位	静岡県	699万円
5位	長野県	690万円
6位	高知県	643万円
7位	島根県	626万円
8位	愛知県	622万円
9位	青森県	620万円
10位	秋田県	619万円

年収下位10都道府県

順位	都道府県	平均年収
38位	福島県	489万円
39位	群馬県	483万円
40位	愛媛県	464万円
41位	新潟県	447万円
42位	徳島県	444万円
43位	宮崎県	510万円
44位	東京都	554万円
45位	大阪府	559万円
46位	京都府	527万円
47位	長崎県	428万円

地域格差の理由

なぜ地方の年収が高いのか？

1. 薬剤師不足：地方では慢性的に薬剤師が不足しており、高い年収を提示してでも確保したい状況
2. 薬学部の偏在：都市部に薬学部が集中しており、地方への供給が少ない
3. 競争環境：都市部は薬剤師の供給が多く、年収が抑制されがち

スキルアップ編集部の分析では、年収アップを目指すなら地方転職も有効な選択肢といえます。特に熊本県や広島県では、年収700万円超えの求人も珍しくありません。

【年代別】薬剤師年収の推移

薬剤師の年収は年齢とともにどのように変化するのでしょうか。年代別の詳しいデータを見てみましょう。

年代別平均年収

年代	平均年収	男性	女性
20～24歳	396万円	410万円	385万円
25～29歳	485万円	520万円	460万円
30～34歳	565万円	620万円	520万円
35～39歳	620万円	680万円	570万円
40～44歳	655万円	720万円	590万円
45～49歳	685万円	750万円	620万円
50～54歳	724万円	804万円	650万円
55～59歳	720万円	790万円	640万円
60～64歳	580万円	650万円	520万円

年代別キャリア戦略

20代（平均396～485万円）

• 基礎スキルの習得期
• 認定薬剤師資格の取得
• 将来のキャリアパス検討

30代（平均565～620万円）

• 専門資格の取得
• 管理薬剤師への昇進
• 転職によるキャリアアップ

40代（平均655～685万円）

• エリアマネージャーや薬局長への昇進
• 専門薬剤師資格の活用
• 独立開業の検討

50代以上（平均720万円前後）

• 管理職としてのマネジメントスキル発揮
• 後進の指導・育成
• 経験を活かした高度な専門業務

薬剤師が年収1000万円を目指す5つの方法

多くの薬剤師が憧れる年収1000万円。実際に到達可能な具体的な方法を、スキルアップ編集部が徹底調査しました。

方法1：製薬企業のMRになる

実現可能性：★★★★☆ 期間：2～5年

製薬企業のMRは最も年収1000万円に近い職種です。特に以下の条件を満たせば高年収が期待できます：

• 外資系製薬企業：年収1200～1800万円も可能
• オンコロジー（がん領域）MR：専門性が高く高収入
• 営業成績優秀者：インセンティブで大幅アップ

転職成功事例： 調剤薬局勤務（年収480万円）→ 外資系製薬企業MR（年収1150万円） 30代男性、転職期間3ヶ月

方法2：ドラッグストアのエリアマネージャーになる

実現可能性：★★★★☆ 期間：5～10年

大手ドラッグストアチェーンでは、店長からエリアマネージャーへの昇進により年収1000万円が可能です。

昇進ルート例： 一般薬剤師（550万円）→ 管理薬剤師（650万円）→ 店長（750万円）→ エリアマネージャー（1000万円）

必要なスキル：

• 店舗運営能力
• 部下のマネジメント力
• 数値管理能力
• 地域密着型営業力

方法3：地方の管理薬剤師として高額求人に転職

実現可能性：★★★☆☆ 期間：1～3年

薬剤師不足が深刻な地方では、管理薬剤師として年収800～1000万円の求人が存在します。

高額求人の特徴：

• 離島や過疎地域
• 一人薬剤師体制
• 住宅手当・車両支給などの福利厚生充実

実際の求人例：

• 沖縄県離島：年収950万円＋住宅手当＋車両支給
• 北海道地方都市：年収880万円＋家族手当充実

方法4：独立開業して薬局経営者になる

実現可能性：★★☆☆☆ 期間：3～10年

自分で調剤薬局を開業し、経営者となることで年収1000万円超えが可能です。ただし、リスクも伴います。

開業のメリット：

• 収入に上限がない
• 経営方針を自由に決められる
• 複数店舗展開で更なる収入増

開業のリスク：

• 初期投資（3000万円～）
• 経営の知識が必要
• 薬局倒産のリスク

成功のポイント：

• 立地選定の重要性
• 医療機関との連携
• 在宅医療への対応
• ITシステムの活用

方法5：専門薬剤師として複数収入源を確保

実現可能性：★★★☆☆ 期間：5～15年

専門資格を活かして、本業以外の収入源を確保する方法です。

収入源の例：

• 大学病院薬剤師（600万円）
• 講演料・執筆料（年200万円）
• 製薬企業のアドバイザー料（年150万円）
• 薬剤師会の委員報酬（年50万円）
• 合計：年収1000万円

必要な専門資格：

• がん専門薬剤師
• 感染制御専門薬剤師
• 精神科専門薬剤師
• 糖尿病療養指導士

年収アップに効果的な資格・スキル

薬剤師の年収アップには、専門資格の取得が非常に効果的です。企業によっては月5万円（年60万円）の資格手当が支給されることもあります。

高額手当が期待できる資格TOP10

資格名	手当相場	転職での評価
がん専門薬剤師	月3～8万円	★★★★★
感染制御専門薬剤師	月3～6万円	★★★★★
精神科専門薬剤師	月2～5万円	★★★★☆
糖尿病療養指導士	月2～4万円	★★★★☆
NST専門療法士	月2～4万円	★★★☆☆
外来がん治療専門薬剤師	月3～5万円	★★★★☆
緩和薬物療法認定薬剤師	月2～4万円	★★★☆☆
HIV感染症薬物療法認定薬剤師	月3～5万円	★★★☆☆
妊婦・授乳婦専門薬剤師	月2～3万円	★★★☆☆
腎臓病薬物療法認定薬剤師	月2～3万円	★★★☆☆

必須スキル：認定薬剤師

すべての薬剤師におすすめするのが研修認定薬剤師の取得です。この資格は：

• 転職時の必須条件となることが多い
• 手当支給対象となりやすい
• 取得が比較的容易

認定薬剤師を持っていない場合、転職活動で不利になる可能性があるため、まず最初に取得すべき資格といえます。

転職による年収アップの実態

実際に転職で年収アップを実現した薬剤師はどの程度いるのでしょうか。最新の調査データを分析しました。

転職による年収変化の実態

マイナビ薬剤師の調査によると、転職した薬剤師の65％が年収アップを実現しています。

年収アップ幅の内訳：

• 201万円以上アップ：17％
• 101～200万円アップ：17％
• 51～100万円アップ：20％
• 1～50万円アップ：11％

年収ダウンまたは変化なし：35％

年収大幅アップ成功者の特徴

年収200万円以上アップした薬剤師の特徴を分析すると：

1. 認定・専門薬剤師資格保有：75％
2. 管理薬剤師経験あり：68％
3. 転職エージェント利用：82％
4. 地方への転職：45％

転職成功事例

事例1：調剤薬局 → ドラッグストア

• 転職前：年収480万円（調剤薬局・管理薬剤師）
• 転職後：年収650万円（大手ドラッグストア・エリア候補）
• アップ額：170万円

事例2：病院 → 製薬企業

• 転職前：年収420万円（公立病院・一般薬剤師）
• 転職後：年収750万円（内資系製薬企業・学術）
• アップ額：330万円

事例3：都市部 → 地方

• 転職前：年収520万円（東京・調剤薬局）
• 転職後：年収780万円（熊本・調剤薬局管理薬剤師）
• アップ額：260万円

失敗しない転職活動のポイント

年収アップを目指す転職活動では、以下のポイントが重要です。

転職活動の基本戦略

1. 現在の市場価値を正確に把握する

• 複数の転職エージェントに相談
• 同年代・同経験の年収相場を調査
• 自分のスキル・経験を客観視

2. 転職理由を明確にする

• 年収だけでなく、キャリアビジョンも重要
• 長期的な視点でのメリット・デメリット検討
• 転職先で実現したいことを具体化

3. 情報収集を徹底する

• 企業の経営状況・将来性
• 職場環境・人間関係
• 昇進の可能性・キャリアパス

年収交渉のコツ

1. 根拠を持って交渉する

• 同業他社の給与水準を提示
• 自分のスキル・経験の価値をアピール
• 転職後の貢献度を具体的に説明

2. 総合的な条件で判断する

• 基本給だけでなく諸手当も考慮
• 福利厚生の充実度
• 将来的な昇給・昇進の可能性

3. 複数内定を活用する

• 複数社から内定を得て交渉力アップ
• 条件面での比較検討が可能
• 希望に近い条件での決定が可能

おすすめ転職エージェント活用法

年収アップを目指す転職活動では、専門の転職エージェントの活用が不可欠です。スキルアップ編集部おすすめのサービスをご紹介します。

薬剤師専門転職エージェント比較

マイナビ薬剤師

• 求人数：60,000件以上
• 年収1000万円以上求人：公開中
• 特徴：面談重視のサポート体制
• 利用料：完全無料

ファルマスタッフ

• 求人数：65,000件以上
• 特徴：20年以上の実績、現地訪問調査
• 運営：東証プライム上場企業
• 利用料：完全無料

薬キャリエージェント

• 求人数：40,000件以上
• 特徴：薬剤師登録者数No.1
• 運営：医療業界大手エムスリーグループ
• 利用料：完全無料

転職エージェント活用のポイント

1. 複数サービスに登録する

• 求人情報の幅が広がる
• 条件比較が可能
• エージェントとの相性を確認

2. 希望条件を明確に伝える

• 年収の希望額
• 勤務地の希望
• キャリアビジョン

3. 積極的にコミュニケーションを取る

• 定期的な連絡で優先度アップ
• 不明点は遠慮なく質問
• フィードバックを求める

まとめ：薬剤師として年収1000万円を実現するために

薬剤師として年収1000万円を目指すことは決して不可能ではありません。しかし、そのためには戦略的なキャリア形成が必要です。

年収1000万円への道筋

1. まずは認定薬剤師資格を取得

• 転職の必須条件
• 年収アップの第一歩

2. 専門性を高める

• がん専門薬剤師など高度な資格取得
• 特定領域での経験蓄積

3. 管理職経験を積む

• 管理薬剤師として実績作り
• マネジメントスキルの向上

4. 転職タイミングを見極める

• 市場価値が高い時期の転職
• 複数内定での条件交渉

5. 長期的視点でのキャリア形成

• 独立開業も視野に入れる
• 複数収入源の確保

最後に

薬剤師の年収事情は、職場・地域・年代・スキルによって大きく異なります。現在の年収に満足していない方も、適切な戦略とタイミングで大幅な年収アップが可能です。

今すぐできること：

1. 自分の市場価値を転職エージェントで確認
2. 認定薬剤師資格の取得計画を立てる
3. 将来のキャリアビジョンを明確化
4. 高年収求人の情報収集を開始

年収1000万円の薬剤師になるための第一歩を、今日から始めてみませんか？

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※本記事の年収データは、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」「第24回医療経済実態調査」および各種調査機関のデータに基づいて作成しています。実際の年収は個人の経験・スキル・勤務先によって変動します。

※転職をお考えの方は、複数の転職エージェントに相談し、十分な情報収集をした上で判断することをおすすめします。