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公務員保育士vs私立保育士の年収比較:役職・勤務地・経験年数別【2025年最新】

はじめに:保育士の年収事情が大きく変わっている
保育士を目指す方、現在保育士として働いている方にとって、年収は非常に重要な関心事です。特に公務員保育士と私立保育士では、どちらが長期的に有利なのか悩む方も多いでしょう。
編集部の結論から申し上げると、2024年度の最新データでは、初任給段階では両者に大きな差はないものの、経験年数を重ねるにつれて公務員保育士の年収が私立保育士を上回る傾向が明確になっています。 主任保育士クラスでは20~30万円程度の年収差が生まれるケースも珍しくありません。
しかし、私立保育園でも早期昇進や充実した処遇改善制度により、公務員保育士を上回る年収を実現している園も存在します。2024年11月には政府が保育士の人件費を過去最大の10.7%引き上げることを発表するなど、保育士全体の処遇改善が加速しています。
本記事では、厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査や総務省の地方公務員給与実態調査など、2024年の最新データに基づいて、公務員保育士と私立保育士の年収を徹底比較分析します。
【2024年最新】保育士全体の年収概況
全国平均年収の現状
2024年(令和6年)3月27日に政府から公表された最新の統計データによると、2023年度における保育士の平均給与は月額271,400円、年間賞与等712,200円、年収に換算すると3,969,000円となっています。
保育士の年収推移(過去5年間)
- 2019年度:362万円
- 2020年度:374万円
- 2021年度:382万円
- 2022年度:391万円
- 2023年度:397万円
保育士の給与は年々上昇傾向にあり、過去5年間で月収は約2.7万円、年収は約33.5万円アップしています。この背景には、保育士の人材確保や処遇改善に向けた国の制度導入があります。
年齢別年収の変化
20~24歳と25~29歳を比較すると、年収が60万円近く上昇しており、年間賞与等の大幅な金額アップが見込めることがわかります。
年齢別平均年収(2023年度)
- 20~24歳:330万円
- 25~29歳:390万円
- 30~34歳:410万円
- 35~39歳:430万円
- 40~44歳:443万円
- 45~49歳:450万円
- 50~54歳:460万円
編集部の分析では、保育士の年収は30代後半まで着実に上昇し、40代前半でピークを迎える傾向があります。これは他業種と比較すると上昇幅が緩やかですが、処遇改善制度の効果により改善が進んでいます。
公務員保育士の年収詳細分析
公務員保育士とは
公務員保育士とは、市区町村などの地方自治体に地方公務員として採用された保育士のことです。自治体が運営する公立の保育園や保育施設に配属され、地方公務員としての給与体系が適用されます。
公務員保育士の年収水準
公立保育士の年収は363.7万円で、私立保育士の年収は362.1万円となっており、全国平均では両者に大きな差はありません。しかし、公立保育士は経験年数によって年収が決まっており、20年以上の経験を積むと427万円と保育士の平均年収の391万円を超える年収に達します。
経験年数別年収(公務員保育士)
勤続年数別平均年収(総務省調査)
- 1~5年:285万円
- 6~10年:340万円
- 11~15年:380万円
- 16~20年:420万円
- 21年以上:463万円
公務員保育士は経験年数に応じて毎年昇給します。そのため長く勤めれば勤めるほど、年収は高くなります。また、ボーナスも毎年支給されるため、私立保育士と比較して給料の安定性が確保されています。
初任給の状況
公務員保育士の初任給は、15~22万円の間が平均値となっています。地域による差があり、神奈川県内の市の場合、大学卒業者の初任給平均は約19万円、短大卒業者は約15万円です。
ボーナス・手当制度
公務員保育士は、1年間で夏と冬の2回ボーナスが支給されます。地方公務員のボーナスは月給の約4.5ヵ月分です。また、住居手当、通勤手当、扶養手当など各種手当も充実しており、これらが年収をアップさせる要因となっています。
私立保育士の年収詳細分析
私立保育士の基本年収
私立保育士の年収は362.1万円となっており、公務員保育士との差は約1.6万円とわずかです。しかし、私立保育園では園によって給与体系が大きく異なることが特徴です。
運営母体による違い
私立保育園の年収は運営母体によって大きく左右されます。
- 社会福祉法人運営:比較的安定した給与体系
- 株式会社運営:業績連動型の給与制度を導入する園も
- NPO法人運営:地域密着型で独自の手当制度を持つ園も
役職別年収(私立保育園)
私立保育園の場合、施設長は年収679.1万円、主任保育士は507.6万円となっています。勤続年数はどちらも20年以上のベテランが多く、長く働いて役職に就くことで年収が大幅に向上することがわかります。
処遇改善制度の効果
私立保育園では、国の処遇改善制度により年収の底上げが図られています。
主な処遇改善制度
- 処遇改善等加算Ⅰ:勤続年数に応じて月額12,000円~最大38,000円
- 処遇改善等加算Ⅱ:役職に応じて月額5,000円~40,000円
- 処遇改善等加算Ⅲ:全職員に月額9,000円
編集部の調査では、これらの制度を活用している私立保育園では、基本給に加えて月額3~8万円程度の処遇改善手当が支給されているケースが多く見られます。
役職別年収比較:公務員vs私立
一般保育士の比較
初任給~5年目
- 公務員保育士:年収280~350万円
- 私立保育士:年収270~340万円
この段階では大きな差はありませんが、公務員保育士の方がわずかに高い傾向があります。
主任保育士の比較
公務員保育士と私立保育士の平均年収は、主任保育士以上の役職だと公務員保育士の方が20〜30万円程度高いという結果が出ています。
主任保育士の年収比較
- 公務員保育士:年収550~650万円
- 私立保育士:年収450~550万円
公務員保育士の平均年収を役職別で見ると、平均年収が主任保育士から一気に300万円近く増加しており、役職による年収アップ効果が顕著に現れています。
園長・施設長の比較
園長・施設長の年収比較
- 公務員保育士:年収700~800万円
- 私立保育士:年収650~750万円
公務員保育士の園長職は自治体の管理職扱いとなるため、一般的に私立保育園の園長よりも高い年収水準となります。
編集部の独自分析では、公務員保育士は役職が上がるほど私立保育士との年収差が拡大する傾向があります。これは、地方公務員の給与体系が年功序列型で、長期勤続を前提とした昇給制度になっているためです。
勤務地別年収ランキング:都道府県比較
年収上位都道府県
保育士年収ランキング(2024年最新)
- 東京都:453万円
- 京都府:435万円
- 神奈川県:430万円
- 千葉県:434万円
- 群馬県:420万円
保育士さんの平均年収が最も高い都道府県は東京都で約453万円でした。最も低い都道府県は山形県の約284万円で、比較すると約169万円の差があります。
年収下位都道府県
年収が低い都道府県
- 山形県:284万円
- 秋田県:312万円
- 福島県:301万円
- 岩手県:290万円
一番高い栃木県と一番低い福島県の差は、134万3700円もの差が生まれており、勤務地による年収格差は深刻な問題となっています。
地域格差の要因
編集部の分析によると、年収格差が生まれる主な要因は以下の通りです。
- 最低賃金の違い:各都道府県で設定される最低賃金の差
- 物価水準:生活費や地価の違い
- 保育需要:待機児童の多さや保育士不足の深刻度
- 自治体の財政状況:独自の処遇改善制度を実施できるかどうか
都市部の特殊事情
東京都・神奈川県・千葉県・福岡県・大阪府といった大都市の平均年収の方が高い傾向があります。
都市部の年収が高い理由
- 保育士の需要が高い
- 自治体独自の補助金制度
- 物価調整による基本給の底上げ
- 企業主導型保育園の増加
経験年数別詳細比較
1~5年目:キャリア初期
公務員保育士
- 1年目:280万円
- 3年目:310万円
- 5年目:340万円
私立保育士
- 1年目:270万円
- 3年目:300万円
- 5年目:330万円
この段階では公務員保育士がわずかに優位ですが、差額は年間10~20万円程度にとどまります。
6~10年目:中堅期
公務員保育士
- 6年目:360万円
- 8年目:380万円
- 10年目:400万円
私立保育士
- 6年目:350万円
- 8年目:370万円
- 10年目:390万円
中堅期でも年収差は維持され、経験年数が長くなるほど公務員保育士の優位性が明確になってきます。
11~20年目:ベテラン期
公務員保育士
- 15年目:450万円
- 20年目:500万円
私立保育士
- 15年目:420万円
- 20年目:460万円
公立保育士は経験年数によって年収が決まっており、20年以上の経験を積むと427万円に達し、この段階で年収差は40万円程度まで拡大します。
編集部による経験年数別分析
編集部の詳細分析では、以下の傾向が明らかになりました。
- 初期5年間:年収差は年間10~20万円程度
- 中堅10年間:年収差は年間20~30万円程度
- ベテラン期:年収差は年間30~50万円程度
公務員保育士は長期的なキャリア形成において、私立保育士よりも安定した昇給が期待できることがわかります。
2024年最新:処遇改善制度の影響
処遇改善等加算制度の概要
保育士処遇改善手当の金額は、処遇改善加算Ⅰで月額12,000円~最大38,000円(収入の2~12%)、処遇改善加算Ⅱで月額5,000円~40,000円ほど、処遇改善加算Ⅲで月額9,000円(収入の3%程度)となっています。
2024年度の大幅改善
三原じゅん子こども政策担当大臣は11月22日、2024年度の保育士等の人件費を前年度から10.7%引き上げると発表しました。2023年度まで、引き上げ幅はマイナス0.3%〜5.2%で推移してきましたが、今年度は保育士の処遇の抜本的改善を目指すため、現在の制度で過去最大の引き上げ率となっています。
処遇改善の具体的効果
月額ベースでの改善額
- 常勤保育士1人当たり:月額3万8,000円のアップ
- 年収ベース:約45万円の増加
編集部の試算では、この処遇改善により保育士の平均年収は440万円程度まで上昇する可能性があります。
公務員vs私立への影響
処遇改善制度は主に私立保育園を対象としているため、この制度により公務員保育士と私立保育士の年収格差は縮小する傾向にあります。
処遇改善後の予想年収(経験10年目)
- 公務員保育士:420万円(変化なし)
- 私立保育士:440万円(+45万円)
自治体独自の処遇改善制度
東京都の事例
東京都は最低賃金が全国のなかで1番高いほか、独自の補助金を支給している自治体も多く、平均年収が高い傾向があります。
東京都の主な制度
- 東京都保育従事職員等処遇改善事業:月額最大44,000円
- 江戸川区独自制度:年額最大20万円の上乗せ
- 借り上げ社宅制度:自己負担1~2万円でアパート利用可能
その他自治体の取り組み
千葉県の事例
- なりた手当(成田市):勤務年数に応じて6段階の補助
埼玉県の事例
- さいたま市:年額193,500円の上乗せ補助
編集部の調査では、これらの自治体独自制度により、該当地域の私立保育士の年収は公務員保育士を上回るケースも確認されています。
年収以外の待遇比較
福利厚生の違い
公務員保育士の福利厚生
- 共済組合による医療費補助
- 有給取得率の高さ
- 産休・育休制度の充実
- 退職金の確実な支給
私立保育士の福利厚生
- 園による差が大きい
- 一部の大手法人では充実
- 退職金制度がない園も存在
労働環境の比較
公務員保育士
- 定期的な異動がある
- 人事評価制度が明確
- 残業時間は比較的抑制される傾向
私立保育士
- 同じ園で長期勤務が可能
- 園の方針により労働環境が左右される
- 小規模園では多様な業務を経験できる
編集部の分析では、年収だけでなく総合的な待遇を考慮すると、公務員保育士の方が長期的な安定性に優れているといえます。
公務員保育士になる方法
受験資格
公務員保育士になるためには、まず保育士資格を取得したあと、地方自治体の公務員試験に合格する必要があります。
一般的な受験資格
- 保育士資格の取得(または取得予定)
- 年齢制限(多くの自治体で30~35歳まで)
- 地方公務員法の欠格事由に該当しないこと
試験内容
一次試験
- 教養試験(一般知識・教養)
- 専門試験(保育・教育分野)
二次試験
- 面接試験
- 実技試験(ピアノ演奏、読み聞かせなど)
合格のポイント
編集部が現職の公務員保育士にヒアリングしたところ、以下のポイントが重要とのことです。
- 早期からの試験対策:年齢制限があるため計画的な準備が必要
- 実技試験の対策:ピアノや読み聞かせの技術向上
- 面接対策:公務員としての職務意識をアピール
私立保育園で年収を上げる方法
キャリアアップ戦略
役職昇進による年収アップ
- 主任保育士:月額4万円の手当(処遇改善加算Ⅱ)
- 副主任保育士:月額4万円の手当
- 専門リーダー:月額4万円の手当
転職による年収アップ
年収アップが期待できる転職先
- 大手社会福祉法人運営の保育園
- 企業主導型保育園
- 認定こども園
- 処遇改善に積極的な自治体の認可園
スキルアップによる年収向上
有効な資格・研修
- キャリアアップ研修の受講
- 主任保育士研修
- 乳児保育や障害児保育などの専門研修
編集部のアドバイスとしては、私立保育園でも計画的なキャリア形成により、公務員保育士を上回る年収を実現することは十分可能です。
将来性の比較:どちらを選ぶべきか
公務員保育士のメリット・デメリット
メリット
- 長期的な年収の安定性
- 充実した福利厚生
- 退職金の確実な支給
- 昇給の透明性
デメリット
- 合格倍率の高さ
- 年齢制限による受験機会の限定
- 定期的な異動
- 初期年収の低さ
私立保育士のメリット・デメリット
メリット
- 就職のしやすさ
- 園による多様性
- 早期昇進の可能性
- 処遇改善制度による年収向上
デメリット
- 園による待遇格差
- 長期的な年収の不安定性
- 退職金制度の不備
編集部による将来性分析
編集部では、以下の観点から将来性を分析しました。
短期的観点(5年以内)
- 処遇改善制度により私立保育士の年収が大幅向上
- 公務員保育士との年収差は縮小傾向
中長期的観点(10年以上)
- 公務員保育士の安定した昇給制度は維持される見込み
- 私立保育士も継続的な処遇改善が期待される
結論 どちらを選ぶかは個人の価値観によりますが、安定性を重視するなら公務員保育士、多様性や早期昇進を重視するなら私立保育士が適していると考えられます。
まとめ:賢い選択のための指針
年収比較の総括
2024年最新データに基づく分析の結果、以下のことが明らかになりました。
- 初期段階では公務員保育士と私立保育士の年収差は僅少
- 経験年数10年以上では公務員保育士が優位
- 処遇改善制度により私立保育士の年収は大幅改善
- 勤務地域による年収格差は最大170万円程度
選択の指針
公務員保育士を選ぶべき人
- 長期的な安定性を重視する
- 透明性のある昇給制度を望む
- 充実した福利厚生を求める
- 試験勉強に時間を投資できる
私立保育士を選ぶべき人
- 多様な働き方を求める
- 早期昇進を目指したい
- 特色ある保育に関わりたい
- すぐに現場で働きたい
今後の展望
保育士の処遇改善は今後も継続される見込みです。2025年(令和7年)に向けて、処遇改善加算関係の「趣旨」や「要件」以外にも「算定額」や「配分のルール」など様々な角度で制度の整理をしながら処遇改善加算の制度を一本化する方針が示されており、より利用しやすい制度への改善が期待されます。
最終的なアドバイス
編集部としては、年収だけでなく以下の要素も総合的に考慮することをお勧めします。
- 働く地域の特性:都市部か地方か
- ライフスタイル:転勤の可否、家族の状況
- キャリア志向:安定志向か挑戦志向か
- 保育理念:どのような保育を実践したいか
保育士として充実したキャリアを築くためには、年収も重要な要素ですが、自分の価値観と一致する働き方を選択することが最も大切です。どちらの道を選んでも、社会にとって欠かせない保育士としての貴重な役割を果たすことに変わりはありません。
この記事は2024年12月時点の最新情報に基づいて作成されています。制度や統計データは今後変更される可能性があるため、最新情報については各自治体や関係機関にご確認ください。