これから需要が増える仕事・将来性のある仕事20選！10年後もなくならない職種と必要なスキルを徹底解説

AI（人工知能）の急速な進化や、社会構造のめまぐるしい変化。

そんな現代において、「今の仕事を続けていて大丈夫だろうか」「10年後も本当に必要とされる仕事はなんだろう」と、ご自身のキャリアに漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

かつての終身雇用の時代は終わりを迎え、これからは「個人のスキル」や「時代の需要に合わせたキャリアチェンジ」が、より一層重要になっています。

この記事では、社会人のキャリアチェンジをサポートする私たちLIFRELLスキルアップ編集部が、経済産業省や総務省などの公的なデータを基に、「これから需要が増える仕事」の分野と、具体的な職種を徹底解説します。

単なる職種の紹介にとどまらず、なぜその仕事の需要が増えるのか、未経験から目指すには何を学ぶべきか、そしてAI時代でも「なくならない仕事」に共通する要素まで、あなたの未来のキャリアプランに役立つ情報を厳選してお届けします。

なぜ今「需要が増える仕事」への転職・スキルアップが必要なのか？

結論：AIの台頭と社会構造の変化（少子高齢化など）により、仕事の「需要」がこれまでにないスピードで変化しているためです。

私たちが今、キャリアの転換点を意識すべき理由は、大きく分けて3つあります。

1. AIや自動化による「仕事の代替」

近年、AIやRPA（Robotic Process Automation）の技術は飛躍的に進歩しました。

これにより、これまで人間が行ってきた「定型的な事務作業」や「単純な物理的作業」は、急速に自動化されつつあります。

総務省の報告でも、AIの進展が雇用に与える影響について分析されており、特にデータ入力や処理などの定型業務は、AIによって代替される可能性が高いと指摘されています。

（出典：総務省「令和5年版 情報通信白書」）

これは、裏を返せば「AIにはできない仕事」の価値が相対的に高まることを意味します。

2. 少子高齢化による「需要構造の変化」

日本は世界でも類を見ないスピードで少子高齢化が進行しています。

内閣府のデータによれば、2025年にはいわゆる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護のニーズは爆発的に増加すると予測されています。

（出典：内閣府「令和5年版高齢社会白書」）

労働力人口が減少する一方で、特定の分野（医療・介護など）では深刻な人手不足が発生しており、こうした社会課題を解決する分野の仕事は、今後ますます需要が高まります。

3. DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進

あらゆる産業において、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する「DX」が経営の最重要課題となっています。

しかし、経済産業省の調査では、DXを推進するために不可欠な「IT人材」が質・量ともに大幅に不足していることが明らかになっています。

2030年には、最大で約79万人のIT人材が不足するとの試算もあり、デジタルスキルを持つ人材の需要は、今後も高止まりすることが確実視されています。

（出典：経済産業省「IT人材需給に関する調査」）

【分野別】これから需要が増える仕事の6大トレンド

結論：「IT・デジタル」「医療・介護」「グリーン（環境）」「専門コンサルティング」「Web・クリエイティブ」「物流・インフラ」の6分野が、将来の日本を支える需要の中核となります。

ここでは、特に将来性が高いと見込まれる6つの分野について、その背景と市場動向を解説します。

1. IT・デジタル分野

需要の背景:

前述の通り、全産業におけるDXの推進、AI、IoT、5Gといった先端技術の社会実装が本格化しているためです。

ビジネスの基盤そのものがデジタル化しており、それを支えるエンジニアやデータ専門家の需要は計り知れません。

市場動向:

IT人材の不足は深刻で、特にAIやデータサイエンス、クラウド技術、サイバーセキュリティの分野は、経験者の採用が極めて困難になっています。

そのため、未経験者であっても、ポテンシャルを重視した採用や、入社後の育成を前提とした求人が増加傾向にあります。

2. 医療・介護分野

需要の背景:

超高齢社会の進展が最大の要因です。2040年には高齢者人口がピークを迎えるとされ、医療ニーズ、特に介護やリハビリテーションの需要は、今後も一貫して増え続けます。

市場動向:

厚生労働省の試算では、2040年度には介護職員が約69万人不足する可能性があるとされています。

需要が安定している反面、働き手の確保が大きな課題となっており、待遇改善やICT化による業務効率化が進められています。

「人の命」や「生活の質」に直結するため、AIには代替できない「人によるケア」の価値が最も高い分野です。

（出典：厚生労働省「第８期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」）

3. グリーン・環境分野

需要の背景:

世界的な「脱炭素社会」への移行、SDGs（持続可能な開発目標）への関心の高まりが背景にあります。日本政府も2050年のカーボンニュートラル実現を掲げており、企業活動において環境への配慮は必須となりました。

市場動向:

経済産業省は、環境（Green）と経済成長を両立させる「グリーントランスフォーメーション（GX）」を推進しています。

これにより、再生可能エネルギー（太陽光、風力、地熱など）関連の技術者や、企業のESG（環境・社会・ガバナンス）経営を支援するコンサルタントなど、新たな専門職の需要が生まれています。

（出典：経済産業省「GX実現に向けた政策」）

4. 専門コンサルティング分野

需要の背景:

ビジネス環境が複雑化し、企業経営の難易度が上がっているためです。

DXの進め方、後継者不足に伴うM&A（事業承継）、人材採用・育成戦略、法規制への対応など、自社だけでは解決困難な課題を、外部の専門家の知見を借りて解決しようとする動きが活発です。

市場動向:

ITコンサルタント、M&Aアドバイザー、人事コンサルタントなど、特定の領域に特化した専門家の需要が伸びています。高い専門知識と問題解決能力が求められるため、代替が難しい仕事の代表格です。

5. Web・クリエイティブ分野

需要の背景:

消費者の情報収集や購買行動が、テレビや雑誌からインターネット（特にスマートフォン）へ完全に移行したためです。

企業はWebサイト、SNS、動画プラットフォームでのマーケティング活動を強化せざるを得ません。

市場動向:

インターネット広告費は、すでにテレビ、新聞などのマスメディア4媒体の広告費を上回っています。（出典：電通「2023年 日本の広告費」）

それに伴い、効果的なWeb戦略を立てる「Webマーケター」、魅力的なコンテンツを作る「動画編集者」や「UI/UXデザイナー」の需要が、業界を問わず高まっています。

6. 物流・インフラ分野

需要の背景:

Amazonや楽天に代表されるEC（電子商取引）市場の拡大により、物流量そのものが増加しています。

一方で、トラックドライバーの不足や高齢化、いわゆる「物流の2024年問題」（働き方改革関連法による時間外労働の上限規制）への対応が急務となっています。

市場動向:

人手不足を解消するため、倉庫の自動化（ロボティクス）や、AIによる最適な配送ルートの構築など、「物流DX」が急速に進んでいます。

また、ドローン配送や自動運転トラックの実用化に向けた技術開発も進んでおり、ITと物流の知見を併せ持つ人材が求められています。

【厳選】これから需要が増える仕事・将来性のある仕事20選

結論：ここでは、特に需要拡大が見込まれる具体的な職種を、仕事内容、需要が増える理由、未経験から目指す方法と共に詳しく紹介します。

将来性のある仕事を選ぶ際は、その需要の背景を理解することが重要です。LIFRELLスキルアップ編集部が注目する20の職種を見ていきましょう。

これから需要が増える仕事 サマリー表

まずは、今回ご紹介する職種を一覧で見てみましょう。

職種名	分野	将来性	未経験からの目指しやすさ
1. AIエンジニア	IT・デジタル	◎ (非常に高い)	△ (難易度 高)
2. データサイエンティスト	IT・デジタル	◎ (非常に高い)	△ (難易度 高)
3. ITコンサルタント	IT・デジタル	◎ (非常に高い)	△ (実務経験重視)
4. Webエンジニア	IT・デジタル	◎ (高い)	〇 (学習意欲次第)
5. クラウドエンジニア	IT・デジタル	◎ (非常に高い)	〇 (資格が有効)
6. セキュリティエンジニア	IT・デジタル	◎ (非常に高い)	△ (専門知識必須)
7. Webマーケター	Web・クリエイティブ	◎ (高い)	〇 (実績が作りやすい)
8. 動画編集者/クリエイター	Web・クリエイティブ	〇 (高い)	◎ (スキル習得が早い)
9. UI/UXデザイナー	Web・クリエイティブ	◎ (高い)	△ (専門性 高)
10. Webライター/SEO編集者	Web・クリエイティブ	〇 (需要は安定)	◎ (始めやすい)
11. 看護師	医療・介護	◎ (極めて高い)	△ (要 国家資格・学校)
12. 介護福祉士	医療・介護	◎ (極めて高い)	〇 (働きながら目指せる)
13. 理学療法士/作業療法士	医療・介護	◎ (高い)	△ (要 国家資格・学校)
14. 臨床心理士/公認心理師	医療・介護	〇 (高まっている)	△ (大学院・資格必須)
15. サステナビリティ/ESGコンサルタント	グリーン・環境	◎ (急拡大中)	△ (難易度 高)
16. 再生可能エネルギー技術者	グリーン・環境	◎ (高い)	△ (理系知識が有利)
17. M&Aアドバイザー	専門コンサル	◎ (高い)	△ (経験・資格重視)
18. 人事コンサルタント/採用担当	専門コンサル	〇 (高い)	〇 (人事経験が有利)
19. 物流DXコンサルタント	物流・インフラ	◎ (急拡大中)	△ (業界知識＋IT)
20. オンラインアシスタント	その他	〇 (高まっている)	◎ (スキル次第)

【IT・デジタル分野】

1. AIエンジニア

• 仕事内容: 機械学習やディープラーニングの技術を用い、画像認識、音声認識、自然言語処理などのAIモデルを開発・実装します。
• 需要が増える理由: ChatGPTのような生成AIの登場により、あらゆる業界でAI活用が本格化しているためです。データ分析から業務自動化、新サービス開発まで、AIエンジニアの活躍の場は無限に広がっています。
• 必要なスキル: Python（プログラミング言語）、機械学習・統計学の専門知識、ライブラリ（TensorFlow, PyTorch）の操作スキル。
• 未経験から目指す方法: 専門性が非常に高いため、独学は困難な場合があります。AI特化型のプログラミングスクールで体系的に学び、自身でAIモデルを構築した実績（ポートフォリオ）を作ることが転職の鍵となります。

2. データサイエンティスト

• 仕事内容: 企業が保有する膨大なデータ（ビッグデータ）を分析し、統計学的な知見からビジネス課題の発見や、経営戦略の意思決定に役立つインサイトを導き出します。
• 需要が増える理由:「勘」や「経験」に頼る経営から、データに基づき判断する「データドリブン経営」への移行が、企業の競争力を左右する時代になったためです。
• 必要なスキル: 統計解析、SQL（データベース操作）、データ可視化スキル、ビジネス理解力。
• 未経験から目指す方法: AIエンジニア同様、高度な専門職です。まずはSQLやPythonの基礎、統計検定2級程度の知識を身につけ、データ分析コンペティション（Kaggleなど）に参加して実績を積むのも一手です。

3. ITコンサルタント

• 仕事内容: 企業の経営者や担当者から経営課題をヒアリングし、IT技術（基幹システムの導入、DX推進、クラウド化など）を活用した解決策を提案・実行支援します。
• 需要が増える理由: 多くの企業がDXの必要性を感じているものの、「何から手をつければ良いかわからない」状態にあります。その「舵取り役」として、経営とITの橋渡しができる人材が強く求められています。
• 必要なスキル: 高度なIT知識、経営戦略に関する知識、論理的思考力、高いコミュニケーション能力（ヒアリング・提案力）。
• 未経験から目指す方法: 未経験からいきなり目指すのは難易度が高い職種です。まずはシステムエンジニア（SE）として開発経験を積むか、中小企業診断士などの経営系資格を取得し、論理的思考力を武器にキャリアチェンジするのが一般的です。

4. Webエンジニア (フロントエンド/バックエンド)

• 仕事内容:
  • フロントエンド: ユーザーが直接目にするWebサイトの画面（見た目や操作性）を開発します。
  • バックエンド: サーバー側で動作するシステム（ログイン機能、データベース連携、決済処理など）を開発します。
• 需要が増える理由: ECサイト、SaaS（クラウド型ソフトウェア）、SNS、サブスクリプションサービスなど、Webサービスが世の中に溢れており、その開発・運用保守を担うエンジニアは常に不足しています。
• 必要なスキル:
  • フロントエンド: HTML, CSS, JavaScript (React, Vue.jsなど)
  • バックエンド: Ruby (Ruby on Rails), PHP (Laravel), Python (Django), Javaなど
• 未経験から目指す方法: プログラミングスクールやオンライン教材が非常に充実している分野です。
  独学でも可能ですが、スクールで体系的に学び、オリジナルのWebサービスやアプリを「ポートフォリオ」として作成し、転職エージェントを活用するのが最も効率的です。

5. クラウドエンジニア

• 仕事内容: AWS（Amazon Web Services）、Microsoft Azure、GCP（Google Cloud Platform）といったクラウドサービスを利用し、企業のサーバーやネットワーク環境（インフラ）を設計・構築・運用します。
• 需要が増える理由: 多くの企業が、自社で物理的なサーバーを持つ（オンプレミス）形態から、低コストで柔軟性の高いクラウドへ移行（クラウドシフト）を進めているためです。
• 必要なスキル: 各クラウドサービスの専門知識、OS（Linux）、ネットワーク、セキュリティの基礎知識。
• 未経験から目指す方法: AWS認定資格やAzure認定資格など、各ベンダーが提供する資格の取得が、スキルの証明として非常に有効です。インフラエンジニア（オンプレミス）からの転身が多いですが、未経験者向けの研修が充実した企業もあります。

6. セキュリティエンジニア

• 仕事内容: 企業のシステムやネットワークを、サイバー攻撃、ウイルス感染、情報漏洩などの脅威から守るための設計、構築、監視、運用を行います。
• 需要が増える理由: ビジネスのデジタル化に伴い、サイバー攻撃のリスクや手法も高度化・巧妙化しています。
  個人情報漏洩などは企業の信用を失墜させる重大な問題であり、防御の専門家であるセキュリティエンジニアの重要性は増す一方です。
• 必要なスキル: ネットワーク、サーバー、OS、暗号技術、関連法規（個人情報保護法など）の幅広い知識。
• 未経験から目指す方法: 専門性が高いため、まずはネットワークエンジニアやサーバーエンジニアとして実務経験を積み、「情報処理安全確保支援士」などの国家資格取得を目指しながらステップアップするのが一般的です。

【Web・クリエイティブ分野】

7. Webマーケター (SEO/広告運用/SNS)

• 仕事内容: Webサイトやサービスへの集客を担当します。検索エンジンで上位表示させる「SEO対策」、リスティング広告やSNS広告を運用する「広告運用」、InstagramやX（旧Twitter）でファンを増やす「SNS運用」など、手法は多岐にわたります。
• 需要が増える理由: 企業の売上がWeb経由に大きく依存するようになったため、集客と売上向上の専門家であるWebマーケターの需要が全業界で高まっています。
• 必要なスキル: データ分析力（Google Analytics 4など）、各プラットフォーム（検索エンジン、広告媒体、SNS）の知識、論理的思考力。
• 未経験から目指す方法: 未経験可の求人も比較的多い職種です。
  まずは事業会社のマーケティングアシスタントや、広告代理店、SEOコンサルティング会社に入り、実務経験を積むのが王道です。
  個人ブログやSNSを運用し、実績（例：SEOで1位獲得、フォロワー数）を作ることも有効なアピールになります。

8. 動画編集者 / 映像クリエイター

• 仕事内容: YouTube、TikTok、InstagramリールなどのSNS動画や、企業のプロモーションビデオ（VP）、Web広告用の動画などを制作・編集します。
• 需要が増える理由: 5Gの普及により、テキストや画像よりも情報量が多い「動画コンテンツ」が主流となったためです。企業のマーケティング活動において、動画の活用は不可欠となっています。
• 必要なスキル: 編集ソフト（Adobe Premiere Pro, After Effects, Final Cut Proなど）の操作スキル、構成力、デザインセンス。
• 未経験から目指す方法: スキル習得が比較的容易な職種のひとつです。
  専門スクールやオンライン教材でソフトの使い方を学び、まずはクラウドソーシングサイト（クラウドワークス、ランサーズなど）で安価でも実績を積む（ポートフォリオを作る）ことで、次の仕事につながりやすいです。

9. UI/UXデザイナー

• 仕事内容:
  • UI (User Interface): ユーザーが直接触れる画面の「デザイン」を担当。ボタンの配置や色、フォントなど、視覚的な美しさ・使いやすさを設計します。
  • UX (User Experience): ユーザーがそのサービスやアプリを通じて得られる「体験」全体を設計します。
    「使いやすい」「楽しい」「また使いたい」と感じてもらうための、根本的な設計思想を考えます。
• 需要が増える理由: モノやサービスが飽和した現代では、単に機能が優れているだけでは売れません。「使いやすさ」「心地よさ」といった「体験価値（UX）」が、他社との差別化における決定的な要因となるためです。
• 必要なスキル: デザインツール（Figma, Sketch, Adobe XD）、人間中心設計の知識、論理的思考力、ユーザー調査（リサーチ）能力。
• 未経験から目指す方法: 単なるWebデザイナー（見た目を作る）から一歩進んだ専門職です。専門スクールで体系的に学ぶか、まずはWebデザイナーとしてキャリアをスタートし、UXの知見を深めながらステップアップする道が一般的です。

10. Webライター / SEO編集者

• 仕事内容: Webサイト上の記事コンテンツ（コラム、商品紹介、ノウハウ記事など）を執筆・編集します。
  特にSEO編集者は、検索エンジンで上位表示されるように、キーワード選定、記事構成、分析・改善までを担当します。
• 需要が増える理由: 企業がオウンドメディア（自社ブログなど）運営に力を入れ、コンテンツマーケティング（有益な情報発信による集客）を重視しているためです。
• 必要なスキル: 高い日本語ライティング能力、SEOの知識、情報収集・整理能力、WordPressなどのCMS操作スキル。
• 未経験から目指す方法: 最も未経験から始めやすい職種の一つです。クラウドソーシングで「1文字0.5円」といった安価な案件からでも実績を積み、徐々に単価を上げていくことができます。
  AIライティングツールが台頭していますが、AIが生成した文章を適切に編集・校正し、オリジナリティや専門性を付加できる「編集者」の需要はむしろ高まっています。

【医療・介護分野】

11. 看護師

• 仕事内容: 病院やクリニック、介護施設、訪問看護ステーションなどで、医師の診療補助や、患者・利用者の療養上のケア（検温、注射、点滴、清拭など）を行います。
• 需要が増える理由: 高齢化による医療ニーズの増大、在宅医療（訪問看護）の拡大、予防医療への意識の高まりなど、活躍の場が多岐にわたり、恒常的に人手不足の状態です。
• 必要なスキル: 国家資格（看護師免許）。高い責任感、体力、コミュニケーション能力。
• 未経験から目指す方法: 社会人になってからでも、看護専門学校（3年）や看護大学（4年）に入学し、国家試験に合格すれば看護師になれます。社会人入試枠を設けている学校も多くあります。

12. 介護福祉士

• 仕事内容: 高齢者や障害を持つ方々の自宅や介護施設で、食事、入浴、排泄などの身体的な介助や、生活上の相談・援助を行います。
• 需要が増える理由: 前述の通り、介護ニーズの爆発的な増加に対し、担い手が圧倒的に不足しています。
  AIやロボットによる一部の補助は進むものの、人の「心」に寄り添うケアは人間にしかできず、需要は極めて安定しています。
• 必要なスキル: 国家資格（介護福祉士）。他者への共感力、体力、忍耐強さ。
• 未経験から目指す方法: まずは無資格・未経験で介護助手として働きながら、実務経験を3年以上積み、「実務者研修」を修了することで国家試験の受験資格が得られます。働きながら資格取得を目指せるのが特徴です。

13. 理学療法士 (PT) / 作業療法士 (OT)

• 仕事内容:
  • 理学療法士 (PT): 怪我や病気で低下した「基本的動作能力」（立つ、歩く、座るなど）の回復を目指し、運動療法や物理療法（電気刺激など）を行います。
  • 作業療法士 (OT): 「応用的動作能力」（食事、入浴、家事、仕事、趣味など）の回復を目指し、リハビリテーションを行います。精神面へのアプローチも重視します。
• 需要が増える理由: 高齢化によるリハビリニーズの増加に加え、「健康寿命」を延ばしたいという予防医療の観点からも需要が高まっています。病院だけでなく、介護施設やスポーツ分野でも活躍の場が広がっています。
• 必要なスキル: 国家資格（理学療法士 / 作業療法士）。
• 未経験から目指す方法: 看護師と同様に、養成校（大学・専門学校で3〜4年）を卒業し、国家試験に合格する必要があります。

14. 臨床心理士 / 公認心理師

• 仕事内容: 心理的な問題を抱える人に対し、カウンセリングや心理検査を通じて、問題解決や心の健康回復をサポートします。
• 需要が増える理由: ストレス社会を反映し、メンタルヘルスの重要性が社会的に広く認知されるようになりました。企業内（EAP）、学校（スクールカウンセラー）、医療機関など、活躍の場が広がっています。
• 必要なスキル: 国家資格（公認心理師）または民間資格（臨床心理士）。傾聴力、客観的な分析力、守秘義務の徹底。
• 未経験から目指す方法: 資格取得には、大学で心理学を専攻した後、指定の大学院（修士課程）を修了することが必須となる場合が多く、ハードルは高めです。

【その他、注目の分野】

15. サステナビリティ / ESGコンサルタント

• 仕事内容: 企業に対し、E（環境）、S（社会）、G（ガバナンス）の観点から、持続可能な経営を行うための戦略立案や情報開示（サステナビリティレポート作成など）を支援します。
• 需要が増える理由: 投資家が企業の将来性を判断する際、財務情報だけでなくESGへの取り組みを重視する「ESG投資」が世界的な主流となったためです。
• 必要なスキル: 環境法規制、人権問題、コーポレートガバナンス、金融、経営戦略など、非常に幅広く高度な知識。
• 未経験から目指す方法: 専門性が極めて高いため、コンサルティングファームや監査法人、事業会社の経営企画・IR部門などで関連経験を積むか、MBAなどを取得して目指すのが一般的です。

16. 再生可能エネルギー技術者

• 仕事内容: 太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電といった再生可能エネルギーの発電所建設に関する開発、設計、施工管理、保守・運用を行います。
• 需要が増える理由: カーボンニュートラル実現に向けた国家的なプロジェクトであり、今後も新しい発電所の建設や、既存設備の保守ニーズが継続的に発生するためです。
• 必要なスキル: 電気工学、機械工学、土木工学などの理系知識。電気主任技術者や電気工事士などの資格が有利です。
• 未経験から目指す方法: 関連学部卒が有利ですが、保守・メンテナンス部門や施工管理部門では、文系出身者や未経験者でも、資格取得を前提に採用している場合があります。

17. M&Aアドバイザー

• 仕事内容: 企業の合併・買収（M&A）を仲介・支援します。売り手企業と買い手企業のマッチング、企業価値の算定（バリュエーション）、交渉、契約締結までの一連のプロセスをサポートします。
• 需要が増える理由: 中小企業における経営者の高齢化と、後継者不足が深刻な社会問題となっており、「事業承継」の手段としてM&Aを選ぶケースが急増しているためです。
• 必要なスキル: 財務、会計、税務、法務の高い専門知識、交渉力。
• 未経験から目指す方法: 銀行、証券会社、会計事務所、コンサルティングファームなどでの実務経験者が優遇されます。公認会計士や税理士資格も非常に強力な武器となります。

18. 人事コンサルタント / 採用担当

• 仕事内容:
  • 人事コンサル: 企業の人事課題（採用戦略、人事制度設計、タレントマネジメント、労務問題）の解決を支援します。
  • 採用担当: 自社に必要な人材を採用するため、採用計画の立案、母集団形成（求人媒体、エージェント対応）、面接、内定者フォローなどを行います。
• 需要が増える理由: 労働力人口の減少により、優秀な人材の確保（採用競争）が激化しているためです。また、働き方の多様化（リモートワーク、ジョブ型雇用）に対応した新しい人事制度の構築も急務となっています。
• 必要なスキル: 人事・労務に関する知識、労働法規、コミュニケーション能力。
• 未経験から目指す方法: 事業会社の人事部門での実務経験が最も評価されます。未経験からは、人材紹介会社（転職エージェント）のキャリアアドバイザーとして経験を積み、事業会社の人事へ転職するキャリアパスも一般的です。

19. 物流DXコンサルタント / ロボティクスエンジニア

• 仕事内容: 物流業界（倉庫、配送）の人手不足や非効率を、ITやロボット技術で解決します。倉庫管理システム（WMS）の導入支援、自動搬送ロボット（AGV）の導入、AIによる配送ルートの最適化などを担います。
• 需要が増える理由: EC市場の拡大と「物流の2024年問題」への対応が待ったなしの状況であり、物流業界のDXは最優先課題の一つです。
• 必要なスキル: 物流オペレーションの知識、ITシステムの知識、ロボット工学の知見。
• 未経験から目指す方法: 「物流業界での実務経験」と「ITスキル」の掛け合わせが求められます。物流会社の現場や管理部門で働きながら、IT知識（特にシステム導入やデータ分析）を学ぶことで、希少価値の高い人材になれます。

20. オンラインアシスタント / 秘書

• 仕事内容: リモートワーク（在宅）で、企業のバックオフィス業務（スケジュール管理、メール対応、資料作成、経理補助、Webサイト更新など）を代行します。
• 需要が増える理由: 中小企業やスタートアップ、フリーランスなど、専任の事務スタッフを雇う余裕はないものの、雑務に追われている層からのアウトソーシング需要が高まっています。
• 必要なスキル: 高いPCスキル（Officeソフト、チャットツールなど）、ビジネスマナー、自己管理能力、正確な事務処理能力。
• 未経験から目指す方法: 事務職や秘書、経理などの実務経験があれば即戦力として活躍できます。未経験でも、ビジネスマナーやPCスキルをアピールし、まずはアシスタント業務から実績を積むことができます。

10年後も需要が減らない仕事に共通する「3つの要素」

結論：「非定型業務（創造性・課題解決）」「高度な専門性」「ホスピタリティ・コミュニケーション」が、AI時代を生き抜く鍵です。

これまで多くの職種を紹介してきましたが、10年後、20年後もAIに代替されず、人間に求められ続ける仕事には、共通する要素があります。

1. 非定型業務（創造性・課題解決）

AIは、過去のデータを学習し、パターン化された「正解」を導き出すのは得意です。しかし、0から1を生み出す「創造的な仕事」や、前例のない未知の課題を解決する「戦略的な思考」は苦手です。

• （例）新しいビジネスモデルの考案、芸術作品の創作、複雑な経営判断、新しい法制度の設計

2. 高度な専門性（特定の知識・技術）

特定の分野における深い知識と、長年の経験に裏打ちされた「暗黙知」や「勘」を要する仕事は、AIによる代替が困難です。

• （例）医師の最終診断（特に症例の少ない病気）、高度なプログラミングアーキテクチャの設計、複雑な法律相談、熟練技術者のノウハウ

3. ホスピタリティ・コミュニケーション

人の感情を深く理解し、共感し、信頼関係を築き、相手を動かすような仕事は、人間にしかできません。AIは「共感しているように見せる」ことはできても、本当に「心を動かす」ことはできません。

• （例）介護・看護におけるケア、心理カウンセリング、幼児教育、チームを率いるマネジメント、複雑な利害関係を調整する交渉

逆に、需要が減る可能性のある仕事の特徴とは？

結論：「定型的な事務作業」と「単純な物理的作業」は、AIやロボットによる代替リスクが最も高いと言えます。

需要が増える仕事がある一方で、テクノロジーの進歩によって需要が減少していくと予測される仕事もあります。

1. 定型的な事務作業

データ入力、伝票処理、受付業務、電話応対（一次受け）など、マニュアル化しやすく、日々繰り返される作業です。これらはRPAやAI-OCR（文字認識）、AIチャットボットによって、急速に自動化が進んでいます。

2. 単純な物理的作業

工場のラインでの組み立て、倉庫でのピッキング（検品・梱包）、スーパーのレジ打ちなど、決められた手順に従って行う物理的な作業です。産業用ロボットやセルフレジ、自動倉庫システムの導入によって、省人化が進む分野です。

需要が減る可能性のある仕事と代替技術の例

仕事の例	代替が予測される技術
一般事務 （データ入力、伝票処理）	RPA、AI-OCR
銀行の窓口業務	ネットバンキング、ATM、AIチャットボット
スーパーのレジ係	セルフレジ、無人レジ、キャッシュレス決済
工場のライン作業員	産業用ロボット、ファクトリーオートメーション
（将来的） タクシー・トラック運転手	自動運転技術

需要が増える仕事に就くための具体的な4ステップ

結論：「自己分析」「情報収集」「スキル習得」「行動」の4ステップで、着実にキャリアチェンジを目指しましょう。

将来性のある仕事に就きたいと思っても、何から始めれば良いかわからない、という方も多いでしょう。

ここでは、LIFRELLスキルアップ編集部が推奨する、キャリアチェンジのための実践的な4ステップをご紹介します。

需要のあるスキルを学ぶなら？LIFRELLスキルアップ編集部おすすめの学習方法

結論：本気でキャリアチェンジを目指すなら、「専門スクール」と「転職エージェント」を併用し、情報とスキルの両面から準備するのが最適解です。

LIFRELLスキルアップ編集部は、これまで多くの社会人のキャリアチェンジを支援するサービスやスクールを取材してきました。その知見から、効率的な学習方法をご紹介します。

1. 効率的に専門スキルを学ぶなら「専門スクール」

特にITエンジニア、Webデザイン、Webマーケティングといった専門職を未経験から目指す場合、独学には限界があります。

スクールのメリット:

• 体系的なカリキュラム: 現場で必要な知識が順序立てて学べる。
• メンターの存在: 現役のプロに直接質問でき、挫折しにくい。
• 転職サポート: ポートフォリオ作成の指導や、企業紹介を受けられる。

費用はかかりますが、時間を買う（学習期間を短縮する）という点で、自己投資として非常に有効です。前述の「教育訓練給付制度」の対象となるスクールも多いため、必ずチェックしましょう。

2. 自分の市場価値とリアルな求人を知るなら「転職エージェント」

「今すぐ転職するわけではない」という段階でも、転職エージェントへの登録は強くおすすめします。

転職エージェントを活用するメリット:

• 客観的な市場価値の把握: あなたの経歴で、今どの業界・職種なら転職可能か、プロの目線で教えてもらえます。
• キャリアの棚卸し支援: 専門のアドバイザーが、あなたの「強み」を言語化する手伝いをしてくれます。
• 非公開求人の情報: 市場に出回っていない優良企業の求人情報にアクセスできます。

特に、IT特化、ハイクラス特化、マーケティング特化など、目指す分野に強みを持つ転職エージェントを選ぶと、より質の高い情報とサポートが期待できます。

Q&A これから需要が増える仕事に関するよくある質問

結論：キャリアチェンジに関する皆様の疑問や不安に、編集部がお答えします。

30代・40代の未経験からでも、本当に需要のある仕事に転職できますか？

可能です。ただし、20代に比べるとポテンシャル採用の枠は減るため、「学習意欲」と「これまでの経験との掛け算」が重要になります。

例えば、営業経験が豊富な40代の方がWebマーケターを目指す場合、「顧客折衝能力」や「売上へのコミット力」は大きな強みになります。そこにWebマーケティングのスキルを掛け合わせることで、若手にはない付加価値が出せます。

年齢をネックに感じるのではなく、これまでの社会人経験をどう活かすかを考えましょう。

AIに仕事を奪われないか不安です。今から具体的に何をすべきですか？

まずは、ご自身の仕事内容を「10年後も需要が減らない仕事に共通する『3つの要素』」で解説した3要素（非定型業務、専門性、コミュニケーション）に照らし合わせてみてください。

もし定型業務が多い場合は、AIやツールを「使いこなす側」になるための学習を始めることを推奨します。例えば、事務職であればExcelマクロやRPAの使い方を学ぶ、マーケターであればAIライティングツールを活用した戦略立案を学ぶ、などです。

AIを「脅威」ではなく「業務を効率化するパートナー」と捉える視点が大切です。

需要がある仕事＝やりたい仕事、ではありません。どうバランスを取れば良いですか？

非常に重要なご質問です。LIFRELLスキルアップ編集部では、キャリア選択は「需要（Need）」「強み（Strength）」「情熱（Passion）」の3つの円が重なる部分を探す作業だと考えています。

需要だけに目を向けると、仕事が長続きせず疲弊してしまいます。

まずはご自身の「情熱（好きなこと、興味があること）」を軸に、その中で「需要」が高まっている分野がないか、あるいはご自身の「強み」を活かせる分野はないか、という順序で考えることをおすすめします。

地方在住ですが、需要が増える仕事は都市部に集中していませんか？

確かにIT系やコンサルティング系の求人は都市部に集中する傾向があります。しかし、現在は2つの大きな流れがこれを変えつつあります。

1つは「リモートワークの普及」です。ITエンジニア、Webマーケター、デザイナー、Webライター、オンラインアシスタントなどは、場所を選ばずに働ける求人が急増しています。

もう1つは「地域特化の需要」です。医療・介護分野や、一次産業（スマート農業）、地域のインフラ維持（土木・建築）、地域の中小企業の事業承継（M&A）などは、むしろ地方こそ人手不足が深刻であり、強い需要があります。

まとめ：未来のキャリアは「学び」と「行動」で切り開く

結論：これから需要が増える仕事とは、変化に対応し、専門性を高め、人間にしかできない価値を提供する仕事です。

この記事では、AIの進化や社会構造の変化を背景に、これから需要が増える仕事の分野と具体的な職種について解説してきました。

• AIの進化や少子高齢化により、仕事の需要は大きく変化している。
• 特に「IT・デジタル」「医療・介護」「グリーン・環境」などの分野で需要が拡大。
• AIに代替されにくいのは「非定型業務（創造性）」「高度な専門性」「コミュニケーション」が求められる仕事。
• 需要が減る可能性があるのは「定型的な事務作業」「単純な物理的作業」。
• キャリアチェンジには「自己分析」「情報収集」「スキル習得」「行動」の4ステップが重要。

社会の変化がこれほど激しい時代に、ご自身のキャリアについて不安を感じるのは、むしろ当然のことです。しかし、この変化は、これまでの枠にとらわれず、新しい可能性に挑戦できる「チャンス」でもあります。

重要なのは、立ち止まって不安な気持ちを抱え続けることではなく、情報を集め、小さな一歩でも行動を起こしてみることです。

LIFRELLスキルアップは、転職エージェントや資格スクールの情報提供を通じて、皆様が自分らしい働き方を見つけ、成長していくための一歩を、これからも全力でサポートします。

この記事が、あなたの輝かしい未来のキャリアを考える、そのきっかけとなれば幸いです。