Make.com自動化事例:スキルアップを目指す人のための業務効率化ガイド

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Make.com(旧Integromat)は、プログラミング不要でアプリ間の自動化ワークフローを構築できるノーコードiPaaSです。2025年8月27日から課金単位が刷新されるなど、仕様変更が続いており、古い情報をもとに導入を検討している方も多い状況です。

この記事では、最新の料金体系・機能仕様・実践的な活用事例・競合ツールとの比較を網羅的に解説します。「どこから始めるか」の判断基準も示しているので、初めての方から中級者まで活用できる内容です。

目次

Make.comとは何か:基本概念と位置付け

Make.comはもともと「Integromat(インテグロマット)」という名前のチェコ発スタートアップのサービスでした。2020年にCelonisが買収し、2022年に「Make」としてリブランドしました。

分類としては「iPaaS(Integration Platform as a Service)」——複数のクラウドサービスをAPI経由でつなぎ、業務フローを自動化するプラットフォームです。Make.comの特徴は視覚的なキャンバス上でモジュール(処理ブロック)をドラッグ&ドロップでつなぐ設計であり、単純な「AならばB」という処理だけでなく、条件分岐・ループ・並列処理・エラーハンドリングまで構築できます。

基本用語を押さえる

用語意味
シナリオ自動化ワークフロー全体のこと。Zapierでいう「Zap」に相当
モジュール各アプリの処理ブロック。「Gmail:メール受信」「Slack:メッセージ送信」など
トリガーシナリオを起動するきっかけ。「新しいメールを受信した時」「スプレッドシートが更新された時」など
クレジット2025年8月27日から採用された課金単位。1モジュールの1アクション=1クレジット
Router条件によって処理を分岐するモジュール(if/elseに相当)
Iterator配列データを1件ずつ処理するモジュール(forループに相当)
Aggregator複数の処理結果を1つにまとめるモジュール

【2025年最新】料金プラン:課金単位が「クレジット」に変更

2025年8月27日から、Makeの課金単位は旧来の「オペレーション数」から「クレジット」に変更されました。基本ルールは「1モジュールの1アクション=1クレジット」です。年払いは15%以上の割引が適用されます。

プラン月額料金(年払い)クレジット/月アクティブシナリオ最小実行間隔ログ保存
Free$01,000215分7日
Core$9〜10,000無制限1分30日
Pro$16〜10,000無制限1分30日
Teams$29〜10,000無制限1分30日
Enterprise要相談カスタムカスタム1分60日

なお、データ転送量の目安は10,000クレジットあたり5GBです。AI連携(OpenAI等)はFreeを含む全プランで可能ですが、自社LLMキーの持ち込みはPro以上が条件になります。

無料プランで試す際の注意点

無料プランの1,000クレジット/月という制限を具体的にイメージすると:5モジュールのシナリオが1回実行されるたびに5クレジット消費します。つまり、1日1回実行で月200回(1,000÷5)が上限の目安です。本格運用には最低でもCoreプランへのアップグレードを検討してください。

プラン選択の判断基準

  • Free:まず試してみたい・月200回未満の軽い自動化
  • Core:月10回以上シナリオを実行する個人・個人事業主。1分間隔の監視が必要な場合
  • Pro:高度なAI連携(自社LLMキー持ち込み)が必要な場合。カスタムアプリ連携を使いたい場合
  • Teams:5人以上のチームで複数シナリオを本格運用する場合

競合ツールとの徹底比較:Make vs Zapier vs n8n vs Power Automate

ツール強み弱み月額(最安有料)こんな人に向く
Make.com複雑な処理・視覚的な設計・コスパ日本語サポートなし・学習コストあり$9〜中複雑な自動化を安く作りたい人
Zapier対応アプリ数最多(7,000+)・シンプル高価・複雑な処理は不得手$19.99〜とにかく多くのアプリをつなぎたい人
n8nオープンソース・セルフホスト可能・コード埋め込み可初期設定がやや複雑$24〜(クラウド)エンジニアよりの方・データを外に出したくない人
Power AutomateMicrosoft 365との親和性が抜群非Microsoft環境では使いにくい$15〜Microsoft 365ユーザー
IFTTTシンプル・個人向けの簡単自動化複雑な処理は不可・ビジネス用途には不向き無料〜$3.99個人の超シンプルな自動化

Make vs Zapierの選び方:シンプルな2ステップ自動化で対応アプリ数を重視するならZapier。複雑な条件分岐・ループ・データ変換が必要でコストを抑えたいならMakeが有利です。Zapierは直感的ですが、同じ処理を組むとMakeの3〜5倍のコストになるケースが多いです。

Make vs n8nの選び方:クラウドで手軽に始めるならMake。自社サーバーに構築してデータを外部に出したくない・コードで細かく制御したいならn8n。n8nはオープンソースのため自前サーバーなら実質無料ですが、初期構築コストがかかります。

Make.comの主要機能:初心者〜中級者が知るべき仕組み

基本的なワークフローの構成

Make.comのシナリオは「トリガー → 処理(1つ以上のモジュール) → アクション」という構造です。

【例】問い合わせフォーム自動化
Google Forms(新しい回答)
 ↓
ChatGPT(内容を分析・分類)
 ↓
Router(分岐)
 ├─ 緊急 → Slack #urgent に通知
 └─ 通常 → Google Sheets に記録 → 担当者にメール

中級者が知るべき重要モジュール

モジュール用途使用例
Router条件によって処理を分岐「件名にURGENTが含まれる場合はSlack通知、それ以外はスプレッドシートに記録」
Iteratorリスト(配列)データを1件ずつ処理「Sheetsの複数行を1行ずつ処理してメールを個別送信」
Aggregator複数の処理結果をまとめる「複数のAPIから取得したデータを1つのメッセージにまとめてSlackに送信」
Tools: Set Variable変数の設定・引き回し「処理途中の値を変数に保存して後続のモジュールで使う」
HTTPAPIを直接叩く「Make公式モジュールがない独自サービスに対してAPIリクエストを送る」

エラーハンドリングの種類

本番運用で必須の知識です。Make.comには5種類のエラーハンドラがあります。

  • Ignore:エラーが発生してもシナリオを続行(軽微なエラーに使う)
  • Resume:エラーが発生した後、指定した地点から処理を再開
  • Commit:エラー発生時点まで実行済みの処理を確定して終了
  • Rollback:エラー発生時点まで実行済みの処理を取り消して終了
  • Break:エラーが発生した実行をキューに保留し、後から手動再実行できる状態にする

実務では「Break」が最も使われます。処理を止めずにエラー発生分だけ後から再実行できるため、データ損失のリスクを最小化できます。

実践:業務別の活用事例10選

以下は、実際にMake.comで構築可能な自動化の具体例です。難易度別に整理しているので、まずは★☆☆の簡単なものから始めることを推奨します。

★☆☆ 初級:まず試すべき3つの自動化

①GmailからGoogle Sheetsへの自動転記

Gmail(メール受信)→ Google Sheets(行を追加)

特定のラベルや差出人からのメールを自動的にスプレッドシートに記録します。最初の自動化として最も推奨されるシンプルな2モジュール構成。使用クレジット:2クレジット/実行。

②Googleフォーム回答をSlackに通知

Google Forms(新しい回答)→ Slack(メッセージ送信)

問い合わせフォームや申込フォームへの回答をリアルタイムでSlackに通知します。手動での確認作業が不要になります。

③WordPressの新記事をSNSに自動投稿

WordPress(新しい記事公開)→ X(Twitter)/LinkedIn(投稿)

ブログを公開するたびにSNSに自動投稿します。投稿内容はChatGPTで記事内容をもとに最適化した文章を生成させることも可能です。

★★☆ 中級:業務効率化に直結する4つの自動化

④問い合わせメールのAI分類と自動振り分け

Gmail受信 → ChatGPT(内容分析・カテゴリ分類)
→ Router
 ├─ 購入問い合わせ → 営業担当Slackチャンネルに通知
 ├─ サポート問い合わせ → カスタマーサポートチケット作成
 └─ その他 → Google Sheetsに記録

問い合わせ対応時間が平均2時間から30分に短縮できます。RouterとChatGPT連携の組み合わせが核心です。

⑤定期レポートの自動作成・配信

スケジュール(毎週月曜9時)
→ Google Analytics/Search Console(データ取得)
→ ChatGPT(レポート文章生成)
→ Googleドキュメント(レポート作成)
→ Gmail(関係者にメール送信)

週次・月次のレポート作成が自動化されます。データ取得から文章生成・送付まで完全自動化することで、担当者の時間を4時間→15分に短縮できます。

⑥採用応募の自動管理

応募フォーム(新規応募)
→ ChatGPT(履歴書の要件マッチング)
→ Router
 ├─ 条件マッチ → 採用担当にSlack通知 + カレンダーに面接枠追加
 └─ 条件不一致 → Google Sheetsに記録 + 自動謝絶メール送信

採用担当者の作業時間を60%削減できます。スクリーニング基準はChatGPTへのプロンプトで細かく設定可能です。

⑦請求書・領収書の自動処理

Gmail(請求書PDF受信)
→ Google Drive(保存)
→ OpenAI(PDF内容の読み取り・データ抽出)
→ Google Sheets(会計データ記録)
→ Slack(経理担当に通知)

月末の経費精算作業が5時間から30分に短縮されます。OCR処理はOpenAIのビジョン機能(GPT-4o)で行うと精度が高いです。

★★★ 上級:高度な自動化の事例3選

⑧SNSコンテンツの完全自動生成・投稿

スケジュール(毎日9時)
→ Google Sheets(投稿テーマ一覧から取得)
→ ChatGPT(プラットフォーム別投稿文生成)
→ Iterator(各SNS分を1件ずつ処理)
→ X/Instagram/LinkedIn/Facebook(各プラットフォームへ投稿)
→ Google Sheets(投稿結果記録)

SNS運用時間を週10時間から1時間以下に削減できます。プラットフォームごとの文字数制限や最適な表現の違いをプロンプトで制御するのがポイントです。

⑨ECサイトの在庫監視と自動発注

スケジュール(1時間ごと)
→ ECサイトAPI(在庫データ取得)
→ Router(在庫閾値チェック)
 ├─ 在庫切れ間近 → 発注書自動作成 → Slack通知 → 承認後サプライヤーへ送信
 └─ 正常 → ログ記録のみ

在庫切れによる機会損失を大幅に削減できます。Make.comの1分間隔実行(Coreプラン以上)と組み合わせると、ほぼリアルタイムの在庫監視が実現します。

⑩AI顧客サポートの一次対応自動化

メール/チャット受信
→ ChatGPT(FAQ照合・回答生成)
→ Router
 ├─ FAQ対応可能 → 自動返信 + チケット自動クローズ
 └─ 人対応必要 → 担当者へエスカレーション(優先度付き)
→ Google Sheets(対応履歴記録)

初回応答時間が平均3時間から5分以内に短縮できます。FAQデータベースをChatGPTのシステムプロンプトに含めることで回答精度を高めます。

ChatGPT(OpenAI)との連携手順

連携に必要なもの

  • Make.comアカウント(Freeプランで可能)
  • OpenAI APIキー(有料:OpenAI公式サイトから取得)

設定手順

  1. OpenAI公式サイト(platform.openai.com)でアカウント作成 → 「API keys」で新規キーを生成・コピー
  2. Make.comのシナリオ編集画面でOpenAIモジュールを追加
  3. 「Create a connection」→APIキーを入力して接続テスト
  4. 「Create a Chat Completion」モジュールで処理を定義  - Model:gpt-4o(高精度・推奨)またはgpt-4o-mini(低コスト)  - Role:System(AIの役割設定)/User(入力テキスト)を設定  - Temperature:0〜1で出力の安定性を調整(0が最も安定)

連携活用シーン一覧

活用シーン具体的な処理期待効果
メール返信の自動化受信メールの内容を解析し適切な返信文を生成返信時間を大幅短縮
コンテンツ生成SEOを考慮した記事・SNS投稿文の自動生成コンテンツ制作時間を削減
データ分類・タグ付け問い合わせや商品レビューをカテゴリ分類手動分類作業の排除
文書要約長文メールや会議メモを要約してSlackに投稿情報共有の効率化
多言語対応日本語コンテンツを英語・中国語等に自動翻訳グローバル対応の加速

どの業務から始めるか:自動化優先度の判断基準

Make.comで自動化すべき業務の選び方は、「頻度 × 手間 × ミスのリスク」の3軸で判断します。以下のマトリクスで優先度を判断してください。

業務の特徴優先度対象業務の例
毎日実行 × 手順が決まっている × ミスが影響大最優先問い合わせ受付・入金確認・在庫監視
週次実行 × データ転記が多いレポート作成・定期通知・データ集計
月次実行 × 複数ツール間のデータ移動経費精算・請求書処理・月次集計
不定期 × 判断が必要低(後回し)提案書作成・クリエイティブ業務

最初の自動化には「Gmail → Google Sheets」を推奨します。2モジュール・設定時間15分で完成し、Make.comの基本操作をすべて体験できます。成功体験を積んでから複雑なシナリオに移行してください。

Make.com導入・運用のベストプラクティス

命名規約で管理性を高める

シナリオが増えると管理が難しくなります。以下の命名規約を最初から徹底することで、後からの修正・引き継ぎが容易になります。

【シナリオ名の例】
[部門]_[ツール名]_[処理内容]_[頻度]
例:Marketing_Gmail→Sheets_問い合わせ記録_毎時

本番運用前のチェックリスト

  • テスト実行で意図した通りに動くか確認したか
  • エラーハンドラ(最低でもBreak)を設定したか
  • 「未完了実行(Incomplete Executions)」の通知を有効にしたか
  • シナリオの目的・処理内容をメモ(ノート機能)に記載したか
  • 本番データでテストする前にサンドボックスデータで検証したか

クレジット消費の最適化

  • 不要なモジュールを削除:処理の確認だけのためにモジュールを残すとクレジットを無駄に消費する
  • フィルタを早い段階で設定:条件に合わないデータは早めに除外してモジュール実行数を減らす
  • 実行間隔を適切に設定:1分間隔が必要でない場合は5〜15分間隔にするとクレジット消費を抑えられる

セキュリティと信頼性

Make.comの公式情報によると、GDPR準拠・SOC 2 Type II監査完了・ISO 27001に準拠した情報セキュリティプログラムを運用しています。SSO(シングルサインオン)・権限管理・データ暗号化・データセンター冗長化なども実装されています。

業務データを外部に出したくない場合は、前述のn8nのセルフホスト版を検討してください。

よくある質問

プログラミング知識は本当に不要ですか?

基本的な自動化(2〜5モジュール)であれば不要です。ただし、HTTPモジュールでAPIを直接叩く・JavaScriptコードを埋め込むといった高度な処理はプログラミングの知識があると大きく差が出ます。最初はプログラミング不要な範囲から始め、必要に応じてスキルアップする流れが現実的です。

どのくらいの期間で使いこなせますか?

基本的な操作(シナリオ作成・モジュール設定・テスト実行)は1〜2週間で習得できます。RouterやIteratorを使った中級の自動化を作れるようになるまでは1ヶ月程度が目安です。

日本語サポートはありますか?

公式サポートは英語のみです。ただし、日本語のコミュニティ記事・YouTube解説動画が増えており、入門段階での情報収集には困りません。本格的な運用では英語のMake公式ドキュメントを読む必要があります。

2025年8月の料金変更でどう変わりましたか?

課金単位が「オペレーション数(シナリオの実行回数)」から「クレジット(モジュールの実行数)」に変わりました。1シナリオ内のモジュール数が多いほど消費クレジットが増えます。既存ユーザーは同等の処理量でクレジット数が変わるため、プランの見直しが必要なケースもあります。詳細は公式の比較表を確認してください。

まとめ:Make.comで始める業務自動化のロードマップ

フェーズやること期間目安
Phase1:学習無料アカウント作成 → Gmail→Sheetsの簡単な自動化を作る1週間
Phase2:基本活用最も時間のかかっている反復作業を1つ自動化する2〜4週間
Phase3:中級活用RouterとChatGPTを組み合わせた条件分岐・AI処理を構築する1〜2ヶ月
Phase4:本格運用複数シナリオを組み合わせた業務フローを構築・エラーハンドリングを実装3ヶ月〜

まず「Gmail → Google Sheets」の2モジュールシナリオで15分間の成功体験を積むことが最短の学習ルートです。無料プランで十分に試せるので、今すぐ始めてみてください。

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