IT業界の平均年収はいくら？職種・年代・言語別に徹底解説！未経験から年収1,000万円を目指す方法も紹介

「IT業界って本当に稼げるの？」

「自分のスキルや経験だと、どのくらいの年収が妥当なんだろう…」

「将来性も考えて、今から目指せる高年収の職種が知りたい」

IT業界への転職やキャリアアップを考える際、誰もが気になる「年収」。高いイメージはあるものの、具体的な金額や、どうすれば年収を上げられるのか、リアルな情報が見えづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、LIFRELLスキルアップ編集部が、厚生労働省などの公的な統計データや最新の調査結果をもとに、IT業界のリアルな年収事情を徹底的に解説します。

• IT業界全体の平均年収と、他業種との比較
• 【職種別】年収ランキングと仕事内容
• 【年代・言語別】リアルな年収実態
• 未経験から年収を上げていくための具体的な方法
• 編集部が分析する「これから年収が上がるスキル」

単なるデータの紹介だけでなく、キャリア形成の専門家として「なぜその職種の年収が高いのか」「今後どのようなスキルが市場価値を高めるのか」といった踏み込んだ分析も加えています。

この記事を読み終える頃には、IT業界の年収に対する解像度が格段に上がり、ご自身のキャリアプランを具体的に描けるようになっているはずです。ぜひ最後までご覧ください。

【結論】IT業界の平均年収は約623万円！日本の平均年収より160万円以上高い

結論から言うと、IT業界の平均年収は他の業界と比較して高い水準にあります。経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、IT関連産業で働く人材の平均年収は約623万円という結果が出ています。

一方で、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、日本国内の給与所得者の平均給与は460万円でした。つまり、IT業界で働く人は、国内の平均的なビジネスパーソンよりも年間で約165万円多く収入を得ている計算になります。

出典

• 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」
• 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

なぜIT業界の年収は高いのか？編集部の見解

IT業界の年収が高い背景には、主に3つの理由があるとLIFRELLスキルアップ編集部は考えています。

1. 社会全体のDX（デジタルトランスフォーメーション）化による需要拡大
   あらゆる業界でデジタル化が進む中、その根幹を支えるIT人材の需要は年々高まっています。需要に対して供給が追いついていない「売り手市場」であるため、人材獲得のために高い報酬が設定されやすいのです。
2. 専門性の高さと代替の難しさ
   ITの技術は専門性が高く、誰にでも簡単に代替できるものではありません。特定のプログラミング言語や高度なセキュリティ知識など、習得に時間がかかるスキルを持つ人材は、その希少性から高い評価を受けやすくなります。
3. 成果主義の文化が根付いている
   特にIT業界では、年齢や勤続年数よりも「どのようなスキルを持ち、どれだけの成果を出したか」が重視される傾向にあります。そのため、若手であっても高いスキルと実績があれば、大幅な年収アップを実現しやすい環境です。

ただし、注意点として「IT業界の誰もが最初から高年収」というわけではありません。特に未経験からのスタートや、需要の低いスキルセットの場合は、平均以下の年収になることもあります。

重要なのは、業界全体の平均値だけでなく、職種や年代、求められるスキルによって年収が大きく異なるという事実を理解することです。次章からは、より具体的なデータを見ていきましょう。

【職種別】あなたの目指すキャリアは？ITエンジニアの平均年収ランキングTOP15

IT業界と一言で言っても、その職種は多岐にわたります。

ここでは、代表的なIT関連職種の平均年収をランキング形式でご紹介します。ご自身の現在の職種や、これから目指したいキャリアの参考にしてください。

順位	職種名	平均年収	仕事内容の概要
1位	プロジェクトマネージャー(PM)	953万円	システム開発などのプロジェクト全体の責任者。計画立案、進捗管理、予算管理、メンバーの統括などを行う。
2位	ITコンサルタント	821万円	企業の経営課題に対し、IT戦略の立案やシステムの導入などを通じて解決策を提案・実行する。
3位	データサイエンティスト	785万円	ビッグデータを分析し、ビジネスに役立つ知見を引き出す専門家。統計学や機械学習の知識が求められる。
4位	ITアーキテクト	755万円	企業のビジネス戦略に基づき、システム全体の設計思想や構造（アーキテクチャ）を設計する。
5位	セキュリティエンジニア	721万円	サイバー攻撃から企業のシステムや情報を守る専門家。セキュリティ設計、脆弱性診断、インシデント対応などを行う。
6位	クラウドエンジニア	698万円	AWSやAzureなどのクラウド基盤の設計、構築、運用保守を行う。インフラ技術の根幹を担う。
7位	フルスタックエンジニア	682万円	フロントエンドからバックエンド、インフラまで幅広く対応できるスキルを持つエンジニア。
8位	バックエンドエンジニア	655万円	Webサービスやアプリのサーバーサイド（ユーザーの目に見えない部分）のシステム設計や開発を行う。
9位	アプリケーションエンジニア	631万円	スマートフォンアプリや業務系アプリケーションの設計、開発、テストを行う。
10位	フロントエンドエンジニア	622万円	WebサイトやWebアプリのユーザーが直接目にする部分（UI）の設計や開発を行う。
11位	データベースエンジニア	610万円	膨大なデータを効率的に管理するためのデータベースの設計、構築、運用保守を行う。
12位	ネットワークエンジニア	588万円	コンピューターネットワークの設計、構築、運用保守を行う。現代社会の通信インフラを支える。
13位	Webデザイナー	525万円	Webサイトの見た目や使いやすさをデザインする。UI/UXの知識も重要になる。
14位	テストエンジニア/QA	512万円	開発されたシステムやソフトウェアが仕様通りに動作するかを検証し、品質を保証する。
15位	社内SE	505万円	自社の情報システム部門で、システムの企画、開発、運用、ヘルプデスク業務など幅広く担当する。

※上記年収は、各種求人情報や転職サービス、公的機関のデータを基にLIFRELLスキルアップ編集部が算出した参考値です。

年収が高い職種に共通する「上流工程」と「専門性」

ランキング上位の職種を見ると、「プロジェクトマネージャー」や「ITコンサルタント」「ITアーキテクト」といった、システム開発の企画や設計といった「上流工程」を担う職種が並んでいることがわかります。これらは、プロジェクト全体を俯瞰し、ビジネスへの影響度を考える視点や、高いコミュニケーション能力が求められるため、年収も高くなる傾向にあります。

また、「データサイエンティスト」や「セキュリティエンジニア」のように、高度な専門知識や数学的な素養が求められる職種も、その希少性から高い年収が設定されています。

一方で、年収を上げていくためには、必ずしもマネジメント職を目指す必要はありません。特定の技術を極める「スペシャリスト」として、現場の最前線で価値を発揮し続けることで、マネージャー職以上の年収を得ることも十分に可能なのがIT業界の魅力です。

エンジニア以外の職種（Webデザイナー・Webマーケター）の年収

IT業界にはエンジニア以外にも様々な職種があります。例えば、Webサイトの使いやすさや見た目を設計するWebデザイナーや、Webを活用して集客や販売促進を行うWebマーケターです。

これらの職種の平均年収はエンジニア職と比較するとやや低い傾向にありますが、スキル次第で高年収を目指すことが可能です。特に、デザインスキルに加えて、ユーザー体験を設計するUXデザインの知見や、マーケティングの観点から売上に貢献できるデザイナーは市場価値が高まります。

Webマーケターも同様に、広告運用のスキルだけでなく、SEO（検索エンジン最適化）やデータ分析、コンテンツマーケティングなど、複数の領域を掛け合わせることで、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

【年代・性別】ライフステージでどう変わる？IT業界のリアルな年収推移

次に、年代別に平均年収がどのように変化していくのかを見ていきましょう。ご自身の年齢と照らし合わせることで、キャリアプランを考える上での一つの指標になります。

年代	平均年収	中央値	特徴・キャリアパスの傾向
20代	425万円	400万円	ポテンシャル採用も多い。基礎的なスキルを習得し、実務経験を積む重要な時期。第二新卒での転職も活発。
30代	618万円	580万円	スキルと経験で年収に大きな差が出始める。チームリーダーや専門職としてキャリアの方向性が定まってくる時期。
40代	732万円	690万円	マネジメント職かスペシャリスト職か、キャリアの選択が明確になる。豊富な経験を活かし、高年収層が増加。
50代以上	815万円	750万円	プロジェクトマネージャーやITコンサルタント、管理職など、組織全体を動かす役割を担うことが多い。

※上記年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および各種転職サービスのデータを基にLIFRELLスキルアップ編集部が算出した参考値です。

出典

• 厚生労働省「令和５年賃金構造基本統計調査　結果の概況」

20代はポテンシャル！30代で差がつくキャリアの分岐点

20代のうちは、実務経験を積みながらスキルを習得していくフェーズであり、年収も400万円台が中心です。しかし、IT業界は未経験者への門戸も広く、学習意欲とポテンシャルが評価されれば、他業種からの転職でも十分に活躍のチャンスがあります。

大きな変化が訪れるのが30代です。20代で培った基礎スキルを土台に、応用力やリーダーシップが求められるようになり、年収の伸び率が最も高くなります。この時期にどのような専門性を身につけ、実績を積むかが、その後のキャリアと年収を大きく左右すると言えるでしょう。

40代以降は、チームや部門をまとめるマネジメント職に進むか、特定の技術を極めるスペシャリストとして現場の第一線で活躍し続けるか、キャリアパスが分かれていきます。どちらの道を選んでも、高い専門性を発揮することで、年収1,000万円以上を目指すことが可能です。

女性がIT業界で活躍するためのポイント

IT業界は、他の業界と比較して男女間の年収差が小さいと言われています。これは、成果主義の文化が根付いており、性別に関わらずスキルや実績が正当に評価されやすいためです。

また、リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を導入している企業が多いのも特徴です。そのため、出産や育児といったライフイベントとキャリアを両立しやすい環境が整っていると言えるでしょう。

実際に、女性のプロジェクトマネージャーやITコンサルタントも数多く活躍しています。キャリアを中断することなく、継続的にスキルアップしていくことで、性別によるハンデを感じることなく高年収を目指せるのが、IT業界の大きな魅力の一つです。

【スキル・言語別】市場価値に直結！稼げるプログラミング言語ランキング

ITエンジニアの年収を左右する大きな要因の一つが、扱うことのできる「プログラミング言語」です。需要が高く、習得難易度が高い言語ほど、年収も高くなる傾向にあります。

2025年現在のトレンドを踏まえた、年収の高いプログラミング言語ランキングを見てみましょう。

順位	プログラミング言語	平均年収（推定）	主な用途
1位	Go	750万円	Webサーバー、Web API開発、コマンドラインツールなど（Googleが開発）
2位	Python	720万円	AI・機械学習、データ分析、Webアプリケーション開発、業務自動化
3位	TypeScript	700万円	大規模なWebアプリケーション開発（JavaScriptの拡張版）
4位	Kotlin	680万円	Androidアプリ開発（Googleが公式開発言語として認定）
5位	Swift	675万円	iOSアプリ開発（Apple製品向けのアプリ開発）
6位	Ruby	650万円	Webアプリケーション開発（特にRuby on Railsフレームワークが有名）
7位	Java	630万円	大規模な業務システム、Androidアプリ開発、Webサービス
8位	C#	610万円	Windows向けアプリケーション、ゲーム開発（Unity）
9位	PHP	590万円	Webサイト制作、Webアプリケーション開発（WordPressで有名）
10位	JavaScript	580万円	Webサイトのフロントエンド開発、Webアプリケーション開発

※上記年収は、国内外の求人情報や技術者向けアンケート調査を基にしたLIFRELLスキルアップ編集部の推定値です。

AI・クラウド時代に求められるスキルとは？

ランキングを見ると、AI（人工知能）開発やデータ分析で広く使われているPythonや、Googleが開発し、処理速度の速さから注目を集めるGoが高い年収となっています。また、スマートフォンの普及に伴い、Androidアプリ開発のKotlinやiOSアプリ開発のSwiftも高い需要を維持しています。

LIFRELLスキルアップ編集部が特に注目しているのは、単一の言語スキルだけではなく、複数の技術を組み合わせられる能力です。

特に、AWS (Amazon Web Services)、Microsoft Azure、GCP (Google Cloud Platform)といったクラウドコンピューティングの知識は、今やあらゆるITエンジニアにとって必須スキルとなりつつあります。

例えば、「Pythonを使ったデータ分析スキル」と「AWS上でデータ分析基盤を構築するスキル」を両方持っていれば、市場価値は飛躍的に高まります。プログラミング言語の学習と並行して、クラウド関連の知識も積極的に身につけていくことが、高年収への近道と言えるでしょう。

【未経験者向け】IT業界は本当に未経験でも稼げる？知っておくべき現実と成功の秘訣

「未経験からでもIT業界に転職して、高年収を目指せる」という話はよく耳にしますが、それは本当なのでしょうか。

結論としては、「可能だが、正しい努力と戦略が必要」です。

未経験からの転職は「職種選び」が最も重要

未経験者がいきなり、前述の年収ランキング上位にあるような「ITコンサルタント」や「データサイエンティスト」になるのは現実的ではありません。これらの職種は、ITに関する深い知識と実務経験が求められるためです。

未経験からIT業界を目指す場合、まずは「ITエンジニアとしての土台」を築くことが重要です。具体的には、以下の職種からキャリアをスタートするのが一般的です。

1. Webエンジニア（フロントエンド or バックエンド）
   プログラミングスクールなどで学習した内容が実務に直結しやすく、未経験者向けの求人も比較的多いのが特徴です。まずはWebサイトや簡単なWebアプリの開発に携わりながら、経験を積んでいきます。
2. インフラエンジニア（監視・運用から）
   システムの安定稼働を支えるインフラ（サーバーやネットワーク）の監視や運用・保守業務からスタートします。未経験者向けの求人が多く、働きながらインフラの基礎知識を体系的に学べるのがメリットです。ここからクラウドエンジニアなど、より専門性の高い職種へステップアップしていくキャリアパスが描けます。
3. テストエンジニア/QA
   開発されたシステムが正しく動作するかを検証する職種です。開発工程全体を学ぶことができ、プログラミングスキルが必須ではない求人もあるため、IT業界への入り口として選択する人もいます。

LIFRELLスキルアップ編集部が警鐘！「楽して稼げる」は存在しない

ここで一つ、注意喚起をさせてください。残念ながら、Web広告などで見られる「誰でも簡単、1ヶ月で月収50万円！」「PC一つで楽して稼げるITエンジニア」といった甘い言葉は、ほぼ100%嘘だと考えてください。

IT業界は実力主義の世界です。年収が高いのは、それだけ高度な専門性が求められ、日々の学習が欠かせないからです。楽して稼げる道はなく、むしろ業界に入ってからの継続的な努力が、他業種以上に求められます。

未経験からIT業界を目指すのであれば、「常に学び続ける」という覚悟を持つことが、成功のための第一歩です。

IT業界で年収1,000万円は夢じゃない！実現するための5つの具体的な方法

では、IT業界でキャリアを積み、年収1,000万円という一つの大台に到達するためには、具体的にどのようなアクションを取れば良いのでしょうか。ここでは5つの方法をご紹介します。

1. 市場価値の高いスキルを習得・アップデートし続ける

最も本質的で重要なのが、自身のスキルセットを常に最新の状態に保ち、市場価値を高め続けることです。

• 需要の高いプログラミング言語を習得する（Python, Goなど）
• クラウド（AWS, Azure, GCP）の認定資格を取得する
• セキュリティやデータベースなど、専門分野の知識を深める
• 上流工程の経験を積む（要件定義、基本設計など）

技術のトレンドは移り変わりが激しいため、現在のスキルに安住せず、常に新しい技術や知識をインプットする姿勢が不可欠です。

2. 成果を正当に評価してくれる企業へ転職する

もし現在の職場でスキルや成果が正当に評価されず、年収に反映されていないと感じるなら、「転職」は非常に有効な手段です。特にIT業界では、同じスキルセットでも企業によって年収が数百万円単位で変わることも珍しくありません。

• 成長産業（SaaS、AI、FinTechなど）の企業
• 自社サービス開発に力を入れている企業
• 成果主義の評価制度が明確な外資系企業

上記のような企業は、優秀なIT人材に対して高い報酬を支払う傾向があります。

3. 専門性を極める「スペシャリスト」キャリアを歩む

特定の技術分野における第一人者を目指すキャリアパスです。例えば、「データベースのパフォーマンスチューニングなら右に出る者はいない」「特定のクラウドサービスのセキュリティ設計は任せてほしい」といった、圧倒的な専門性を武器にします。

スペシャリストは、代替が困難な希少性の高い人材であるため、企業の規模に関わらず高い報酬を得ることが可能です。

4. チームを導く「マネジメント」キャリアへ進む

技術者としての経験を活かし、プロジェクト全体を管理する「プロジェクトマネージャー」や、チームのエンジニアを育成・評価する「エンジニアリングマネージャー」を目指す道です。

技術力に加えて、コミュニケーション能力、交渉力、予算管理能力など、ビジネススキルが求められます。責任は大きくなりますが、その分、年収も大きく向上します。

5. 副業やフリーランスで収入源を増やす

企業に所属しながら、個人のスキルを活かして副業を行うことも、収入アップの有効な手段です。Webサイト制作や小規模なシステム開発など、週末や平日の夜にできる案件は数多く存在します。

また、十分なスキルと実績を積んだ後には、フリーランスのエンジニアとして独立する道もあります。高単価な案件を継続的に受注できれば、会社員時代を大幅に超える年収を得ることも夢ではありません。

年収アップを成功させるための転職活動の進め方

年収アップを目指して転職活動を始める際に、押さえておくべき3つのポイントを解説します。

1. 自分の市場価値を正確に知る

まずは、自分のスキルや経験が、現在の転職市場でどの程度評価されるのかを客観的に把握することが重要です。

転職サイトに匿名で職務経歴を登録し、企業からどのくらいの「いいね」やスカウトが来るかを確認したり、転職エージェントに相談して、具体的な想定年収を教えてもらったりする方法が有効です。

2. スキルを証明する「ポートフォリオ」を作成する

特にWebエンジニアやデザイナーにとって、ポートフォリオ（制作実績集）は職務経歴書以上に重要です。

自分がどのような技術を使って、どのようなサービスやサイトを作れるのかを具体的に示すことで、採用担当者に対してスキルレベルを明確にアピールできます。学習中に作成した個人開発のアプリやWebサイトでも構いません。質の高いポートフォリオは、年収交渉の強力な材料になります。

3. なぜ転職エージェントを使うべきなのか？

年収アップを目的とした転職活動では、転職エージェントの活用を強く推奨します。

転職エージェントを利用するメリットは数多くあります。

• 非公開求人の紹介：一般には公開されていない、好待遇の求人を紹介してもらえる可能性がある。
• 年収交渉の代行：自分では言い出しにくい年収の交渉を、プロの視点から行ってくれる。
• キャリア相談：自分の強みや市場価値を客観的に分析し、最適なキャリアプランを提案してくれる。
• 書類添削・面接対策：企業ごとに合わせた効果的なアピール方法をアドバイスしてくれる。

特にIT業界に特化した転職エージェントは、業界の動向や企業の内情に詳しいため、より質の高いサポートが期待できます。無料で利用できるサービスがほとんどですので、複数登録して、自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけるのがおすすめです。

IT業界の将来性は？今後も年収は上がり続けるのか

最後に、IT業界の将来性について、LIFRELLスキルアップ編集部の見解をお伝えします。

結論として、IT人材の需要は今後も長期的に拡大し続け、それに伴い平均年収も上昇していく可能性が高いと考えています。

DX化の波は止まらない

製造業、金融、医療、教育など、あらゆる産業でDX（デジタルトランスフォーメーション）が急務となっています。古いシステムを刷新し、AIやIoTなどの最新技術を取り入れて業務効率化や新規事業創出を目指す動きは、今後ますます加速するでしょう。

出典：経済産業省「IT人材需給に関する調査」

このDX化を推進する上で、ITエンジニアの力は不可欠です。経済産業省の調査でも、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、IT人材の価値は今後さらに高まっていくと考えられます。

AIは仕事を奪うのではなく「共存」するパートナーに

「AIの進化によって、エンジニアの仕事はなくなるのではないか？」という懸念の声を耳にすることもあります。

しかし、私たちは「AIはエンジニアの仕事を奪うのではなく、仕事のやり方を変える存在になる」と考えています。定型的なコーディングやテストなどはAIが自動化してくれるようになる一方で、エンジニアには「AIをいかに活用して、より付加価値の高いサービスを生み出すか」という、より創造的な役割が求められるようになります。

AIを使いこなせるエンジニアと、そうでないエンジニアの間で、年収の格差はさらに広がっていくでしょう。

編集部の見解：スキルの陳腐化と「学び続ける力」の重要性

将来性が明るいIT業界ですが、一つだけ確かなことがあります。それは、「現在のスキルが、5年後、10年後も同じように通用する保証はない」ということです。

新しいプログラミング言語やフレームワーク、クラウドサービスは次々と登場し、技術のトレンドは驚くほどの速さで移り変わります。

だからこそ、IT業界で長期的に活躍し、高い年収を維持するためには、「アンラーニング（学びほぐし）」と「リスキリング（学び直し）」つまり「学び続ける力」が何よりも重要になります。

現状に満足せず、常に新しい技術にアンテナを張り、自ら手を動かして学習する姿勢こそが、IT業界で理想のキャリアを築くための最も重要な資質と言えるでしょう。

まとめ｜正しい知識と戦略で、IT業界での理想のキャリアを掴もう

今回は、IT業界の平均年収について、職種、年代、スキルなど様々な角度から詳しく解説しました。

• IT業界の平均年収は約623万円で、日本の全産業の平均より160万円以上高い。
• 年収は職種によって大きく異なり、上流工程や専門性の高い職種ほど高収入になる傾向がある。
• 年代とともに年収は上昇するが、特に30代でのスキルと経験がその後のキャリアを大きく左右する。
• 年収を上げるには、スキルのアップデート、成果が評価される企業への転職、専門性を極めるなどの方法が有効。
• IT業界の将来性は高く、学び続ける姿勢さえあれば、未経験からでも理想のキャリアと年収を実現できる。

IT業界は、努力と成果が正当に評価され、年齢や性別に関係なくキャリアアップを目指せる魅力的なフィールドです。しかし、その一方で、常に新しい知識を学び続ける姿勢が求められる厳しい世界でもあります。

この記事が、あなたのキャリアプランを見つめ直し、次の一歩を踏み出すためのきっかけとなれば幸いです。LIFRELLスキルアップでは、これからも皆さんのキャリア形成をサポートするための、信頼できる情報を発信し続けていきます。