公務員保育士vs私立保育士の年収比較:役職・勤務地・経験年数別【2026年最新】

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公務員保育士と私立保育士、どちらが年収は高いのか——結論から示します。

初任給段階ではほぼ差がなく、経験年数が増えるにつれて公務員保育士が優位になる傾向があります。ただし、2025年4月の処遇改善加算制度の一本化・2026年度の人件費5.3%引き上げにより、私立保育士の待遇は急速に改善中です。

この記事では、こども家庭庁・総務省・厚生労働省の最新公式データをもとに、公務員保育士と私立保育士の年収を役職別・年代別・勤務地別に徹底比較します。2025年度からの制度変更も反映した最新版です。

目次

【2025年最新】保育士全体の平均年収

平均年収と推移

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、2023年度の保育士平均年収は約397万円(月給271,400円、年間賞与712,200円)です。

年度平均年収前年差
2019年度362万円
2020年度374万円+12万円
2021年度382万円+8万円
2022年度391万円+9万円
2023年度397万円+6万円

5年間で約35万円上昇しており、保育士全体の待遇改善が着実に進んでいます。

【重要】2025年・2026年の大幅な制度変更

2024年度の保育士の人件費は過去最大の10.7%引き上げが実施されました。ただし、「10.7%引き上げ」は国から施設に支払われる公定価格の改定率であり、すべての保育士の給料が一律で10.7%上がるわけではありません。実際、勤務先の経営判断によって賃上げを実感できるかどうかが大きく分かれた、というのが現場の実態です。

2026年度はさらに5.3%引き上げが予定されており、こども家庭庁の試算では年額で平均+約20万円の改善額が見込まれています。

年代別平均年収(全体)

年齢平均年収
20〜24歳330万円
25〜29歳390万円
30〜34歳410万円
35〜39歳430万円
40〜44歳443万円
45〜49歳450万円
50〜54歳460万円

年収は経験年数とともに上昇しますが、主任保育士の平均勤続年数は25.1年(令和4年賃金構造基本統計調査)であり、役職なし保育士の平均勤続年数は11年です。これは「40代まで大幅な年収上昇がない」ことに納得できず、30代前後で離職する人が一定数いることを示しています。

公務員保育士の年収詳細

公務員保育士とは

地方自治体(市区町村)に採用された地方公務員として、公立保育園等に勤務する保育士のことです。給与体系は地方公務員の「給料表」に基づき、職務の難易度を示す「級」と経験年数による習熟度を示す「号」で決定されます。いわゆる年功序列制度で、長く勤めるほど着実に昇給します。

公務員保育士の年代別平均年収(最新データ)

総務省「令和5年地方公務員給与の実態」に基づく年代別データは以下のとおりです。

年代平均年収平均月収
20代300万〜340万円19万〜21万円
30代395万〜495万円24万〜30万円
40代500万〜570万円31万〜35万円
50代550万〜620万円34万〜38万円

経験年数別平均年収(公務員保育士)

勤続年数平均年収
1〜5年285万円
6〜10年340万円
11〜15年380万円
16〜20年420万円
21年以上463万円

役職別年収(公立保育園・常勤)

役職年収目安
一般保育士280万〜490万円(経験年数による)
主任保育士550万〜650万円
園長700万〜800万円

公務員保育士の役職別データで特徴的なのは、主任保育士になると年収が一気に300万円近く増加する点です。これは主任保育士の平均勤続年数が25.1年(40代以上のベテランが多い)であることと、役職手当が加わることが主な要因です。

ボーナスと退職金(公務員の強み)

公務員保育士のボーナスは年間4.45〜4.6ヶ月分が確実に支給されます(2024年の人事院勧告で4.6ヶ月に引き上げ)。基本給をもとに計算されるため、経験年数が上がるほどボーナス額も増加します。退職金も勤続1年以上で確実に支給される制度になっています。

私立保育士の年収詳細

私立保育士の基本年収

こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」に基づく私立保育園の役職別年収は以下のとおりです(最新データ)。

役職年収(令和6年度データ)平均勤続年数
施設長(園長)698.4万円20年以上
主任保育士568.2万円20年以上
一般保育士350万〜450万円(経験・園による)

運営母体による年収の違い

運営母体想定年収レンジ特徴
社会福祉法人(大規模)380万〜480万円賞与4.0〜4.5ヶ月が多く安定
株式会社運営(中〜大規模)350万〜500万円処遇改善込みで変動しやすい
小規模・地域密着型320万〜420万円手当は少ないが働きやすさで選ばれる

私立保育士の最大の特徴は園によって待遇の差が極めて大きいことです。処遇改善手当の支給状況は園ごとで異なり、同じ地域・同じ経験年数でも年収差が60万円以上になるケースがあります。

ボーナスと退職金(私立の注意点)

私立保育園のボーナスは給与の2〜3ヶ月分が多く、支給の有無は園の判断によります。確実に支給される公務員とは異なり、退職金制度がない園も存在します。転職・就職の際には必ず確認が必要な項目です。

公務員vs私立:経験年数別の年収差

経験年数公務員保育士私立保育士差額(概算)
1年目280万円270万円+10万円
5年目340万円330万円+10万円
10年目400万円390万円+10万円
15年目450万円420万円+30万円
20年目500万円460万円+40万円
主任昇進後550万〜650万円450万〜550万円+50〜100万円

重要な逆転ポイントがあります。処遇改善加算を積極的に活用している私立保育園(特に都市部)では、経験10年目以降で公務員保育士を上回る年収を実現しているケースも存在します。私立だからといって必ずしも年収が低いとは限りません。

【2025年4月から】処遇改善加算制度の一本化——私立保育士に最も関係する制度変更

旧制度(〜2024年度)の問題点

これまで3種類に分かれていた処遇改善等加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)は、複雑でわかりにくく、事務作業も煩雑でした。同じ経験年数・役職でも園の裁量による配分差から給与格差が生じ、「自分がいくらもらっているのか分からない」という声が多数出ていました。

新制度(2025年4月〜):3区分に一本化

区分内容対応する旧制度
区分①「基礎分」経験に応じた昇給の仕組みの整備・キャリアパス構築への加算旧加算Ⅰ(基礎分)
区分②「賃金改善分」職員全体の賃金改善・ベースアップ旧加算Ⅰ(賃金改善)+旧加算Ⅲ
区分③「質の向上分」役割・専門性に応じた追加的な賃金改善旧加算Ⅱ

一本化の主なポイントは以下のとおりです。

  • 書類が削減:実績報告書が最大9枚から最大3枚に削減。事務負担が大幅に軽減
  • 区分③の配分が柔軟化:旧制度では副主任保育士等に月額4万円を1名以上配分することが必須でしたが、新制度では「1名あたり4万円を上限に施設の判断で柔軟に配分」できるようになった
  • 基本給への反映が義務化:区分②③合計額の1/2以上を基本給・毎月の手当で改善することが義務付けられた(賞与・一時金に偏らせることへの制限)
  • 金額は減らない:制度の仕組みは変わったが、保育士に入る金額が少なくなる改正ではない

なお、2025年度は経過措置が設けられていますが、2026年度からはキャリアパス要件を満たすことが加算算定の必須条件となります。

処遇改善加算の金額目安

区分月額目安
区分①「基礎分」(経験年数に応じた昇給)月額12,000円〜最大38,000円
区分②「賃金改善分」(ベースアップ等)全職員へ月額9,000円程度(継続)
区分③「質の向上分」(役職等)月額5,000円〜40,000円(施設の裁量で配分)

都市部の自治体独自上乗せ制度

国の制度に加えて、都市部では自治体独自の補助が充実しており、私立保育士の年収を押し上げています。

自治体・制度名内容
東京都「保育従事職員等処遇改善事業」月額最大44,000円の加算
東京都「宿舎借り上げ支援」月額82,000円を上限に事業者が借り上げた宿舎を自己負担1〜2万円で利用可
さいたま市年額193,500円の上乗せ補助
成田市「なりた手当」勤務年数に応じて6段階の補助

これらの制度により、東京都内の私立保育士は国の基準より大幅に高い年収を実現しているケースがあります。「地域によって年収が変わる」のは公務員保育士だけでなく私立保育士でも同様です。

都道府県別年収ランキング

順位都道府県保育士平均年収
1位東京都453万円
2位千葉県434万円
3位京都府435万円
4位神奈川県430万円
最低水準山形県284万円

東京都(453万円)と山形県(284万円)の差は約169万円に達します。一方、公務員保育士では最も高い東京都(450.8万円)と最も低い沖縄県(308.7万円)の差は142.1万円です。地域による格差は公立・私立ともに深刻で、「どの都道府県・どの自治体で働くか」が年収に与える影響は、公立/私立の違いよりも大きい場合があります。

年収以外の待遇比較

項目公務員保育士私立保育士
ボーナス4.45〜4.6ヶ月分(確実)2〜3ヶ月分が多い。支給なし・変動あり
退職金勤続1年以上で確実に支給制度なしの園も存在。要確認
有給取得率比較的高い園による差が大きい
産休・育休制度が整備・取得しやすい法定通り。大手法人は充実
医療費補助共済組合による補助あり社会保険のみ(一部法人は独自制度あり)
異動定期的な異動がある同じ園に長期勤務が可能
昇給の透明性高い(給料表で明確)低い(園の裁量による部分が大きい)

年収の数値だけでは見えてこない最大の差はボーナスの安定性と退職金です。私立保育園でボーナスが2ヶ月分の園から、公務員と同等の4ヶ月超を支給する大手社会福祉法人まで幅があります。転職・就職の際には月給だけでなくボーナスの月数と退職金制度の有無を必ず確認してください。

公務員保育士になるには

受験資格と試験内容

  • 受験資格:保育士資格の取得(または取得見込み)。多くの自治体で30〜35歳の年齢制限あり
  • 一次試験:教養試験(一般知識・教養)+専門試験(保育・教育分野)
  • 二次試験:面接試験+実技試験(ピアノ演奏・読み聞かせ等)

自治体によって倍率は大きく異なり、合格率が10%台と非常に難しい地域もあります。年齢制限があるため、公務員保育士を目指すなら早期からの計画的な準備が不可欠です。

合格のためのポイント

  1. 早期から試験対策:年齢制限があるため計画的に。大学在学中から対策を始めるのが理想
  2. 実技試験の練習:ピアノ・読み聞かせ・造形などの技術向上に十分な時間を確保
  3. 面接対策:公務員としての使命感・地域貢献への意識をアピール
  4. 複数の自治体を受験する:1つの自治体に絞らず、複数の自治体を同時並行で受験する

私立保育士が年収を上げる4つの方法

①役職昇進

処遇改善等加算の区分③(質の向上分)では、役職に応じた手当が支給されます。副主任保育士・専門リーダー・主任保育士への昇進により月額5,000〜40,000円の追加支給が得られます。

②キャリアアップ研修の受講

国が定めるキャリアアップ研修(乳児保育・幼児教育・障害児保育・マネジメント等)を修了することで、役職への登用条件を満たし、処遇改善手当を受け取りやすくなります。2025年度の新制度ではキャリアパス要件が区分①の必須条件になっており、研修修了の重要性はさらに高まっています。

③待遇の良い園への転職

年収アップが期待できる転職先の特徴は以下のとおりです。

  • 処遇改善制度を積極的に活用している社会福祉法人・大規模法人
  • 自治体の独自補助制度が充実している都市部(特に東京都)
  • 企業主導型保育園(福利厚生が手厚いケースが多い)
  • 認定こども園(幼稚園教諭免許も持っていると有利)

④勤務地を都市部に変える

地方の私立保育士から都市部(特に東京都)に移ることで、同じ役職・経験年数でも年収が100万円以上変わる可能性があります。宿舎借り上げ制度(月82,000円まで補助)を利用できる園では実質的な手取りも大幅に増えます。

公務員か私立か:選ぶ際の判断基準

重視すること公務員保育士私立保育士
長期的な安定・昇給◎ 年功序列で確実に上昇△ 園・地域による差が大きい
ボーナス・退職金の確実性◎ 年4.6ヶ月・退職金確実△ 2〜3ヶ月・退職金なしの園もある
早期昇進・年収アップ△ 年功序列のため時間がかかる◎ 優良園なら30代で逆転も可能
多様な保育の実践△ 自治体の方針に従う◎ 特色ある保育に関われる
就職のしやすさ△ 採用試験に合格が必要◎ 転職市場が広い
同じ職場での長期勤務△ 定期異動がある◎ 同じ園に長く勤められる

長期的な安定・制度の充実度では公務員保育士が優位。早期の年収アップ・多様な保育実践・柔軟なキャリア形成では私立保育士に可能性があります。どちらが絶対的に正解ということはなく、自分の優先順位次第で正解が変わります。

よくある質問

処遇改善加算は公務員保育士にも適用される?

処遇改善等加算は主に認可保育園(私立が中心)を対象にした制度であり、公立保育園(公務員保育士)には原則として適用されません。公務員保育士の給与は地方公務員の給料表・人事院勧告によって決定されます。

「10.7%引き上げ」で保育士の給料は10.7%上がる?

上がりません。「10.7%引き上げ」は国から施設に支払われる公定価格の改定率であり、施設が実際に保育士の給料に何%反映させるかは施設の経営判断によります。「大幅アップと聞いていたのに明細を見ても変化がない」という声が現場で実際に出ています。転職・就職の際は「処遇改善加算を職員にどう配分しているか」を確認することが重要です。

私立でも公務員並みの年収を得られる?

都市部(東京都等)の処遇改善に積極的な大手社会福祉法人であれば、経験10年以上で公務員並み、あるいはそれ以上の年収を実現しているケースがあります。ただし、小規模園や処遇改善の申請をしていない園では公務員との差が大きくなります。

2026年度以降、処遇改善はどうなる?

2026年度は人件費が5.3%引き上げ予定(年額+約20万円が目安)です。また、2025年4月にスタートした新制度の本格実施(特に区分①のキャリアパス要件の必須化)が2026年度から始まります。今後も処遇改善の継続は見込まれますが、改善の恩恵を受けるには「どの施設で働くか」の選択が重要です。

まとめ:選択の指針チェックリスト

確認ポイント確認
公務員保育士を目指す場合、年齢制限内か確認したか
私立保育士を選ぶ場合、ボーナスの月数と支給確実性を確認したか
退職金制度の有無を確認したか
処遇改善加算を職員に配分しているか園に確認したか
都市部(東京都等)の自治体独自補助の有無を確認したか
新制度(2025年4月〜の3区分)のもとでキャリアパスを説明してもらえるか確認したか
長期的な年収シミュレーション(20年後まで)を検討したか

保育士としてのキャリアを長く考えたとき、公務員保育士は安定した昇給と福利厚生の充実で有利です。ただし、私立保育士も処遇改善の加速と都市部の独自補助により年収差は縮小傾向にあります。どちらを選ぶにしても、「どこの地域・どの施設で働くか」という選択が年収に最も大きな影響を与えます。

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