ニートからでも就職しやすい職種10選と仕事探しの全ポイント｜空白期間を強みに変える方法

ニート（NEET）の状態にあると、「このまま就職できないのではないか」「空白期間が長すぎて、もう正社員は無理かもしれない」といった不安を抱えてしまうかもしれません。

しかし、結論から言えば、ニートからでも正社員として就職することは十分に可能です。大切なのは、現在の労働市場の状況を理解し、適切な職種を選び、正しい手順で就職活動を進めることです。

私たちLIFRELLスキルアップ編集部は、これまで多くのキャリアチェンジを目指す方々をサポートする中で、スキルや経験に自信がない状態からでも、自分に合った仕事を見つけて活躍されている方を数多く見てきました。

この記事では、ニートからの就職を成功させるために、なぜ今がチャンスなのかという理由から、具体的な職種、仕事探しのステップ、そして空白期間の不安を解消するコツまで、網羅的に解説します。

なぜ今？ニートからでも就職しやすい「2つの理由」

「ニートだから就職は難しい」というのは、もはや過去の常識かもしれません。現在、日本国内の労働市場には、ニートからの就職を後押しする大きな追い風が2つ吹いています。

理由1：深刻な「人手不足」が未経験者採用を後押ししている

最大の理由は、多くの業界で「人手不足」が深刻化していることです。

厚生労働省が発表する有効求人倍率（仕事を求める人1人に対し、何件の求人があるかを示す数値）は、高い水準で推移しています。

具体的には、運輸業、建設業、介護・医療分野、宿泊・飲食サービス業などで特に人手が足りていません。

企業側も、経験者だけを待っていては事業が立ち行かなくなるため、「未経験でもいいから、意欲のある人を採用して自社で育てよう」という「ポテンシャル採用」の動きが活発になっています。これは、スキルや職歴に自信がない方にとって大きなチャンスです。

理由2：空白期間よりも「人柄」や「今後の意欲」を重視する企業の増加

かつては、履歴書の「空白期間」が長いと、それだけで不採用の理由になることもありました。

しかし、働き方やキャリアに関する価値観が多様化する中で、企業側の採用基準も変化しています。

もちろん、空白期間について質問はされますが、その理由や反省、そして「これからどう働きたいか」という未来への意欲をしっかりと説明できれば、問題視しない企業が増えています。

LIFRELLスキルアップ編集部が転職エージェントなどへ取材する中でも、「過去の経歴よりも、素直さや学ぶ意欲、長く続けてくれそうかという『人柄』を重視する」という声は多く聞かれます。

未経験でも安心！ニートから正社員を目指しやすいおすすめ職種10選

では、具体的にどのような仕事が就職しやすいのでしょうか。

ここでは「未経験者歓迎」「人手不足で需要が高い」「研修制度が整っている」という3つの観点から、おすすめの職種を10個厳選して紹介します。

1. ITエンジニア（インフラ・テスター・ヘルプデスク）

IT業界は、経済産業省の調査でも示されている通り、将来にわたって人材不足が予測される成長分野です。

「プログラミングは難しそう」と感じるかもしれませんが、ITエンジニアの中でも「インフラエンジニア（サーバーやネットワークの監視・運用）」や「テスター（システムの動作確認）」、「ヘルプデスク（社内からのPCに関する問い合わせ対応）」といった職種は、未経験からでも挑戦しやすい領域です。

• おすすめ理由
  • マニュアルや手順書が整備されている業務が多い。
  • 研修制度（OJT）が充実している企業が多い。
  • 一度スキルを身につければ、キャリアアップや将来的な転職にも有利。
• 注意点
  • 24時間365日動くシステムを守るため、夜勤やシフト制の場合がある。
  • 新しい技術を学び続ける意欲が必要。

2. 介護職（介護スタッフ）

高齢化が進む日本では、介護職の需要は非常に高く、常に人手を求めている業界です。

「体力的にきつい」というイメージがあるかもしれませんが、訪問介護やデイサービス、施設介護など、働き方や職場の種類は多様です。

何よりも「人の役に立ちたい」という気持ちが活かせる仕事です。

• おすすめ理由
  • 学歴や職歴、年齢を問わず「人物重視」で採用されやすい。
  • 「介護職員初任者研修」などの資格取得を支援してくれる事業所が多い。
  • コミュニケーション能力や優しさが強みになる。
• 注意点
  • 体力的な負担や、精神的なプレッシャーがかかる側面もある。
  • 給与水準が他の業界に比べて低い傾向にあったが、国による処遇改善が進んでいる。

3. 運送業（配送ドライバー）

ECサイト（ネット通販）の拡大に伴い、個人宅への配送ドライバーや、倉庫間の輸送を担うトラックドライバーの需要が急速に高まっています。

必要なのは普通自動車免許（AT限定可の場合も多い）で、基本的には一人で行動する時間が長いため、人間関係のストレスが少ない点も特徴です。

• おすすめ理由
  • 未経験でも「運転免許」があれば挑戦しやすい。
  • 自分のペースで仕事を進めやすい。
  • 大手企業も多く、福利厚生が整っている場合がある。
• 注意点
  • 運転時間が長く、体力が必要。
  • 荷物の積み下ろし作業が伴う。
  • 交通ルールを厳守する責任感が求められる。

4. 建設業（施工管理アシスタント・作業員）

建設業界も、インフラの老朽化対策や再開発などで需要が安定していますが、現場の高齢化が進み、若い人材が常に求められています。

「現場作業員」だけでなく、現場のスケジュールや安全を管理する「施工管理」のアシスタント業務からスタートする道もあります。

• おすすめ理由
  • 「体を動かすのが好き」という人に向いている。
  • 資格（例：施工管理技士）を取得することで、給与アップやキャリアアップが明確。
  • 学歴不問の求人が非常に多い。
• 注意点
  • 天候に左右されることがあり、体力的な負担も大きい。
  • 朝が早く、拘束時間が長くなる場合がある。

5. 製造業（工場スタッフ・ライン作業）

日本の基幹産業である製造業も、人手不足に悩む業界の一つです。

自動車、食品、電子部品など、様々な工場の「製造ライン」で働くスタッフは、未経験からでもスタートしやすい代表的な仕事です。

• おすすめ理由
  • マニュアル化・単純作業化されている業務が多く、一度覚えればこなしやすい。
  • 「コツコツと作業するのが得意」な人に向いている。
  • 大手メーカーの工場であれば、寮や食堂などの福利厚生が充実している。
• 注意点
  • 単純作業の繰り返しが苦手な人には向かない。
  • 交替勤務（夜勤）がある場合が多い。

6. 営業職（ルート営業・反響営業）

「営業」と聞くと、「ノルマがきつい」と敬遠する方もいるかもしれません。しかし、営業職には種類があります。

ニートからのおすすめは、新規開拓（テレアポや飛び込み）ではなく、既存の顧客を回る「ルート営業」や、問い合わせてきた顧客に対応する「反響営業」です。

• おすすめ理由
  • 未経験者向けの研修が最も充実している職種の一つ。
  • コミュニケーション能力（話す力より「聞く力」）が身につく。
  • 成果次第でインセンティブ（歩合給）がつく場合がある。
• 注意点
  • 社外の人と関わるため、ビジネスマナーや身だしなみが必要。
  • 目標（ノルマ）が設定されることが一般的。

7. 販売・接客業（小売・飲食）

スーパー、コンビニ、アパレル、飲食店などのスタッフも、常に求人が出ている職種です。

アルバイトのイメージが強いかもしれませんが、正社員として採用し、店長候補として育成する求人も多数あります。

• おすすめ理由
  • アルバイト経験があれば、それがそのまま活かせる。
  • 人と話すのが好きな人に向いている。
  • シフト制で平日に休みが取れる場合が多い。
• 注意点
  • 体力勝負（立ち仕事）であり、不規則な勤務時間になりやすい。
  • クレーム対応など、ストレスがかかる場面もある。

8. 警備業（施設警備）

オフィスビルや商業施設、イベント会場などでの安全を守る仕事です。特に、建物内での監視や巡回を行う「施設警備」は、未経験からでも始めやすいです。

• おすすめ理由
  • 年齢や職歴に関係なく採用されやすい。
  • 研修（法定研修）が義務付けられており、未経験でも基礎から学べる。
  • 一人で担当する持ち場も多く、人間関係のストレスが比較的少ない。
• 注意点
  • 夜勤や長時間勤務が発生しやすい。
  • 異常事態には迅速な対応が求められる責任感が必要。

9. 清掃業（ビルメンテナンス）

オフィスビルや商業施設、病院などを清潔に保つ仕事です。

こちらも需要が安定しており、年齢を問わず活躍できるのが特徴です。

• おすすめ理由
  • 作業手順が決まっており、一人で黙々と進められる業務が多い。
  • 「きれい好き」「細かい作業が得意」といった特性が活かせる。
  • 比較的、体力的な負担が少ない現場も選べる。
• 注意点
  • 早朝や深夜の勤務が多い。
  • キャリアアップ（管理職など）を目指すには、関連資格（ビルクリーニング技能士など）が必要になる。

10. 宿泊業（ホテルフロント・清掃）

観光需要の回復に伴い、宿泊業界も深刻な人手不足に陥っています。

ホテルのフロント業務や、客室の清掃・ベッドメイキングスタッフは、未経験者向けの求人が豊富です。

• おすすめ理由
  • 接客マナーや、場合によっては語学力（英語など）が身につく。
  • 大手ホテルチェーンであれば、研修制度や福利厚生が充実している。
• 注意点
  • シフト制であり、土日祝日の勤務が基本となる。
  • 多様な顧客に対応する柔軟性やストレス耐性が求められる。

職種選びの比較表

LIFRELLスキルアップ編集部として、上記10職種を「始めやすさ」「将来性」「働き方の特徴」で比較しました。

職種	始めやすさ (未経験)	将来性・専門性	体力的な負担	対人ストレス
ITエンジニア	○ (研修前提)	◎ (高い)	低	中 (部署による)
介護職	◎ (人柄重視)	○ (資格で向上)	高	高
運送ドライバー	◎ (免許あれば)	○	高	低
建設業	◎	○ (資格で向上)	高	中
製造業	◎	△ (自動化懸念)	中 (作業による)	低
営業職	○ (研修前提)	○ (汎用性高い)	低	高
販売・接客	◎ (バイト経験)	△	中 (立ち仕事)	高
警備業	◎	△	中 (夜勤あり)	低
清掃業	◎	△	中	低
宿泊業	○	△	中	高

空白期間の不安を解消！就職を成功させる具体的な6ステップ

ニートからの就職活動は、やみくもに求人に応募するだけではうまくいきません。不安を解消し、自信を持って臨むための「準備」が非常に重要です。

1人での就活は不利？ニートからの就職に強い味方となる相談先

ニートからの就職活動は、精神的な負担も大きいものです。履歴書の書き方や面接の答え方に悩み、一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。

LIFRELLスキルアップ編集部としては、一人で悩まず、専門家のサポートを活用することを強く推奨します。

1. 地域若者サポートステーション（サポステ）

「サポステ」は、厚生労働省が委託する、15歳から49歳までの働くことに悩みを抱える若者向けの支援機関です。

特徴：

ニートやひきこもり状態にある方への支援に特化しています。臨床心理士などの専門家が在籍している場合も多く、就職以前の「生活リズムの改善」や「コミュニケーション訓練」からサポートしてくれます。

メリット：

無料で利用でき、就職へのプレッシャーが少ない。似た境遇の仲間と出会えるプログラムがある場合も。

出典：

厚生労働省：地域若者サポートステーション

2. ハローワーク（公共職業安定所）

全国どこにでもある、国の就職支援機関です。

特徴：

求人数が圧倒的に多く、地元の中小企業の求人に強いのが特徴です。「わかものハローワーク」など、若年層に特化した窓口もあります。

メリット：

職員に相談しながら求人を探せる。未経験者歓迎の求人が多い。職業訓練（無料でスキルを学べる制度）の申し込みもできる。

デメリット：

求人の質にバラつきがあり、中には労働条件が厳しい「ブラック企業」が紛れている可能性もゼロではないため、見極めが必要。

3. 転職エージェント（フリーター・ニート専門）

民間の職業紹介サービスです。

特徴：

一般的な転職エージェントとは別に、「フリーター・ニート・既卒・第二新卒」といった経歴に特化したエージェントが存在します。

メリット：

• キャリアアドバイザーが1対1で担当につき、自己分析から面接対策まで徹底的にサポートしてくれる。
• 「未経験者を採用したい」という意欲の高い企業の求人を多く持っている。
• 空白期間の伝え方など、実践的なアドバイスがもらえる。

デメリット：

紹介される求人が、IT、営業、介護、製造など、特定の業界に偏る傾向がある。

4. 転職サイト

リクナビNEXTやマイナビ転職といった、一般的な求人サイトです。

特徴：

自分で求人を検索し、自由に応募できます。

メリット：

求人数が多く、自分のペースで活動できる。

デメリット：

サポートがないため、書類選考や面接対策はすべて自分で行う必要がある。空白期間があると書類選考で通過しにくく、精神的に消耗しやすい。

相談先の使い分け比較

支援機関	サポートの手厚さ	求人の専門性	おすすめな人
サポステ	◎ (生活改善から)	△ (就労体験など)	まず社会に出る練習から始めたい人
ハローワーク	○ (窓口相談)	○ (地元・中小)	地元で働きたい人・職業訓練を受けたい人
転職エージェント	◎ (1対1の選考対策)	◎ (未経験特化)	履歴書や面接が不安で、早く正社員になりたい人
転職サイト	× (サポートなし)	△ (玉石混交)	ある程度、自分で活動できる自信がある人

LIFRELLスキルアップ編集部の見解としては、「サポステ」や「ハローワーク」で公的なサポートを受けつつ、並行して「未経験特化の転職エージェント」に登録し、実践的な選考対策と求人紹介を受けるのが、最も効率的かつ精神的な負担が少ない方法だと考えます。

就職活動と並行したい「スキルの獲得」でキャリアアップを目指す方法

就職しやすい職種を選ぶことは重要ですが、同時に「少しでもスキルを身につける」努力をすることで、選べる仕事の幅は格段に広がります。

1. 職業訓練（公的制度）

ハローワークが窓口となり、国が費用を負担（一部テキスト代などは自己負担）してスキルを学べる制度です。

• 学べる内容：IT（プログラミング、Webデザイン）、介護（初任者研修）、経理（簿記）、建設（CAD）など多岐にわたります。
• メリット：無料で専門知識が学べる。条件を満たせば「職業訓練受講給付金」として月10万円の給付を受けながら学べる場合がある。
• デメリット：訓練期間が3ヶ月～6ヶ月と長く、すぐには働けない。人気のコースは選考（面接など）がある。

2. 民間のスクール（有料）

LIFRELLスキルアップのようなメディアで紹介されている、民間のプログラミングスクールや資格学校に通う方法です。

• 学べる内容：IT（Web開発、データサイエンス）、Webマーケティング、動画編集など、より実践的で最新のスキルが中心。
• メリット：短期間（1～3ヶ月）で集中して学べる。就職・転職サポートがセットになっているスクールが多い。
• デメリット：費用が高額（数十万円）になる場合がある。

3. 独学（資格取得）

まずはコストをかけずに、自分で勉強を始める方法です。

• おすすめの資格
  • ITパスポート：ITの基礎知識を証明できる国家試験。独学でも合格しやすく、IT系以外の職種（営業や事務）でも評価される。
  • 簿記3級：経理や事務職を目指すなら有効。
  • MOS（Microsoft Office Specialist）：ExcelやWordのスキル証明。

面接で「空白期間に何をしていたか」と聞かれた際に、「資格の勉強をしていました（そして合格しました）」と答えられれば、それ自体が意欲の証拠になります。

行動することが第一歩。ニート脱出は決して不可能ではありません

この記事では、ニートからでも就職しやすい職種と、具体的な仕事探しのステップについて解説しました。

最も大切なのは、「どうせ自分なんて」と諦めず、「まずは一つ、行動してみる」ことです。

それは、生活リズムを整えることかもしれませんし、サポステに電話をかけてみることかもしれません。あるいは、この記事で紹介した職種の求人を、一つ検索してみることかもしれません。

私たちLIFRELLスキルアップ編集部は、キャリアに悩むすべての方が、自分らしい一歩を踏み出すことを心から応援しています。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、次への行動につながるきっかけとなれば幸いです。