「IT業界はやめとけ」は嘘?8つの理由と実態、向いている人の特徴を徹底解説

「IT業界はやめとけ」は嘘?8つの理由と実態、向いている人の特徴を徹底解説

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  • 「IT業界はやめとけ」
  • 「エンジニアはきつい」

転職やキャリアアップを考え、IT業界に興味を持ったとき、このようなネガティブな言葉を目にして不安になっていないでしょうか。

一方で、「IT業界は将来性が高い」「高年収が狙える」といったポジティブな情報も溢れており、一体どちらが本当なのか、迷ってしまいますよね。

LIFRELLスキルアップ編集部です。私たちは、数多くのキャリアチェンジを目指す方々をサポートする中で、IT業界に関するさまざまな「噂」と「実態」に触れてきました。

結論から申し上げますと、「IT業界はやめとけ」という言葉は、嘘とも本当とも言えます

なぜなら、IT業界と一口に言っても、その働き方や環境は企業や職種によって全く異なるからです。「やめとけ」と言われるような過酷な環境(いわゆるブラック企業)が存在するのも事実ですが、同時に、高い専門性を身につけ、柔軟な働き方を実現できる優良な環境(ホワイト企業)も数多く存在します。

この記事では、「IT業界はやめとけ」と言われる具体的な理由を一つひとつ紐解き、その実態と、業界の本当の魅力、そして未経験からでも成功するための道筋を徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたがIT業界に進むべきかどうかの明確な判断基準が持てるはずです。

目次

「IT業界はやめとけ」と言われる8つのネガティブな理由と実態

「IT業界はやめとけ」と言われる8つのネガティブな理由と実態

なぜ、これほどまでに将来性が高いと言われるIT業界に対して、「やめとけ」という声が上がるのでしょうか。それには、業界特有の構造や働き方に起因する、いくつかの明確な理由があります。

しかし、大切なのはその言葉を鵜呑みにすることではなく、「なぜそう言われるのか」という背景と「現在の実態」を正しく知ることです。

1. 長時間労働・残業が多い(デスマーチ)

【言われる理由】

IT業界と聞いて「デスマーチ(死の行進)」という言葉を連想する方もいるかもしれません。これは、プロジェクトの納期が迫る中で、連日の徹夜や休日出勤が続くような極端な長時間労働状態を指します。

特にシステムインテグレーター(SIer)と呼ばれる業界では、クライアントの無理な要求や仕様変更、見積もりの甘さから、プロジェクト終盤に開発リソースが極端に不足し、現場のエンジニアがそのしわ寄せを受けるケースが過去に多くありました。

【実態と編集部の見解】

このイメージは、正直なところ「過去のもの」になりつつあります。もちろん、今でも一部の企業やプロジェクトでは、納期前の一時的な繁忙期に残業が増えることはあります。

しかし、国を挙げた「働き方改革」の推進により、IT業界全体の労働環境は大きく改善されています。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」を見ても、情報通信業の所定外労働時間(残業時間)は、他の業界(例えば運輸業、郵便業や建設業)と比較して、突出して多いわけではありません。

むしろ、先進的なWeb系企業を中心に、リモートワークやフレックスタイム制が最も普及している業界でもあります。「IT業界=残業まみれ」という認識は、現在の実態とは異なってきていると言えるでしょう。

2. 継続的な勉強が必須で「きつい」

【言われる理由】

IT業界は、技術の進歩が非常に早い「ドッグイヤー」と呼ばれる世界です。昨日まで主流だった技術が、1年後には古くなっていることも珍しくありません。

そのため、エンジニアやITコンサルタントは、就職してからも常に新しいプログラミング言語、フレームワーク、クラウド技術などを学び続ける必要があります。この「終わりのない勉強」が精神的な負担となり、「きつい」「やめとけ」と言われる理由の一つになっています。

【実態と編集部の見解】

これは紛れもない事実です。

IT業界で長期的に活躍し、高い年収を維持するためには、自主的な学習が不可欠です。しかし、これを「きつい」と感じるか、「楽しい」と感じるかは、その人の特性によります。

知的好奇心が旺盛で、新しいことを学ぶのが好きな人にとっては、これ以上ないほどエキサイティングな環境です。自分のスキルが日々アップデートされ、市場価値が高まっていく実感は、他の業界では味わえない大きなやりがいとなります。

逆に、一度仕事を覚えたら、あとは同じことの繰り返し(ルーティンワーク)を好む人にとっては、IT業界は苦痛に感じる可能性が高いでしょう。

3. 多重下請け構造(SES)の問題

【言われる理由】

IT業界、特にSIer業界の大きな特徴として、「多重下請け構造」が挙げられます。

大手ITゼネコン(元請け)がクライアントから大型案件を受注し、その案件を2次請け、3次請け、さらには4次請けの企業へと再発注していく構造です。

この構造の問題点は、下流の(下請けの)企業ほど、利益(マージン)が中抜きされ、エンジニアの給与が低くなる傾向にあることです。また、プロジェクトの末端であるがゆえに、単純なテスト業務や保守運用など、スキルアップにつながりにくい業務ばかりを任されるケースもあります。

【実態と編集部の見解】

この多重下請け構造は、今もなおIT業界に残る根深い問題です。特に「SES(システムエンジニアリングサービス)」と呼ばれる、エンジニアの技術力を「時間単位」で提供する契約形態において、この傾向が顕著です。

自分が所属する会社ではなく、クライアント先のオフィスに常駐して働くため、帰属意識を持ちにくかったり、適切な評価を受けにくかったりする側面もあります。

しかし、全てのSES企業が「やめとけ」というわけではありません。エンジニアのキャリアプランを真剣に考え、優良な案件を獲得し、高い給与を還元する優良なSES企業も存在します。

重要なのは、転職活動の際に、その企業がどのような立ち位置(元請けか、下請けか)で、どのような案件を扱っているのかを見極めることです。

4. 人手不足で業務負荷が高い

【言われる理由】

IT業界は深刻な人手不足に陥っています。経済産業省の調査では、IT人材の不足は2030年に最大で約79万人に達すると試算されています。

IT人材需給に関する調査(概要)

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)

人手不足ということは、現場の一人ひとりの業務負荷が高くなり、結果として長時間労働や過度なプレッシャーにつながるというロジックです。

【実態と編集部の見解】

人手不足は事実ですが、これはネガティブな側面ばかりではありません。

見方を変えれば、「人手不足=需要が高い」ということであり、スキルさえあれば転職しやすく、キャリアアップのチャンスも多いことを意味します。

確かに、適切な人員配置や業務管理ができていない企業では、人手不足がそのまま現場の負担増につながっています。

一方で、優良企業は「人手不足」を解消するために、積極的に未経験者を採用し、手厚い研修で育成するという投資を行っています。また、業務効率化のためのツール導入や、働きやすい環境(リモートワーク、高待遇)の整備にも力を入れています。

人手不足だからこそ、未経験者にも門戸が開かれており、今がIT業界に参入する大きなチャンスであるとも言えます。

5. 納期(デッドライン)のプレッシャー

【言われる理由】

IT業界の仕事の多くは、「プロジェクト型」で進められます。つまり、「いつまでに、このシステムを完成させる」という明確な「納期(デッドライン)」が存在します。

この納期を守ることは絶対であり、遅延は許されません。プロジェクトが終盤に近づくにつれ、「本当に間に合うのか」というプレッシャーが精神的な負担となります。

【実態と編集部の見解】

納期があること自体は、IT業界に限りません。どのような仕事にも締め切りは存在します。

IT業界でこのプレッシャーが強く感じられるのは、開発終盤で予期せぬバグ(不具合)が見つかったり、クライアントからの急な仕様変更が入ったりと、不確実な要素が多いためです。

このプレッシャーを乗り越え、チーム一丸となってプロジェクトを完遂させたときの達成感は、非常に大きなものがあります。このスリルと達成感を「やりがい」と感じる人も多いです。

プレッシャーを過度に感じないためには、無理のないスケジュール管理(タスク管理)能力や、問題発生時に即座に報告・相談できるコミュニケーション能力が重要になります。

6. ストレス・精神的な負担が大きい

【言われる理由】

前述の「長時間労働」「終わらない勉強」「納期」といった複数の要因が重なり、精神的に「きつい」と感じる人が多い、という理由です。一日中パソコンに向き合い、ロジックを考え続ける仕事は、肉体的な疲労よりも精神的な疲労が大きいと言われます。

【実態と編集部の見解】

確かに、ITエンジニアの仕事は「考えること」が本質です。エラーが解決しない時、ロジックが思い浮かばない時は、大きなストレスを感じるでしょう。

しかし、これは「向き不向き」の問題が大きいです。パズルを解くのが好きな人、論理的に物事を組み立てるのが得意な人にとっては、この「考える」作業自体が楽しいものです。

また、精神的な負担を減らす上では、職場の環境が何よりも重要です。分からないことを気軽に質問できる文化があるか、チームで助け合う風土があるか、上司が適切に進捗を管理し、メンタルケアをしてくれるか。

「IT業界が」きついのではなく、「風通しの悪い職場で、一人で問題を抱え込むこと」がきついのです。

7. コミュニケーション能力が意外と必要

【言われる理由】

「エンジニアは一日中パソコンと向き合い、黙々とコードを書く仕事」というイメージを持つ人は多いです。

しかし実際に働いてみると、会議やチャット、仕様の確認などで想像以上にコミュニケーション能力が求められることにギャップを感じ、「きつい」と思うケースがあります。

【実態と編集部の見解】

これは、IT業界を目指す人が最も誤解しやすいポイントです。ITの仕事、特にシステム開発は、一人では決して完結しません。

  • クライアントが本当に求めているものは何か?(要件定義)
  • チームメンバーに、実装してほしい機能をどう伝えるか?(仕様設計)
  • 今、どこで問題が起きているのか?(進捗報告・相談)

これら全てにおいて、高度なコミュニケーション(特に「聞く力」と「正確に伝える力」)が求められます。

「人と話すのが苦手だからIT業界へ」という動機で入ると、確実に失敗します。むしろ、「複雑な物事を、整理して分かりやすく伝える」スキルは、他のどの業界よりも必要とされると言っても過言ではありません。

8. 技術の進歩が早すぎて追いつけない(将来性の不安)

【言われる理由】

「2. 継続的な勉強が必須」と似ていますが、こちらは「勉強しても、どうせAI(人工知能)に仕事を取られる」「新しい技術が次々出てきて、自分のスキルが陳腐化するのが怖い」といった、将来性への不安から「やめとけ」と言われるケースです。

【実態と編集部の見解】

AI、特に生成AIの進歩は凄まじく、単純なコーディング作業は近い将来AIに代替される可能性が高いです。しかし、LIFRELLスキルアップ編集部では、これは「チャンス」だと捉えています。

AIが代替するのは、あくまで「作業」です。

  • クライアントの曖昧な要望を汲み取り、システム全体の設計図を描くこと(上流工程)
  • どの技術を選定し、どのように組み合わせてビジネス課題を解決するかを考えること(技術選定)
  • チームをまとめ、プロジェクトを円滑に進めること(プロジェクトマネジメント)

こういった「思考」や「判断」が求められる仕事の価値は、むしろ高まっていきます。

AIの登場によって、「単純作業しかできないエンジニア」は淘汰され、「AIを使いこなし、より高度な課題解決ができるエンジニア」の需要が爆発的に高まるでしょう。常に学び続ける意欲さえあれば、将来性は非常に明るいと言えます。

結論:「IT業界はやめとけ」は半分本当で半分嘘

結論:「IT業界はやめとけ」は半分本当で半分嘘

ここまで見てきたように、「やめとけ」と言われる理由は、確かに存在します。特に、古い体質のSIerや多重下請け構造の末端にいるSES企業で働いている場合、これらのネガティブな側面を強く感じやすいのは事実です。

しかし、それらの問題点は、IT業界全体に当てはまるものではありません

「IT業界はやめとけ」という言葉の多くは、

  • 「(労働環境の悪い)一部のブラックIT企業はやめとけ」
  • 「(勉強が嫌いな人は)IT業界はやめとけ」

というのが、その正確な意味です。

重要なのは、業界全体を十把一絡げに「きつい」と判断するのではなく、優良な企業や自分に合った職種をいかに見極めるかです。

「やめとけ」と言われる企業 vs 狙い目の企業

IT業界には、環境によって「ブラック」にも「ホワイト」にもなり得る両極端な側面があります。転職活動においては、この見極めが最も重要です。

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比較項目「やめとけ」と言われる企業(ブラック)の特徴狙い目となる企業(ホワイト)の特徴
ビジネスモデル多重下請け構造(3次請け、4次請けのSES)が中心。自社サービス開発(Web系)、元請けSIer、優良受託開発。
給与・評価マージンの中抜きが多く、給与が上がりにくい。評価基準が曖昧。利益率が高く、給与に還元されやすい。成果主義で評価が明確。
スキルアップ単純作業、テスト、保守運用など、スキルが身につきにくい業務が多い。新しい技術を積極的に導入。設計や要件定義など上流工程も任される。
労働環境客先常駐が基本で、自社への帰属意識が薄い。残業が多い。リモートワーク、フレックス制が充実。残業管理が徹底されている。
学習支援研修制度が乏しい。学習は全て「自己責任」。資格取得支援、書籍購入補助、勉強会(社内・社外)への参加支援が手厚い。

悪いことばかりではない!IT業界で働く7つのメリット

ネガティブな側面に光を当ててきましたが、もちろんIT業界には、それを補って余りあるほどの大きな魅力があります。「やめとけ」という声を跳ね除けてでも目指す価値のある、7つのメリットをご紹介します。

1. 圧倒的な将来性と市場の成長

最大のメリットは、その「将来性」です。

あらゆる産業(製造、金融、医療、教育など)において、DX(デジタルトランスフォーメーション)は必須となっており、IT技術なくしてビジネスは成り立ちません。

経済産業省の調査でも、IT市場(情報サービス産業)は一貫して成長を続けています。市場が成長しているということは、それだけ仕事の需要があり、活躍の場が広がり続けることを意味します。

特定サービス産業動態統計調査

出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査

2. 高い専門スキル(ポータブルスキル)が身につく

ITスキル、特にプログラミングやシステム設計のスキルは、「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」の代表格です。一度しっかり身につければ、どこの会社に行っても、あるいは独立しても通用する「手に職」となります。

会社の看板がなくても、自分のスキル一本で稼いでいけるという安心感は、変化の激しい現代において非常に大きな武器となります。

3. 他業界と比べて給与水準が高い

IT業界は、全業界の中でも平均年収が高い水準にあります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、「情報通信業」の平均賃金は、全産業平均を大きく上回っています。これは、業界全体が高い利益率を保っていること、そして専門性の高い人材に対する対価が正当に支払われていることを示しています。

実力次第では、20代で年収600万円、30代で年収1,000万円を目指すことも、決して非現実的な目標ではありません。

令和6年賃金構造基本統計調査

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

4. 柔軟な働き方がしやすい(リモートワーク・フレックス)

IT業界は、他のどの業界よりも「働き方の柔軟性」が進んでいます。

パソコンとインターネット環境さえあれば仕事ができるため、リモートワーク(在宅勤務)や働く時間を自由に決められるフレックスタイム制を導入している企業が非常に多いです。

  • 満員電車に乗らずに、自宅で働きたい
  • 育児や介護と仕事を両立させたい
  • 平日の日中に役所や病院に行きたい

こういった、個人のライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすいのは、IT業界ならではの大きな魅力です。

5. 転職・キャリアアップがしやすい(キャリアパスの豊富さ)

前述の通り、IT業界は深刻な人手不足です。これは、スキルを持つエンジニアにとっては「売り手市場」であることを意味します。

一つの会社に縛られることなく、「A社でWeb開発の基礎を学び、B社で大規模サービスの開発経験を積み、C社でプロジェクトマネージャーに挑戦する」といった形で、スキルアップや年収アップを目的とした「戦略的な転職」が非常にしやすい業界です。

また、プログラマーから始まり、システムエンジニア(SE)、プロジェクトリーダー(PL)、プロジェクトマネージャー(PM)、ITコンサルタント、ITアーキテクトなど、キャリアパスが非常に豊富な点も魅力です。

6. 学歴や年齢に関わらず実力で評価されやすい

IT業界は、非常に「実力主義」の世界です。

「どこの大学を出たか」よりも、「何を作れるか」「どんな問題を解決できるか」が重視されます。

学歴や社歴、年齢に関わらず、スキルと実績さえ示せば、若くして重要なポジションを任されたり、高い報酬を得たりすることが可能です。経歴にコンプレックスがある人でも、努力次第で一発逆転を狙えるフェアな環境だと言えます。

7. 社会貢献性を感じやすい

IT技術は、社会のあらゆる課題を解決する力を持っています。

  • 医療現場の業務を効率化するシステム
  • 教育格差をなくすためのオンライン学習プラットフォーム
  • 災害時に情報を届けるためのアプリ

自分が携わったシステムやサービスが、世の中の「不便」を解消し、誰かの生活を豊かにしていることを実感できる瞬間は、大きなやりがいにつながります。

「やめとけ」は本当?IT業界に向いている人・向いていない人の特徴

「やめとけ」は本当?IT業界に向いている人・向いていない人の特徴

IT業界には大きなメリットがありますが、残念ながら全ての人に向いているわけではありません。「やめとけ」という言葉が真実になってしまう人も確かに存在します。

LIFRELLスキルアップ編集部が考える、IT業界の「向き・不向き」をまとめました。

IT業界に「向いている人」の5つの特徴

  1. 新しいことを学ぶのが好き(知的好奇心)
    最も重要な素質です。技術の進歩を「面倒」ではなく「ワクワクする」と感じられる人は、エンジニアとして大成する可能性が高いです。
  2. 論理的思考力(ロジカルシンキング)
    プログラミングは、物事を順序立てて、論理的に組み立てていく作業です。「なぜエラーが起きたのか?」を筋道立てて考え、原因を特定できる能力が求められます。
  3. 粘り強さ・根気強さ
    エンジニアの仕事は、9割が「エラーとの戦い」とも言われます。すぐに答えが見つからなくても、諦めずに調べ続け、試行錯誤できる粘り強さが必要です。
  4. 課題解決が好き
    「どうすればもっと効率的になるか?」「ユーザーの不満をどう解消するか?」といった「課題」を見つけ、それをITの力で解決することに喜びを感じる人は、この仕事の適性があります。
  5. 最低限のコミュニケーション能力
    前述の通り、チームでの開発やクライアントとの折衝は必須です。自分の考えを正確に伝え、相手の意図を正しく汲み取る能力が求められます。

IT業界に「向いていない人」(やめとけと言われやすい人)

  1. 勉強が嫌い・暗記で乗り切ろうとする人
    「学生時代で勉強は終わり」と思っている人には、絶対に向いていません。
  2. ルーティンワークを好む人
    毎日同じ作業を、同じ手順で繰り返したい人には苦痛な環境です。
  3. パソコン操作やITそのものに苦手意識がある人
    「パソコンは見るのも嫌だ」というレベルでは、スタートラインに立つことすら難しいでしょう。
  4. 人と話すのが極端に苦手な人
    「誰とも話さずに働きたい」という動機では、入社後に大きなギャップを感じることになります。
  5. 物事を大雑把に捉える人
    プログラムは、コンマ一つ、スペル一文字の間違いで動作しません。細かい部分に気づき、丁寧な作業ができることが求められます。

未経験からIT業界へ!押さえておくべき職種とキャリアパス

未経験からIT業界へ!押さえておくべき職種とキャリアパス

IT業界と一口に言っても、様々な職種があります。まずは「どのような仕事があるのか」を知ることが第一歩です。

IT業界の主な職種マップ

未経験からの転職の場合、まずは「プログラマー」や「インフラエンジニア」からキャリアをスタートし、徐々に上流工程や専門分野に進んでいくのが一般的です。

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職種分類主な職種名仕事内容未経験からのなりやすさ
開発系(アプリケーション)プログラマー(PG)SEが作成した設計書に基づき、コードを書く(プログラミングする)専門職。◎(まずはここから)
システムエンジニア(SE)クライアントの要求をヒアリングし、システムの設計書を作成する。開発全体の管理も行う。○(PGからのステップアップ)
WebエンジニアWebサイトやWebサービス(ECサイト、SNSなど)の開発を専門に行う。フロントエンドとバックエンドに分かれる。◎(スクール等での学習者多し)
開発系(インフラ)インフラエンジニアサーバーやネットワークなど、システムが動くための「基盤(インフラ)」を設計・構築・運用する。○(需要が非常に高い)
クラウドエンジニアAWSやAzureなどのクラウドサービスを専門に扱うインフラエンジニア。近年、需要が急増中。○(今後ますます有望)
その他ITコンサルタント企業の経営課題に対し、ITを活用した解決策を提案する。SEやPMの上位職。△(未経験からは難しい)
WebデザイナーWebサイトの見た目(デザイン)を作成する。コーディングも行う場合がある。○(センスとスキルが問われる)
ITセールス(営業)自社のITソリューション(システムやサービス)を企業に提案・販売する。○(文系出身者も多い)

未経験からIT業界への転職を成功させる5つのステップ

未経験からIT業界への転職を成功させる5つのステップ

「やめとけ」の声を乗り越え、IT業界への転職を決意した方が、失敗を避け、成功を掴むために踏むべき具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:自己分析とキャリアプランの明確化

まずは「なぜIT業界に行きたいのか」を深掘りします。

「給料が高いから」「リモートワークしたいから」といった理由も大切ですが、「ITの力で何を成し遂げたいのか」「5年後、10年後にどのようなエンジニアになっていたいのか」を明確にしましょう。

この軸が定まっていないと、学習途中で挫折したり、ブラック企業に入社してしまったりするリスクが高まります。

ステップ2:職種・分野の研究

「ステップ1」で定めた目標に基づき、どの職種を目指すかを決めます。

「Webサービスを作りたい」ならWebエンジニア、「社会インフラを支えたい」ならインフラエンジニアやSIerのSE、といった具合です。目指す職種によって、学ぶべき言語や技術が全く異なります。(例:Web系ならRuby, PHP, JavaScript。業務システム系ならJava, C#など)

ステップ3:プログラミングスクール等で基礎スキルを習得

目指す分野が決まったら、スキルの習得です。

独学でも可能ですが、未経験者の場合、何から学ぶべきか分からず挫折するケースが非常に多いです。LIFRELLスキルアップ編集部としては、プログラミングスクールの活用を強く推奨します。

理由は以下の3点です。

  1. 体系化されたカリキュラム:最短距離で必要なスキルを学べる。
  2. メンター(講師)の存在:エラーで詰まった時にすぐに質問できる。
  3. 転職サポート:ポートフォリオ作成の支援や、求人紹介が受けられる。

費用はかかりますが、これは「未来の自分への投資」です。ここで基礎を固められるかが、その後のキャリアを大きく左右します。

ステップ4:ポートフォリオ(制作実績)の作成

未経験者の転職活動において、最も重要なのが「ポートフォリオ」です。

これは、あなたが「何を学んできたか」「何を作れるか」を証明する「作品集」です。

「スクールを卒業しました」というだけでは、「本当にこの人はコードが書けるのか?」と疑われてしまいます。簡単なものでも構いませんので、オリジナルのWebサイトやアプリケーションを必ず作成しましょう。

ステップ5:転職エージェントの活用

スキルとポートフォリオが準備できたら、いよいよ転職活動です。

求人サイトで自力で探す方法もありますが、IT業界に特化した転職エージェントの活用が成功の近道です。

エージェントを活用するメリットは、

  • あなたのスキルや希望に合った「非公開求人」を紹介してもらえる
  • 「やめとけ」と言われるようなブラック企業をフィルタリングしてくれる
  • 職務経歴書の添削や、面接対策を徹底的に行ってくれる

ことです。LIFRELLスキルアップのようなメディアや、エージェントを活用し、信頼できる情報を集めましょう。

「やめとけ」と言われる”ブラック企業”を避ける方法

「やめとけ」と言われる”ブラック企業”を避ける方法

転職活動において、最も避けたいのが「やめとけ」の元凶であるブラック企業に入社してしまうことです。優良企業を見極めるためのチェックポイントをご紹介します。

1. 企業の口コミサイトを徹底的に確認

転職会議、OpenWork、Lighthouseなどの口コミサイトで、現職・退職者の「生の声」を確認しましょう。「残業時間の実態」「有給休暇の消化率」「社内の雰囲気」「経営陣への評価」など、求人票だけでは分からない情報が得られます。

ただし、ネガティブな口コミばかりに偏る傾向があるため、情報はあくまで参考程度にし、複数のサイトを比較することが大切です。

2. 「SES(客先常駐)」専門の企業は慎重に検討

「多重下請け構造(SES)の問題」で解説した通り、SESを主軸とする企業の中には、エンジニアを「駒」としか見ておらず、スキルアップにつながらない案件ばかりを斡旋する企業も存在します。

もちろん優良なSES企業もありますが、未経験者がそれを見極めるのは困難です。

面接の場で、「案件を選ぶことができるか」「自社(常駐先ではなく)での研修制度は整っているか」「キャリアパスの相談にのってくれるか」を必ず確認しましょう。

3. 自社開発企業か受託開発企業かを見極める

IT企業は大きく「自社開発」「受託開発」「SES」に分かれます。

  • 自社開発:自社のサービス(例:メルカリ、LINEなど)を開発・運営。
  • 受託開発:クライアントから依頼を受けてシステムを開発(SIerなど)。
  • SES:エンジニアの技術力をクライアントに提供。

一般的に、働き方の自由度や技術力の高さ、給与水準の面で「自社開発」企業が最も優れている傾向があります。(ただし、未経験からの入社難易度は最も高いです)

4. 面接で「成長」や「やりがい」を強調しすぎる企業に注意

「20代で圧倒的に成長できる!」「給料は低いが、やりがいはある!」といった精神論を前面に押し出す企業には注意が必要です。

優良企業であれば、「成長」はあくまで「結果」としてついてくるものであり、それに見合った「待遇(給与や労働環境)」を提示するのが普通です。「やりがい」という言葉で、低賃金・長時間労働を正当化しようとしていないか冷静に見極めましょう。

まとめ:「IT業界はやめとけ」を鵜呑みにせず、自分の目で確かめよう

まとめ:「IT業界はやめとけ」を鵜呑みにせず、自分の目で確かめよう

「IT業界はやめとけ」という言葉は、かつての過酷な労働環境や業界の特定(下請け構造など)の側面だけを切り取った、古いイメージや誤解に基づいている部分が少なくありません。

確かに、学習意欲のない人や、論理的思考が苦手な人にとっては「きつい」業界です。しかし、知的好奇心があり、スキルを身につけて市場価値を高めたいと願う人にとっては、これ以上ないほど魅力的な業界です。

IT業界は、あなたの努力が正当に評価され、高い報酬と柔軟な働き方という形で返ってくる、非常にフェアな世界です。LIFRELLスキルアップ編集部としては、ネガティブな噂に惑わされることなく、ぜひその可能性に挑戦してほしいと願っています。

まずはプログラミングスクールの無料相談などを活用し、現役エンジニアの話を聞くなど、あなた自身の目で「実態」を確かめることから始めてみてはいかがでしょうか。

あなたのキャリアにおける新たな一歩を、私たちは全力でサポートします。

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