定時で帰れる仕事20選！残業少ない職場の見つけ方と転職成功のコツ

2025年11月14日

「毎日残業で、自分の時間が持てない」

「仕事とプライベートを両立できる働き方に変えたい」

こうした悩みを抱え、定時で帰れる仕事を探している方は少なくないでしょう。

近年、ワークライフバランスを重視する働き方が社会的に注目されています。しかし、数多くの求人情報の中から、本当に「残業が少ない職場」を見つけ出すのは、実は非常に難しい作業です。

なぜなら、残業の実態は業界や職種だけでなく、同じ会社内であっても部署やチームによって大きく異なるからです。

私たちLIFRELLスキルアップ編集部は、キャリアチェンジを目指すすべての方をサポートする情報メディアとして、これまで多くの方の転職やスキルアップに関する悩みと向き合ってきました。

その中で、残業が少ない仕事や職場には、いくつかの共通する特徴があることを見出してきました。

この記事では、単に「楽な仕事」を紹介するのではありません。

定時で帰りやすい具体的な仕事20選とその特徴
求人票や面接で「本当に残業が少ない優良企業」を自力で見抜く方法
転職を成功させるための具体的なステップ

これらを、キャリア支援の専門的な視点から徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたが本当に求める働き方を実現するために、今何をすべきかが明確になっているはずです。

なぜ「定時で帰れる仕事」を探す人が増えているのか？編集部の見解

現代のビジネスパーソンが「定時退社」を求める背景には、単なる「楽をしたい」という理由だけではなく、キャリア観の多様化と自己実現への強い欲求があります。

数年前まで、「残業は当たり前」「人より長く働くことが評価につながる」といった風潮が根強く残っていました。しかし、ここ数年でその価値観は大きく変化しています。

働き方改革の浸透と、現場のリアル

大きなきっかけの一つは、政府主導による「働き方改革」です。

時間外労働の上限規制（原則として月45時間・年360時間）が法制化され、企業側も労働時間の管理を厳格化せざるを得なくなりました。

[出典: 厚生労働省「働き方改革特設サイト」]

しかし、法律が整備されても、現場の実態がすぐに変わるわけではありません。

「みなし残業（固定残業代）」として給与に一定時間の残業代が含まれていたり、業務量が多すぎて「持ち帰り残業」をせざるを得なかったりするなど、表面的な残業時間だけでは測れない負担が残っているケースも依然として存在します。

LIFRELLスキルアップ編集部の見解「キャリア防衛」のための時間確保

私たち編集部は、この「定時で帰りたい」というニーズの変化を、単なる「プライベートの充実」だけが目的ではないと捉えています。

かつては「趣味の時間を増やしたい」「家族と過ごす時間を大切にしたい」という理由が主流でした。もちろん、それらも非常に重要な動機です。

しかし最近では、それに加えて「自己投資の時間を確保したい」という、より切実な理由が増えています。

現代はVUCA（変動性、不確実性、複雑性、曖昧性）の時代と呼ばれ、終身雇用を前提としたキャリアプランは描きにくくなっています。

このような時代において、定時で退社して得られた時間を、自身のスキルアップ（リスキリング）や副業に充てる。これは、会社に依存するのではなく、自らの市場価値を高めてキャリアを守る「キャリア防衛」の意識の表れです。

LIFRELLスキルアップが、まさに「スキルアップ」や「転職」に関する情報発信を行っている理由も、こうした「変化に対応し、自分らしい働き方を見つけたい」という方々をサポートするためです。

「タイパ（タイムパフォーマンス）」重視の価値観

特に若い世代を中心に、時間を効率的に使う「タイムパフォーマンス（タイパ）」を重視する価値観が浸透しています。

目的もなくダラダラと続く会議や、非効率な業務による残業は「タイパが悪い」ものとして敬遠されます。

限られた時間の中でいかに成果を出すか、という意識へのシフトが明確に進んでいるのです。

健康への意識の高まり

長時間労働が心身に与える深刻な影響（メンタルヘルス不調や過労の問題）が社会的に広く認識されるようになったことも、大きな要因です。

一時期だけ頑張るのではなく、心身ともに健康な状態で長く働き続ける「サステナブルなキャリア」を築くために、定時で帰れる環境が強く求められています。

「定時で帰れる仕事」の定義とは？残業時間のリアルな目安

「定時で帰れる」の定義は人それぞれですが、転職市場における一つの目安は「月平均残業時間20時間未満」です。まずはご自身の許容範囲を明確にしましょう。

「定時で帰れる」と一口に言っても、その定義は人によって異なります。

「毎日、必ず定時の18時に退社したい」
「週に1〜2回、1時間程度の残業なら許容できる」
「繁忙期以外は、ほとんど定時で帰りたい」

転職活動を始める前に、ご自身が許容できる「残業時間のライン」を明確にしておくことが非常に重要です。

転職市場における「残業少なめ」の目安

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、一般労働者（パートタイム除く）の月間実労働時間のうち、「所定外労働時間（残業時間）」は、近年おおむね10〜15時間前後で推移しています。

[出典: 厚生労働省「毎月勤労統計調査令和6年8月分結果速報等」]

これはあくまで全体の平均値です。転職市場の実感として、LIFRELLスキルアップ編集部では「残業少なめ」の目安を以下のように考えています。

月平均残業10時間未満:
- ほぼ毎日定時で帰れるレベル。
- 1日あたりの残業は平均30分未満。突発的な対応や月末処理などで、たまに残業が発生する程度。
月平均残業20時間未満:
- 多くの人が「ワークライフバランスが取れる」と感じるライン。
- 1日あたりの残業は平均1時間未満。繁忙期や締切前は多少忙しくなるものの、それ以外の時期は定時退社が常態化しているレベル。

まずは「月20時間未満」を一つの基準として求人を探し始め、その中でご自身の希望により近い「月10時間未満」の求人を探していくのが現実的なアプローチです。

「残業ゼロ」をうたう求人の注意点

求人票で「残業ゼロ」「残業一切なし」と過度に強調している場合は、少し立ち止まって考える必要があります。

もちろん、本当に残業がない優良企業も存在します。しかし、中には以下のようなケースも隠れているため注意が必要です。

基本給が極端に低い: 残業がない代わりに、生活が困難なほどの低い給与設定になっている。
「みなし残業代」が給与に含まれている: 求人票に明記が必須ですが、見落としやすいポイント。
「残業ゼロ」と言いつつ、実態は「月30時間分の残業代が最初から含まれている（＝30時間までは残業しても給与が変わらない）」というケース。
実態と異なる: 入社してみたら、サービス残業が横行していた。

LIFRELLスキルアップ編集部の視点「残業の質」にも注目

私たちは、残業時間の「量」だけでなく「質」にも注目すべきだと考えています。

慢性的な残業: 業務量が恒常的に多く、毎日必ず1〜2時間の残業をしないと仕事が終わらない状態。
突発的な残業: 普段は定時だが、クライアントからの急な依頼や、システムのトラブル対応などで、一時的に残業が発生する状態。
雰囲気的な残業: 自分の仕事は終わっているが、上司や先輩が残っているため「帰りにくい雰囲気」があり、なんとなく残業している状態。

この中で最も避けるべきは「慢性的な残業」と「雰囲気的な残業」です。

ご自身がどのタイプの残業なら許容できるのか（あるいは許容できないのか）を分析することも、仕事選びの重要な軸となります。

【職種別】定時で帰りやすい仕事20選！特徴とメリット・デメリット

本章のまとめ: 定時で帰りやすい仕事には「業務の裁量が大きい」「ルーティンワーク中心」「個人の成果が明確」といった特徴があります。

ご自身の適性やキャリアプランと照らし合わせながらご覧ください。

ここからは、LIFRELLスキルアップ編集部が選んだ、比較的「定時で帰りやすい」とされる具体的な職種を、カテゴリ別に20個紹介します。

それぞれの特徴、メリット、そして注意すべきデメリットも併せて解説します。

1. 事務・バックオフィス系

企業の運営を裏側から支えるバックオフィス部門は、比較的スケジュールが読みやすい職種が多いのが特徴です。

(1) 一般事務・営業事務

特徴: 書類作成、データ入力、電話・来客応対、営業担当のサポート（見積書・請求書作成など）が主な業務です。業務内容が定型化（ルーティンワーク）されていることが多いのが特徴です。
メリット: 突発的な業務が少なく、一日の流れが決まっているため、定時で帰りやすい代表的な職種です。未経験からでも挑戦しやすい求人が多いのも魅力です。
デメリット: 給与水準は他の専門職に比べてやや低めになる傾向があります。また、キャリアアップの道筋（専門性）が見えにくい場合があります。

(2) 経理・財務

特徴: 会社の「お金」を管理する専門職です。日々の伝票処理、月次の入出金管理、年次の決算業務などを行います。
メリット: 「月末・月初」「四半期末」「年度末（決算期）」といった繁忙期が明確に決まっています。それ以外の期間（平常時）は、スケジュールをコントロールしやすく、定時で帰りやすい傾向にあります。
専門性が高く、どの会社でも必要とされるため転職に強いです。
デメリット: 繁忙期は残業が集中し、激務になることを覚悟する必要があります。数字を扱うため、常に高い正確性が求められます。

(3) 人事・労務 (特に給与計算・社会保険手続き担当)

特徴: 社員の入退社手続き、勤怠管理、給与計算、社会保険の手続きなどを担当します。
メリット: 経理と同様、「給与計算の締日（毎月20日頃など）」「社会保険の算定基礎届（年1回）」など、業務のスケジュールと締切が明確です。専門知識が身につきます。
デメリット: 人事の中でも「採用担当」の場合は、会社説明会や面接対応で土日出勤や夕方以降の残業が発生しやすいため、注意が必要です。

(4) 総務

特徴: 備品管理、ファシリティ（オフィス環境）管理、社内規程の整備、株主総会の運営サポート、社内イベントの企画など、会社全体の「何でも屋」的な役割を担います。
メリット: 業務範囲が広い反面、多くは社内向けの調整業務であり、締切に追われるものは比較的少ないです。
デメリット: 突発的な対応（例: オフィスの設備トラブル）が発生することもあります。業務範囲が広いために、専門性が身につきにくいと感じる場合もあります。

(5) 法務 (特に契約書審査など)

特徴: 企業活動に関わる法律の専門家です。主に契約書の作成・レビュー（審査）や、コンプライアンス（法令遵守）体制の構築を行います。
メリット: 高い専門性が求められ、自分のペースで業務を進めやすい職種です。
デメリット: M&A（企業買収）や訴訟対応などが頻繁に発生する企業（特にベンチャー企業や外資系投資銀行など）では、激務になる可能性があります。未経験からの転職ハードルは高めです。

2. 専門・技術職系

特定のスキルや資格を活かす職種の中にも、働きやすい環境は存在します。

(6) 社内SE・ヘルプデスク

特徴: クライアント向けのシステム開発（受託開発）とは異なり、自社のシステム運用・保守や、社員からのIT関連の問い合わせ対応（ヘルプデスク）をメインに行います。
メリット: 厳しい納期に追われるプレッシャーは比較的少ないです。ITスキルを活かしつつ、ワークライフバランスを保ちやすいのが魅力です。
デメリット: 社内インフラ（サーバー、ネットワーク）に重大なトラブルが発生した場合、緊急対応（休日出勤や夜間対応）が必要になることがあります。

(7) Webデザイナー・コーダー (自社サービス・社内向け)

特徴: 制作会社や広告代理店のようにクライアントの納期に追われるのではなく、自社メディアの運用・更新や、社内向けツールの改修などを担当します。
メリット: スケジュールを自社でコントロールしやすいため、残業が少ない傾向にあります。
デメリット: 自社サービスであっても、大規模なリニューアルや新規サービスのローンチ前などは、一時的に残業が増えることがあります。

(8) データ入力・オペレーター

特徴: 指定されたデータを専用システムに入力したり、マニュアルに沿って定型的な処理を行ったりします。まさにルーティンワークの代表格です。
メリット: 業務時間と内容が明確に決まっており、残業はほとんど発生しません。精神的なプレッシャーも少ないです。
デメリット: スキルアップや昇給がしにくい傾向にあります。将来的にAIによる自動化（RPAなど）の対象になりやすい業務でもあります。

(9) カスタマーサポート (インバウンド中心)

特徴: 顧客からの電話やメールでの問い合わせに対応する仕事です（インバウンド）。こちらから営業電話をかけるアウトバウンドとは区別されます。
メリット: シフト制勤務が多いため、勤務時間が明確です。次のシフト担当者に引き継げば、基本的に残業は発生しません。
デメリット: クレーム対応など、精神的な負担がかかる場合があります。土日祝日や夜間も稼働しているコールセンターの場合、シフトも不規則になりがちです。

(10) 図書館司書

特徴: 公共図書館や大学図書館などで、本の貸出・返却対応、レファレンスサービス（調べ物の相談）などを行います。
メリット: 開館時間と閉館時間が明確に決まっており、残業はほとんどありません。静かな環境で専門性を活かして働けます。
デメリット: 司書の資格が必要です。正規雇用の枠が非常に少なく、多くが契約社員や派遣社員といった非正規雇用であるのが実情です。

3. 医療・福祉系

専門資格が必要ですが、勤務形態が明確な職種も多い分野です。

(11) 医療事務 (クリニック勤務)

特徴: 病院やクリニックでの受付、会計、レセプト（診療報酬明細書）作成などを行います。
メリット: 特に「クリニック（診療所）」の場合、診療時間が決まっているため、残業は少ない傾向にあります。全国どこでも需要がある専門職です。
デメリット: 月末・月初のレセプト請求時期は、残業が集中しやすいです。大病院の救急外来などではシフト制・夜勤が発生します。

(12) 薬剤師 (調剤薬局・ドラッグストア)

特徴: 医師の処方箋に基づき、薬を調剤します。
メリット: 薬局の「開局時間」が決まっているため、閉店後の片付けなどを除き、残業は発生しにくいです。国家資格が必要なため、給与水準も比較的高く安定しています。
デメリット: 国家資格の取得が必須です。立ち仕事が中心となります。

(13) 臨床検査技師・放射線技師 (クリニック・検診センター勤務)

特徴: 採血や心電図、レントゲン撮影などの検査を行います。
メリット: 大病院の救急対応や当直がある職場と異なり、予約制のクリニックや健康診断専門のセンターは、業務時間が明確で残業も少ないです。
デメリット: 専門の国家資格が必要です。患者さんと直接接するコミュニケーション能力も求められます。

(14) ケアマネジャー (居宅介護支援事業所)

特徴: 要介護認定を受けた方が適切な介護サービスを受けられるよう、ケアプラン（介護計画書）を作成し、関係各所との調整を行います。
メリット: 日中の訪問やデスクワークが中心で、比較的ご自身の裁量でスケジュールを管理しやすいです。
デメリット: 資格（介護支援専門員）の取得が必要です。利用者やその家族、サービス事業者との板挟みになるなど、調整業務の難しさがあります。

4. その他 (公務員・製造・サービス系)

(15) 製造業のライン作業員 (工場勤務)

特徴: 工場の生産ラインで、部品の組み立てや検品などの決まった作業を繰り返します。
メリット: 2交代制や3交代制といったシフト勤務が基本です。ラインが動く時間が厳密に決まっており、残業は（あっても交代要員が来るまでなど）限定的です。
デメリット: 未経験からでも始めやすい反面、単純作業が苦手な人には向きません。夜勤を含むシフトになる場合も多いです。

(16) ビルメンテナンス・設備管理

特徴: オフィスビルや商業施設の電気、空調、防災設備などが正常に作動しているか点検・管理します。
メリット: 多くはシフト制で、決められた点検スケジュールに沿って業務を行います。突発的なトラブルがなければ残業は少ないです。
デメリット: 「第二種電気工事士」や「ボイラー技士」などの資格があると有利です。異常発生時は緊急対応が必要です。夜勤や宿直（泊まり込み）がある職場も多いです。

(17) ルート営業 (既存顧客向け)

特徴: 「営業＝残業多い」というイメージがありますが、例外もあります。新規開拓（テレアポ、飛び込み）ではなく、既に関係性のある顧客を定期的に訪問し、御用聞きや新商品の案内を行うのがルート営業です。
メリット: 訪問スケジュールを自分で管理しやすく、顧客の営業時間も決まっているため、残業が少ないケースがあります。
デメリット: 営業である以上、売上目標（ノルマ）は存在します。顧客との関係性構築が重要です。

(18) スクール・教室の運営スタッフ

特徴: 英会話スクール、プログラミングスクール、資格学校などで、受付、事務、生徒のスケジュール管理などを行います。
メリット: 「開校時間」が明確に決まっています。
デメリット: 生徒募集のインセンティブやノルマが課される場合があります。ビジネスパーソン向けのスクールの場合、平日の夜（例: 21時頃まで）や土日祝日の勤務が中心となります。

(19) ルート配送ドライバー

特徴: 毎日決まったルートで、決まった顧客先（例: コンビニ、自動販売機、企業オフィスなど）に商品を配送・補充します。
メリット: 配送ルートと件数が決まっているため、一日のスケジュールが立てやすく、残業が少ない傾向にあります。
デメリット: 長距離ドライバーや宅配便とは異なり給与は安定していますが、大幅な昇給は望みにくいです。早朝からの勤務が多いです。

(20) 公務員 (一部の部署を除く)

特徴: 地方公務員（市役所、区役所の窓口業務）や、事務職全般。
メリット: 法律や条例に基づき運営されており、労働時間管理が民間企業より厳格な傾向にあります。福利厚生も手厚く、雇用の安定性は抜群です。
デメリット: 「部署ガチャ」と呼ばれるように、配属先によって忙しさが全く異なります。予算編成期、議会対応、選挙、災害対応などの部署・時期は、民間企業を遥かに超える激務になることもあります。

表: 定時で帰りやすい職種の特徴まとめ

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カテゴリ	職種例	なぜ定時で帰りやすいか	注意点（デメリット）
事務・バックオフィス系	一般事務、経理、労務	業務が定型化している、締切（繁忙期）が明確	繁忙期は残業が集中する、給与水準がやや低い傾向
専門・技術職系	社内SE、図書館司書	納期より運用・保守がメイン、開館時間などが明確	緊急対応の可能性、専門資格が必要、非正規雇用の多さ
医療・福祉系	医療事務、調剤薬剤師（クリニック）	診療時間・開局時間が明確	繁忙期（レセプト）、国家資格が必要、患者対応
その他	製造ライン、公務員（事務）	シフト制で時間が厳格、法令遵守の意識が高い	夜勤の可能性、部署による差が非常に激しい

残業が少ない「業界」を見極める！編集部おすすめの業界と特徴

本章のまとめ: 職種だけでなく「業界」の特性も残業時間に大きく影響します。BtoCよりBtoB、フロー型よりストック型のビジネスモデルを持つ業界が狙い目です。

定時で帰れるかどうかは、「職種」だけでなく「業界」の構造にも大きく左右されます。

注意！残業が多い業界の傾向

一般的に、以下の特徴を持つ業界は残業が多くなりがちです。

1.クライアントの都合に振り回されやすい業界:

広告代理店、コンサルティングファーム、IT受託開発（SIer）、デザイン制作会社など。
「クライアントの急な要望」「厳しい納期」が常態化しやすいためです。

2.24時間体制や人手不足が慢性化している業界:

マスコミ（テレビ局など）、飲食業、小売業（スーパー、コンビニ）、物流業、建設業、介護・福祉業界。
これらは社会インフラとして重要ですが、業界全体として人手不足に悩んでおり、一人あたりの業務負担が大きくなりやすい傾向があります。

3.成果報酬の側面が強い業界:

不動産営業（特に売買仲介）、証券営業、保険営業（フルコミッション）など。
成果次第で高収入が狙えますが、その分、労働時間も長くなりがちです。

注意点:

スタートアップ企業や「これからグロースさせるぞ」というフェーズの企業は、残業や休日出勤も厭わない働き方が求められがちです。

求人票で「残業が少ない優良企業」を見抜く7つのチェックポイント

求人票には残業の実態を知るヒントが隠されています。「月平均残業時間の実績」や「働き方に関する制度」の記載を具体的に確認しましょう。

残業が少ない優良企業は、求人票の書き方にも特徴があります。曖昧な表現に惑わされず、実態を見抜くための7つのポイントを解説します。

1. 「平均残業時間」の実績値が明記されているか

高評価: 「昨年度実績: 月平均12時間」「繁忙期（3月）は月25時間程度ですが、通常期は10時間未満です」
要注意: 「残業少なめ」「ほぼなし」「月〇〇時間程度」

具体的な数字（特に「実績」）が書かれているほど、信頼性が高いです。曖昧な表現のみの場合は、実態を公表しにくい（＝残業が多い）可能性があります。

2. 「みなし残業（固定残業代）」の有無と時間

高評価: 「残業代は別途全額支給」
要注意: 「月給30万円（固定残業代45時間分・〇〇円を含む）」

固定残業代制度が必ずしも悪いわけではありませんが、その時間が「45時間」など非常に長く設定されている場合、それが常態化している（毎月45時間近い残業がある）可能性が高いです。

3. 給与欄の「基本給」が低すぎないか

高評価: 「月給25万円（基本給25万円）」
要注意: 「月給28万円（基本給18万円＋各種手当5万円＋固定残業代5万円）」

基本給を低く設定し、手当や固定残業代で月給を高く見せている求人に注意してください。

基本給は、残業代（固定時間を超えた分）や賞与（ボーナス）の算定基準となるため、ここが低いと将来的な収入も伸び悩みます。

4. 「働き方」に関する具体的な制度の記載

高評価: 「フレックスタイム制（コアタイム11:00-15:00）※全社導入率90%」「毎週水曜日はノー残業デー（昨年度の平均退社時刻18:15）」
要注意: 「フレックスタイム制あり」「ノー残業デーあり」

制度が「ある」ことと、「使われている」ことは別問題です。

導入率や利用実績、具体的な運用ルールまで書かれている企業は、制度が形骸化しておらず、働きやすさを本気で追求している可能性が高いです。

5. 休日・休暇の記載が明確か

高評価: 「完全週休2日制（土日祝休み）」「年間休日125日」
要注意: 「週休2日制（シフトによる）」「年間休日105日」

「完全週休2日制」は毎週必ず2日休みですが、「週休2日制」は「月に1回以上、週2日の休みがある（それ以外の週は1日休みかもしれない）」という意味です。

ワークライフバランスを重視するなら「年間休日120日以上」が一つの目安となります。

6. 「募集背景」が具体的か

高評価: 「業績好調による増員」「新規事業立ち上げのためのメンバー募集」
要注意: 「欠員補充」「急募」

「欠員補充」が悪いわけではありませんが、転職サイトで「常に募集が出ている」会社は、離職率が高い（＝働きにくい環境で人が定着しない）可能性を疑う必要があります。

7. 企業の「認定マーク」などを確認する

高評価: 「ユースエール認定（若者の採用・育成に積極的で雇用管理が優良）」
[出典: 厚生労働省]、「えるぼし認定（女性活躍推進が優良）」

これらの認定は、労働時間や有給取得率など、厳しい基準をクリアした企業にのみ与えられます。客観的な「働きやすさ」の指標となります。

表: 求人票の「要注意表現」と「高評価表現」

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チェック項目	要注意な表現 (例)	高評価な表現 (例)
残業時間	「残業ほぼなし」「月45時間程度のみなし残業代」	「昨年度の月平均残業時間：12時間」「繁忙期除く通常期は10時間未満」
休日	「週休2日制（月6～8日休み）」	「完全週休2日制（土日祝休み）」「年間休日125日以上」
制度	「フレックスタイム制導入」	「フレックスタイム制（コアタイム11:00-15:00）※全部署で利用実績あり」
給与	「月給30万円（固定残業代45時間分を含む）」	「月給25万円＋残業代は1分単位で別途全額支給」

書類選考・面接で「本当に定時で帰れるか」を確認する実践的な質問術

面接は、企業を見極める「場」でもあります。残業や働き方について、失礼にあたらない形で、かつ具体的に質問するテクニックが重要です。

求人票だけでは実態は分かりません。面接は、企業側があなたを評価する場であると同時に、あなたが「この企業で本当に働けるか」を見極める場でもあります。

ただし、聞き方を間違えると「仕事への意欲が低い」と誤解されかねません。

質問する最適なタイミング

面接の冒頭や自己PRの最中ではなく、「最後になにか質問はありますか？」と聞かれたタイミングがベストです。
一次面接（人事担当）よりも、二次面接や最終面接（現場の責任者・配属予定部署の同僚）の方が、リアルな実態を聞き出しやすい傾向があります。

重要なのは「聞き方の枕詞」

残業についてストレートに聞くのは避けましょう。「意欲」と「懸念の払拭」をセットで伝えるのがコツです。

「入社後のミスマッチを防ぎ、早期に戦力になるためにも、働き方について具体的にイメージさせていただきたく存じます」
「もちろん、業務上必要な残業は責任をもって対応する所存ですが、普段の業務の進め方や、1日の流れについてお伺いさせてください」
「前職では生産性を高めるために〇〇を意識しておりましたが、御社で活躍されている方々は、時間管理においてどのような工夫をされていらっしゃいますか？」

LIFRELLスキルアップ編集部推奨・具体的な質問例

質問1 (残業時間の具体性を確認する)

「求人票に月平均残業時間が〇〇時間と拝見しましたが、これは全社の平均でしょうか？それとも、今回募集されております〇〇（部署名）の実績でしょうか？」

（全社平均は低いが、配属部署は激務、というケースを避けるためです）

質問2 (繁忙期の実態を探る)

「1年の中で、特に業務が集中する時期（繁忙期）はいつ頃になりますでしょうか？また、その時期は皆様、月平均でどれくらい残業されていらっしゃいますか？」

（繁忙期があること自体は普通です。その実態を正直に話してくれるかどうかがポイントです）

質問3 (リアルな退社時間を探る)

「もし差し支えなければ、〇〇様（面接官）や、同じ部署の皆様が、普段おおよそ何時頃に退社されることが多いか、雰囲気だけでも教えていただけますか？」

（「何時に帰れますか？」ではなく「皆様はどうされていますか？」と聞くのがコツです）

質問4 (残業の「質」を確認する)

「残業が発生する場合、どのような理由（例: 突発的なトラブル対応、クライアントからの急な依頼、月末の締切作業など）が最も多いでしょうか？」

（慢性的な業務量過多なのか、一時的なものなのかを見極めます）

質問5 (制度の実態を確認する)

「ノー残業デーやフレックスタイム制を導入されているとのことですが、皆様の実際の利用状況はいかがでしょうか？」

（制度が形骸化していないかを確認します）

面接官の「回答」から見抜くポイント

要注意な回答:

「それは部署によりますね」「人それぞれです」（具体的に答えられない・はぐらかす）
「うちは裁量労働制なので、時間の管理は本人次第です」（長時間労働が常態化している可能性）
「若い内は買ってでも苦労すべきだと思います」（精神論・長時間労働の肯定）

高評価な回答:

「〇〇さんの部署は、平均すると月15時間くらいですね。ただ、月末の3日間は締切で20時頃まで残る日もありますが、月の第2週は全員定時で帰っていますよ」
（良い点も悪い点も、具体的かつ正直に回答してくれる）

転職エージェントを賢く活用し「残業少ない職場」を引き当てる方法

転職エージェントは、一般に公開されていない「残業の実態」を把握している可能性があります。受け身ではなく、こちらから主体的に条件を伝え、情報を引き出すことが成功の鍵です。

自力で優良企業を見つけるには限界があります。LIFRELLスキルアップ編集部としては、転職エージェントの活用を強く推奨します。

なぜ転職エージェントが有効なのか？

1.内部情報（非公開情報）の保有:

転職エージェントは、企業の人事担当者と日常的にやり取りをしています。

そのため、求人票には書かれない「職場のリアルな雰囲気」「実際の残業時間」「最近の離職率」「上司の人柄」といった、非常に貴重な内部情報を把握しているケースが多いのです。

2.条件交渉の代行:

「残業は月20時間以内に抑えたい」といった、本人からは直接企業に言いにくい希望条件も、エージェントが「キャリアプランの実現のため」といった形で、角が立たないように企業側へ伝えてくれます。

3.客観的なキャリアの棚卸し:

キャリアアドバイザーとの面談を通じて、「なぜ定時で帰りたいのか」を深掘りし、ご自身の市場価値を客観的に判断してくれます。

その上で、あなたの希望が叶う、最適な求人を提案してくれます。

LIFRELLスキルアップ編集部が教える「エージェント活用術」

ただし、エージェントも受け身で使っていては宝の持ち腐れです。

(1) 最初の面談で「希望条件」を明確に、かつ理由も添えて伝える

NG例: 「とにかく定時で帰れるところがいいです。残業が多いところは紹介しないでください」
OK例: 「現在、WEBマーケティングのスキルを身につけるためオンラインスクールに通っており、平日に最低2時間の勉強時間を確保したいと考えています。そのため、キャリアプランとして、月平均残業時間が20時間以内の職場を最優先で希望します」

このように、理由とセットで伝えることで、アドバイザーもあなたの本気度を理解し、真剣に求人を探してくれます。

(2) 複数のエージェントに登録し、情報の「質」を比較する

エージェントには、IT業界に強い、メーカーに強い、管理部門に強いなど、それぞれ得意分野があります。
また、同じ企業を紹介された場合でも、A社の担当者は「残業は普通」と言い、B社の担当者は「〇〇部署は残業が多いですが、△△部署はほぼ定時です」と具体的な情報を持っている場合があります。
LIFRELLスキルアップでも多くの転職サービスを紹介していますが、最終的には担当キャリアアドバイザーとの「相性」も重要です。複数の視点を持つことで、客観的な判断が可能になります。

(3) エージェントからの「推薦理由」を必ず確認する

求人を紹介されたら、「なぜ、この企業が私の希望（残業少なめ）に合っているとご判断されましたか？」と必ず質問しましょう。
「人事担当者と話し、残業管理を徹底していると聞いた」「過去に紹介した入社者から、働きやすいと聞いている」など、エージェントが持つ「具体的な根拠」を引き出すことが重要です。

定時で帰るために「今」できること！現職での働き方改善術

転職は大きな決断です。まずは現職で「定時で帰る」努力をしてみることも重要です。業務効率化と「帰りにくい雰囲気」の打破が鍵となります。

「残業が多いから」とすぐに転職を決断する前に、まずは今の職場で「定時で帰る」ための努力をしてみることも非常に重要です。

なぜなら、「業務を効率化して時間内に終わらせるスキル」や「周囲を気にせず帰るマインド」は、どの職場に行ったとしても必須のポータブルスキルだからです。

また、現職で「業務効率化によって残業を〇〇時間削減した」という実績は、転職活動においても強力なアピールポイントになります。

LIFRELLスキルアップ編集部が実践する「業務効率化テクニック」

(1) タスクの「見える化」と「優先順位付け」

朝一番に、今日やるべきタスクをすべて書き出します。
「緊急度」と「重要度」のマトリクスで分類し、「重要かつ緊急なもの」から着手します。
多くの人は「緊急だが重要でないもの（例: 急ぎではない社内チャットへの返信）」に時間を奪われがちです。

(2) 「パーキンソンの法則」を意識する

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という法則です。
例えば「3時間あれば終わる資料作成」も、「定時まで時間がある」と思うと、ダラダラと修正を加えて時間を使い切ってしまいます。
「この資料作成は15時まで」「このメール返信は10分以内」と、すべてのタスクに自ら「締切時間」を設定することが極めて有効です。

(3) 「やらないこと」を決める

成果に直結しない業務を勇気を持って断る、または効率化します。
（例: 参加必須ではない会議への参加を断る、定型的な報告書はテンプレート化し、時間をかけない）

(4) ツールを使いこなす

Excelのショートカットキーや関数、マクロの活用。
メールやチャットツールのスニペット（定型文登録）機能の活用。
こうした「1回あたり30秒」の小さな時短の積み重ねが、1日の終わりには大きな差となります。

「帰りにくい雰囲気」を打破する方法

日本企業にありがちなのが、仕事は終わっているのに「雰囲気的に帰れない」という問題です。

(1) 「お先に失礼します」とハッキリ言う勇気

最初は勇気がいるかもしれません。しかし、自分の仕事は完璧に終わらせている（または引き継ぎを終えている）のであれば、何も遠慮する必要はありません。
これを繰り返すことで、周囲も「あの人は時間管理が徹底していて、定時で帰る人だ」という認識に変わっていきます。

(2) 事前に「帰る宣言」をしておく

朝礼やチームミーティングで、「今日は通院（家庭の用事、スクール）があるため、18時で失礼します」と事前に共有しておきます。
周囲も「今日は〇〇さんは18時まで」と認識するため、定時間際での急な仕事の依頼を防ぐことができます。

(3) 上司への相談（業務量調整）

個人の努力だけではどうにもならない、物理的な業務量過多の場合は、上司に相談するしかありません。
その際、「残業したくないです」というネガティブな伝え方ではなく、「時間内に最大の成果を出すために、現在抱えている業務の優先順位についてご相談したいです」という、ポジティブかつ建設的な形でアプローチするのが賢明です。