薬剤師の在宅ワーク4選！資格を活かす仕事内容と求人の探し方を徹底解説

• 「薬剤師の資格を活かしたいけれど、通勤の負担や立ち仕事が辛い」
• 「育児や介護と両立できる働き方として、在宅ワークに興味がある」
• 「薬局や病院以外で、自分の専門知識を活かせる道はないだろうか」

薬剤師としてのキャリアを積みながらも、このような悩みを抱え、新しい働き方を模索している方も多いのではないでしょうか。

近年、社会全体でリモートワークが普及し、薬剤師の世界でも「在宅ワーク」という選択肢が現実味を帯びてきました。しかし、調剤や監査といった対面業務のイメージが強い分、具体的にどのような仕事があるのか、本当に実現可能なのか、疑問に思うかもしれません。

この記事では、社会人のスキルアップやキャリアチェンジを支援する「LIFRELLスキルアップ編集部」が、薬剤師の資格と経験を活かせる在宅ワークを徹底的に調査。

薬剤師向けの在宅ワーク4選の具体的な仕事内容、メリット・デメリット、必要なスキル、そして求人の探し方まで、詳しく解説します。私たちの調査と知見が、皆様が自分らしい働き方を見つけるための一助となれば幸いです。

なぜ今「薬剤師の在宅ワーク」が注目されるのか？背景を解説

これまで薬剤師の主な職場といえば、薬局や病院、ドラッグストアであり、対面での業務が基本でした。しかし、ここ数年で薬剤師の働き方を取り巻く環境は大きく変わり、「在宅ワーク」への関心が一気に高まっています。

その背景には、主に3つの要因があります。

1. 社会全体の働き方の多様化

最大の要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、社会全体でリモートワークが急速に普及したことです。業種を問わず、オフィスに出社しない働き方が一般化し、「仕事＝場所」という固定観念が薄れました。

この流れは医療業界にも及び、薬剤師の業務においても「本当に全て対面である必要があるのか？」という見直しが進むきっかけとなりました。

2. 薬剤師特有の働き方への悩み

薬剤師の仕事は専門性が高くやりがいがある一方で、特有の悩みも存在します。

• 身体的な負担：長時間の立ち仕事や、在庫管理・ピッキングなどの体力業務。
• 対人関係のストレス：患者様や他の医療スタッフとの細やかなコミュニケーション。
• 勤務時間・場所の制約：シフト制による不規則な勤務や、通勤の負担。

これらの悩みから、より柔軟で身体的な負担の少ない働き方を求める声が大きくなっています。

3. ライフスタイルの変化への対応

結婚、出産、育児、家族の介護など、ライフステージの変化によって、従来通りのフルタイム勤務が難しくなるケースは少なくありません。

在宅ワークは、これらのライフイベントと仕事を両立させるための有力な選択肢です。特に専門職である薬剤師が、キャリアを中断せずに働き続けるための受け皿として、その重要性が増しています。

薬剤師の在宅ワークは難しい？誤解と現実

「薬剤師の在宅ワーク」と聞いても、多くの方は「調剤も監査もできないのに、一体何をするの？」と疑問に思うかもしれません。確かに、薬剤師法では対面での業務が原則とされてきた歴史があり、物理的な医薬品を扱う以上、在宅で完結する仕事は限られていました。

法律や規制の壁

特に調剤業務は、薬剤師法第23条や第25条の規定により、原則として薬局内の調剤室で行う必要があります。これが、薬剤師の在宅ワークを阻む大きな壁でした。

現実：IT化と規制緩和が選択肢を広げている

しかし、この状況は変わりつつあります。

最も大きな変化は「オンライン服薬指導」の解禁です。2020年9月の薬機法（医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律）施行規則改正、さらに2023年3月の通知により、一定の要件下で、初回からでもオンライン服薬指導が実施可能になりました。

これは、薬剤師が患者様と直接対面せずとも、ビデオ通話などを通じて服薬指導という専門業務を行えるようになったことを意味します。

また、服薬指導以外にも、薬剤師の専門知識（薬学、医学、法規）を必要とする業務は多数存在します。製薬企業における情報提供、メディアにおける記事作成、薬局運営のバックオフィス業務など、これまではオフィスで行われていた仕事が、ITインフラの整備によってリモート化（在宅化）しているのです。

【本命】薬剤師の資格を活かす在宅ワーク4選

ここからは、LIFRELLスキルアップ編集部が厳選した、薬剤師の資格と経験を活かせる在宅ワークを4つ、詳しくご紹介します。それぞれの仕事内容から、求められるスキル、収入目安、そして働き方の実態まで深く掘り下げていきます。

1. オンライン服薬指導（期待の広がる分野）

現在、薬剤師の在宅ワークとして最も注目され、今後の拡大が期待される分野が「オンライン服薬指導」です。

仕事内容

主な業務は、ビデオ通話システム（PCやタブレット）を用いて、患者様の自宅や施設と薬局を繋ぎ、画面越しに服薬指導を行うことです。

• 処方箋の内容確認（電子処方箋または原本の送付）
• 患者様の状態、服薬状況、副作用の有無などをヒアリング
• 薬の効果、用法用量、注意点の説明
• お薬手帳への情報提供
• 指導内容の薬歴（電子薬歴）への記録

物理的な調剤や監査は薬局内の薬剤師が行いますが、服薬指導と薬歴管理という薬剤師の根幹業務をリモートで担います。

法律・規制のポイント

オンライン服薬指導の実施には、厚生労働省が定めるガイドライン（「オンライン服薬指導の実施要領」など）を遵守する必要があります。

これまでは初診対面が原則でしたが、規制緩和により、一定の条件下（※）で初回からオンラインでの指導が可能になりました。これにより、在宅医療を受ける患者様や、遠隔地の患者様への対応が広がり、在宅薬剤師の活躍の場が期待されています。

（※出典：厚生労働省「令和７年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）等の一部改正について」）

収入目安

雇用形態（正社員、パート）によりますが、一般的な薬局勤務のパート時給（例：2,000円～2,500円程度）が目安となることが多いです。システム対応や希少性から、若干高い時給が設定される場合もあります。

始め方・求人の探し方

オンライン服薬指導システムの導入に積極的な大手薬局チェーン、在宅医療に特化した薬局、または「オンライン服薬指導 薬剤師 求人」などのキーワードで転職エージェントに相談するのが最も効率的です。

2. メディカルライター（専門知識を発信する仕事）

薬剤師の持つ薬学・医学の高度な専門知識は、「書く」仕事においても非常に高く評価されます。メディカルライターは、その代表的な在宅ワークです。

仕事内容

業務内容は多岐にわたりますが、主に医療・医薬品に関する専門的な文章を作成する仕事です。

• 医療機関・患者向け資材作成：製薬企業が作成する医薬品のパンフレット、適正使用ガイド、患者向け説明資料の作成・監修。
• Webコンテンツ作成：医療情報サイト、製薬会社のオウンドメディア、ドラッグストアのコラム記事などの執筆・監修。
• 学術・広報資料：新薬に関するプレスリリース、社内向け教育資料、学会発表資料のサポート。
• 論文関連：医学論文の翻訳（英和・和英）、要約（アブストラクト作成）、論文執筆の補助。

在宅ワークの場合、企業に所属する（正社員・契約社員）か、フリーランス（業務委託）として活動するかの2パターンがあります。

収入目安

大きく変動します。

• 企業所属（契約社員など）：時給2,000円～3,500円程度、あるいは月給制。
• フリーランス：文字単価（例：1文字2円～10円以上）や記事単価（例：1記事1万円～10万円以上）など。スキルと実績、専門性（例：がん領域、希少疾患など）によって単価は大きく変わります。未経験の場合は低単価からスタートすることが多いです。

始め方・求人の探し方

• クラウドソーシングサイト：まずは実績作りとして登録し、小規模な案件から受注する。
• 転職エージェント：メディカルライター（在宅可）の求人を紹介してもらう。
• 企業の直接応募：製薬会社、医療系広告代理店、CRO（開発業務受託機関）、Webメディア運営会社の採用ページを確認する。

3. DI（ドラッグインフォメーション）業務（製薬企業の顔）

DI（医薬品情報）業務も、薬剤師の専門性を活かせる在宅ワークとして近年注目されています。従来は企業のコールセンターなどに出社するのが一般的でしたが、システムのクラウド化により在宅勤務が増加しています。

仕事内容

主に製薬企業やCSO（医薬品販売業務受託機関）に所属し、医療関係者（医師、薬剤師、看護師）や患者様からの医薬品に関する問い合わせに、電話やメール、チャットで対応する仕事です。

• 自社製品の用法用量、副作用、相互作用、保管方法などに関する問い合わせ対応。
• 文献やデータベース（インタビューフォーム、添付文書など）に基づく正確な情報提供。
• 問い合わせ内容と回答の履歴を専用システムに入力・管理。
• 関連部署（学術、安全管理部門など）へのエスカレーション。

「在宅コールセンター」のようなイメージですが、内容は高度に専門的です。

収入目安

雇用形態によりますが、企業所属となるため比較的安定しています。年収ベースで450万円～600万円程度が目安となりますが、経験や役職によって異なります。

始め方・求人の探し方

• 転職エージェント：DI業務（在宅、リモート）の求人を希望していると伝える。CSOが受託している案件（コントラクトMRならぬコントラクトDI）も多いです。
• 企業の採用ページ：製薬企業やCSOの採用情報を直接確認する。「DI」「学術」「カスタマーサポート」などの職種で探します。

4. リモート（在宅）管理薬剤師（薬局運営の裏方）

これは非常に求人数が少ない、難易度の高い選択肢ですが、理論上は可能となりつつある働き方です。

仕事内容

薬機法の改正（2019年）により、一定の条件下で管理薬剤師の兼務が可能になるなど、薬剤師の配置規制が一部緩和されました。これを受け、特定の業務をリモートで行う「リモート管理薬剤師」という形態が模索されています。

• 薬局の法的な管理業務（許認可関連の書類作成・管理）。
• 医薬品の在庫管理システムのリモート操作、発注業務のサポート。
• 現場スタッフからの薬事的な問い合わせ対応（チャットやWeb会議）。
• （オンライン服薬指導と兼務する場合もある）

あくまで「管理業務」の一部をリモートで行うものであり、現場の薬剤師との密な連携が前提となります。

収入目安

求人が稀なため相場は不明確ですが、通常の管理薬剤師の給与（年収550万円～700万円程度）がベースになると推測されます。ただし、業務範囲が限定的な場合は、それに応じて調整される可能性もあります。

始め方・求人の探し方

転職サイトで一般公募されることは稀です。薬剤師専門の転職エージェントに「リモートでの管理薬剤師業務」が可能か、特殊な求人がないか（例：スタートアップ企業、特化型薬局など）を長期的に相談し、情報収集を依頼するのが現実的です。

一目でわかる！薬剤師向け在宅ワーク4選 徹底比較表

ここまでご紹介した4つの在宅ワークの特徴を、比較表にまとめました。ご自身のスキルや希望する働き方と照らし合わせてみてください。

項目	1. オンライン服薬指導	2. メディカルライター	3. DI（医薬品情報）業務	4. リモート管理薬剤師
主な仕事内容	ビデオ通話での服薬指導、薬歴管理	医療・医薬品に関する記事や資材の執筆・監修	医療関係者等からの問い合わせ対応（電話・メール）	薬事管理、在庫管理サポート、スタッフ支援（遠隔）
専門性の活かし方	◎（臨床経験を直結）	○（薬学知識を文章化）	◎（学術知識を駆使）	◎（管理経験を直結）
始めやすさ	△（実務経験必須、求人少）	○（未経験可案件あり）	△（経験者優遇、求人やや少）	×（経験必須、求人極少）
働き方の自由度	△（シフト制が多い）	◎（フリーランスの場合）	△（シフト制が多い）	△（責任が重く時間は拘束されがち）
収入目安	中（パート時給ベース）	変動大（スキル・案件次第）	高（企業所属で安定）	高（管理薬剤師手当含む）
メリット	・臨床のやりがい ・将来性が高い	・時間と場所の自由度 ・知識のアウトプット	・安定雇用、高水準の給与 ・深い学術知識の習得	・管理職キャリアの継続 ・運営側の視点
デメリット	・求人少ない ・通信環境必須	・ライティングスキル別途必要 ・収入不安定（フリーランス）	・コールセンター的側面 ・シフトの制約	・求人がほぼ無い ・責任が重い
こんな人におすすめ	臨床経験を活かし患者と関わりたい人	書くことが好きで、知識を発信したい人	安定した環境で、学術的な仕事をしたい人	管理薬剤師経験豊富で、運営に携わりたい人

在宅ワークを始める前に。薬剤師が知るべき注意点と準備

在宅ワークには「自由」「楽そう」といったイメージがあるかもしれませんが、特に薬剤師の専門業務を在宅で行う場合、薬局勤務以上に厳格な自己管理と環境整備が求められます。

YMYL（Your Money Your Life）領域の情報を扱うプロとして、以下の点は必ず押さえてください。

1. 高度なセキュリティ意識（薬剤師の責務）

薬剤師が扱う情報は、患者様の氏名、病名、処方内容など、個人情報の中でも特に機密性の高い「要配慮個人情報」です。これが万が一漏洩した場合、薬局や企業の信用失墜はもちろん、薬剤師自身の資格問題にも発展しかねません。

• 作業環境：家族や他人からPC画面が見えない、会話が聞こえない施錠可能な個室（プライベート空間）が必須です。
• 通信環境：フリーWi-Fi（カフェや公共施設）の使用は厳禁です。必ずセキュリティ対策が施された自宅のWi-Fi（可能なら有線LAN）を使用します。
• 端末管理：業務で使用するPCは、プライベート用と分けるのが理想です。OSやウイルス対策ソフトは常に最新の状態に保ち、強固なパスワードを設定します。
• 書類管理：業務に関する書類を印刷した場合、その管理・廃棄には薬局内と同等、あるいはそれ以上の厳重な注意が必要です。

2. 業務環境の整備（必須）

快適かつ安全に業務を遂行するため、以下の環境は自己負担で用意する必要がある場合が多いです。

• 安定した高速通信（光回線推奨）：特にオンライン服薬指導やWeb会議では、映像や音声の途切れは業務に支障をきたします。
• 高性能なPC：企業の指定スペックを満たすPC。
• 周辺機器：Webカメラ、マイク付きヘッドセット（クリアな音声通話のため）。
• 作業用のデスク・チェア：長時間のデスクワークになるため、身体的負担を軽減する投資は必須です。

3. 厳格な自己管理能力（時間・体調）

在宅ワークは、上司や同僚の目がないため、良くも悪くも自分次第です。

• 時間管理：始業・終業時刻、休憩時間を自分で決め、守る必要があります。特にフリーランスの場合、際限なく働いてしまう危険性もあります。
• オンオフの切り替え：生活空間と仕事空間が同じになるため、意識的にオンとオフを切り替えないと、精神的に休まらない状態が続きます。
• 体調管理：通勤がなくなり運動不足になりがちです。また、孤独感やコミュニケーション不足によるメンタル不調にも注意が必要です。

4. キャリアパスの確認

在宅ワークが、ご自身の長期的なキャリアにとってプラスになるかを見極めることも重要です。

• その在宅ワークで得られるスキルは何か？
• 将来的に薬局や病院に戻る（転職する）際に、その経験はどう評価されるか？
• 研修やスキルアップの機会は提供されるか？

後悔しないために。在宅ワークの「理想」と「現実」

在宅ワークへの期待が大きいほど、始めた後のギャップに苦しむことがあります。LIFRELLスキルアップ編集部が調査した、よくある「理想」と「現実」をご紹介します。

理想(1)：自分のペースで自由に働ける

現実(1)：DI業務やオンライン服薬指導は、シフト制で時間が厳格に決まっていることが多いです。メディカルライターも納期は厳守であり、むしろ時間管理のプレッシャーは増す場合があります。評価は「プロセス」ではなく「成果物」でシビアに判断されます。

理想(2)：通勤ストレスがなく、人間関係も楽

現実(2)：通勤ストレスはゼロになりますが、代わりに「コミュニケーションの難しさ」が発生します。チャットやメール、Web会議が中心となり、細かなニュアンスが伝わりにくい、相談したい時にすぐ聞けないといったストレスがあります。また、雑談の機会が減ることで、孤独感を感じる人も少なくありません。

理想(3)：すぐに希望の在宅ワークが見つかる

現実(3)：薬剤師の在宅ワーク求人は、全体から見ればまだごく少数です。特に「完全在宅」「正社員」といった好条件の求人は競争率が非常に高くなります。また、「リモート可」とあっても、「月1回の出社必須」「研修期間は出社」といった条件が付く場合も多いです。

薬剤師の在宅ワーク求人はどう探す？おすすめの方法

希少な在宅ワーク求人を効率的に見つけるには、戦略的な探し方が必要です。LIFRELLスキルアップ編集部が推奨する方法をご紹介します。

1. 薬剤師専門の転職エージェント（最も推奨）

在宅ワークのような希少な求人（非公開求人）を探す上で、最も強力なパートナーとなります。

2. 転職サイト

大手の薬剤師専門転職サイトや一般的な総合転職サイトを利用し、自分で検索する方法です。

3. クラウドソーシングサイト（メディカルライター向け）

メディカルライターとして実績を作りたい場合に有効です。

4. 企業の直接応募

DI業務やメディカルライターを希望する場合、企業の採用ページを直接確認するのも一つの手です。

• 製薬企業
• CSO（医薬品販売業務受託機関）
• CRO（開発業務受託機関）
• 医療系広告代理店、Webメディア運営会社

在宅ワーク以外も検討？薬剤師が柔軟に働く他の選択肢

「在宅ワーク」にこだわった結果、希望の求人が見つからず、キャリアが停滞してしまうのは本末転倒です。もし「在宅」の目的が「柔軟な働き方」や「負担軽減」であるならば、他の選択肢も併せて検討する価値があります。

1. 派遣薬剤師

• 特徴：時給が高く（例：2,800円～3,500円程度）、勤務地、勤務時間、期間などを細かく指定して働ける。
• メリット：サービス残業がほぼなく、高時給。「週3日だけ」「午前中だけ」といった希望も通りやすい。人間関係も比較的ドライ。
• デメリット：雇用が不安定（契約期間満了）、キャリアアップ（管理薬剤師など）には繋がりにくい。

2. パート・アルバイト

• 特徴：扶養内勤務（例：週20時間未満）など、勤務時間を柔軟に調整しやすい。
• メリット：自宅近くの薬局など、通勤負担の少ない職場を選べる。
• デメリット：時給は派遣より低い傾向。責任ある仕事を任されにくい場合もある。

3. 単発（スポット）勤務

• 特徴：1日単位で、人手が足りない薬局に応援に入る働き方。
• メリット：空いた日だけ働ける究極の自由度。様々な薬局を経験できる。
• デメリット：定期的な収入にはならない。毎回新しい環境に適応する必要がある。

薬剤師が在宅ワークで成功するために。LIFRELL編集部からのアドバイス

最後に、薬剤師が在宅ワークという新しいフィールドで成功するために、私たちが重要だと考える3つの心構えをお伝えします。

1. 「学び続ける」姿勢を薬局勤務以上に持つ

在宅ワークでは、最新の情報をキャッチアップする機会が減りがちです。特に薬剤師は、法改正（薬機法、診療報酬改定など）や新薬の情報が業務に直結します。

意識的に学会情報や厚生労働省の発表をチェックし、オンライン研修に参加するなど、知識のアップデートを怠らない姿勢が、在宅ワーカーとしての信頼に繋がります。

2. ITスキルを「専門知識」と同等に磨く

在宅ワークにおいて、PCスキルやITリテラシーは「できて当たり前」の基礎能力です。Web会議ツール、チャットツール、クラウドストレージなどを使いこなすだけでなく、前述した「セキュリティ意識」もITスキルの一つです。

「PCが苦手で…」という状態では、在宅ワークの土俵に立つこと自体が難しくなります。

3. 「能動的なコミュニケーション」を徹底する

オフィスにいれば雑談や隣の会話から入ってきた情報も、在宅では入ってきません。

業務の進捗報告、不明点の確認、ちょっとした相談事などを、自らチャットやWeb会議で積極的に発信することが重要です。「相手の邪魔になるかも」と遠慮していると、認識のズレが生まれ、業務に支障をきたします。孤独感を解消する意味でも、能動的なコミュニケーションは不可欠です。

まとめ：薬剤師の在宅ワークは「準備」と「戦略」で実現できる

この記事では、薬剤師の資格を活かせる在宅ワーク4選として、「オンライン服薬指導」「メディカルライター」「DI業務」「リモート管理薬剤師」について詳しく解説しました。

薬剤師の在宅ワークは、もはや夢物語ではありません。法規制の緩和やITの進展により、選択肢は着実に増えています。

しかし、その門戸はまだ狭く、求人数も限定的です。また、在宅ワーク特有の厳格な自己管理やセキュリティ意識が求められる、プロフェッショナルな働き方でもあります。

薬剤師の在宅ワークを実現するためには、

1. 自己分析：なぜ在宅で働きたいのか、どの業務なら自分のスキルを活かせるか。
2. 環境整備：セキュリティと通信環境、作業スペースを確保する。
3. 戦略的な求職活動：転職エージェントを活用し、希少な求人の情報を逃さない。

これら3つの「準備」と「戦略」が不可欠です。

LIFRELLスキルアップ編集部は、薬剤師の皆様が専門性を活かし、ライフスタイルに合った「自分らしい働き方」を見つけられるよう、これからも信頼できる情報発信を続けてまいります。皆様のキャリアにおける新たな一歩を、心より応援しています。

出典リスト

• 厚生労働省「オンライン服薬指導に関する情報」
• 厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律（令和７年法律第37号）」
• e-Gov法令検索「薬剤師法」