日産自動車の平均年収857万円【2026年3月期・最新有報】前期比▲38万円|42歳補正でホンダと横並び・営業黒字転換の現在地

日産自動車株式会社の平均年収は高い?職種・経歴・年代別の給与実態を解説!

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🚗 企業年収データベース【2026年3月期・最新有報 反映済み】
日産自動車(NISSAN)の平均年収857万円【2026年3月期】
前期比▲38万円・営業黒字580億円への転換・Re:Nissanの現在地と転職判断を完全解説
⚠️ 転職検討者への重要情報:多くのサイトが「896万円(2025年3月期)」を掲載していますが、2026年6月提出の有報で857.1万円へ38万円下落しています。一方で決算は営業利益580億円の黒字へ転換し、当期純損失も▲6,709億円から▲5,331億円へ縮小しました。「年収は下がったが業績は上向いた」という、多くの記事とは逆の絵が最新のデータです。
857.1万円最新平均年収
(2026年3月期・有報)
885万円42歳補正値
ホンダと0.5万円差
+580億円2026年3月期
営業利益(黒字転換)
▲5,331億円最終損益(2年連続赤字)
前期から1,378億円縮小

日産自動車(NISSAN)への転職・就職を検討している方に、2026年時点で最も重要な情報をお伝えします。2026年3月期の平均年収は857.1万円(平均年齢40.9歳・平均勤続14.9年)で、有価証券報告書で確認できる最新の公式数値です。前期の約895万円から38万円下落しました。

ただし、多くの記事が伝えていない事実があります。同じ2026年3月期に、日産の連結営業損益は580億円の黒字へ転換しました。期初の想定は600億円の赤字でしたから、1,180億円の上振れです。当期純損失は▲5,331億円と2年連続の赤字ですが、これは工場統廃合と減損処理という一過性の構造改革費用が中心で、赤字幅は前期の▲6,709億円から1,378億円縮小しています。

つまり「年収は下がったが、業績は底を打った」というのが2026年8月時点の正確な現状です。この記事では、年収データと再建計画の進捗を切り分けて整理します。

この記事でわかること
  • 2026年3月期の最新平均年収857.1万円と手取り換算(年約620万円・月約52万円)
  • 年齢を42歳に揃えるとホンダと0.5万円差になる理由——額面75万円の差はどこから来るのか
  • Web上に出回っている年収推移表の誤り(2020〜2023年3月期の4年分が実際の有報値と違う)
  • 営業黒字580億円への転換と、Re:Nissanが今どこまで進んでいるか(工場7拠点の統廃合はすべて発表済み)
  • 勤続年数が16.2年→14.9年へ1年で1.3年短くなった意味
  • 自動車8社比較(2026年3月期で統一)でのポジション
  • 年代別・役職別(PX〜部長)の年収目安と、削減計画の対象になりやすい職種
目次

【最新】日産自動車の平均年収は857.1万円——前期比38万円の下落

項目 2026年3月期(最新) 2025年3月期 変化
平均年収(単体) 857.1万円 約895万円 ▲38万円
平均年齢 40.9歳 41.0歳 ▲0.1歳
平均勤続年数 14.9年 16.2年 ▲1.3年
従業員数(単体) 23,174名 24,413名 ▲1,239名
従業員数(連結) 120,079名 132,790名 ▲12,711名
42歳補正値 885万円 ホンダ885万円とほぼ同値
平均残業時間 20.3時間/月 有報2026期

出典:日産自動車株式会社 有価証券報告書(2026年3月期)。2025年3月期の値は媒体により895万円・896万円と表記が割れます(有報の実額は895万円台)。多くのサイトがいまだ「896万円」または「877万円(2024年3月期)」を掲載していますが、最新値は857.1万円です。

⚠️ 勤続年数が1年で1.3年も短くなった意味
平均勤続年数は通常、1年で0.5年前後しか動きません。それが16.2年→14.9年と1.3年も縮んだのは、勤続の長いベテラン層が集中的に抜けたサインです。連結従業員は1年で12,711名減っており、Re:Nissanによる削減が単体にも及んでいることを示しています。
一方で平均年齢はほぼ横ばい(41.0歳→40.9歳)です。年齢は変わらず勤続だけが縮むのは、退職した長期在籍者を中途採用で埋めているためと読めます。「勤続の長さ=安定性」という前提で日産を見ていた方は、この数字を押さえておくべきです。

857.1万円の手取りは約620万円——月52万円

💰 857.1万円の手取り換算(40.9歳・扶養なしの標準モデル)
857.1万円額面年収
約133万円社会保険料
(介護保険含む)
約102万円所得税+住民税
約620万円手取り年収
月あたり約52万円

国税庁・日本年金機構・全国健康保険協会(東京支部)の料率をもとに、月給50万円・賞与年257万円のモデルで試算。扶養なし・各種控除適用前。実際の手取りは家族構成・居住地・控除により変動します。

💡 40.9歳は介護保険料の対象です
介護保険料は40歳以上65歳未満の被保険者から徴収されます。日産の平均年齢40.9歳は、平均像の社員がちょうど対象に入る境目です。20代・30代で入社する場合は同じ額面でもこの分だけ手取りが厚くなります。年収帯ごとの手取り感覚は手取り30万円の記事手取り25万円の記事で整理しています。

年収推移——Web上に出回っている表は4年分が誤りです

日産の年収推移として「2020年3月期869万円・2021年3月期849万円・2022年3月期863万円・2023年3月期858万円」という表が複数のサイトに載っていますが、これは有価証券報告書の記載値と一致しません。以下が実際の推移です。

📈 日産自動車 平均年収の推移(出典:有価証券報告書)

2019年3月期

815万円

815万円

2020年3月期

810万円

810万円

2021年3月期

796万円(直近の底)

796万円

2022年3月期

811万円

811万円

2023年3月期

850万円

850万円

2024年3月期

877万円

877万円

2025年3月期

約895万円(ピーク)

約895万円

2026年3月期(最新)

857.1万円

857.1万円

決算期 Web上に出回っている値 有価証券報告書の値
2020年3月期 869万円 810万円 ▲59万円
2021年3月期 849万円 796万円 ▲53万円
2022年3月期 863万円 811万円 ▲52万円
2023年3月期 858万円 850万円 ▲8万円
2024年3月期 877万円 877万円 一致

誤った表を使うと「日産の年収はコロナ期も850万円台で安定していた」という結論になりますが、実際は2021年3月期に796万円まで落ちています。ピークの約895万円(2025年3月期)から見れば約100万円の振れ幅があるということです。業績連動賞与が年収の3割前後を占める構造上、日産の年収は業績局面で大きく動きます。857.1万円を固定値と考えるのは危険で、800万円前後まで戻りうる振れ幅で見ておくのが実務的です。

年齢を42歳に揃えると、ホンダとの75万円差が0.5万円まで消える

自動車業界の年収比較で最も見落とされている点です。日産の平均年齢は40.9歳で、ホンダの43.9歳より3.0歳若い集団です。平均年齢が低ければ平均年収も自動的に低く出ます。

そこで、平均年齢1歳=年収25万円として全社を42歳に揃え直します。

額面のランキング(2026年3月期・有報)

🥇

トヨタ自動車平均40.5歳・勤続15.1年

1,006.0万円

2位

本田技研工業(ホンダ)平均43.9歳・勤続21.0年

932.6万円

3位

デンソー平均44.8歳・勤続22.9年

915.3万円

4位

日産自動車(NISSAN)平均40.9歳・勤続14.9年

857.1万円

5位

スズキ平均41.5歳・勤続18.5年

827.6万円

6位

三菱自動車平均42.4歳・勤続16.0年

789.5万円

7位

SUBARU平均40.0歳・勤続15.7年

764.4万円

8位

マツダ平均42.5歳・勤続17.7年

711.2万円

42歳に揃えたランキング(当サイト試算)

🥇

トヨタ自動車+37.5万円の補正

1,044万円

2位

本田技研工業(ホンダ)▲47.5万円の補正

885.1万円

2位

日産自動車(NISSAN)+27.5万円の補正/額面4位から浮上

884.6万円

4位

デンソー▲70.0万円の補正/額面3位から後退

845万円

5位

スズキ+12.5万円の補正

840万円

6位

SUBARU+50.0万円の補正/額面7位から浮上

814万円

7位

三菱自動車▲10.0万円の補正

780万円

8位

マツダ▲12.5万円の補正

699万円

日産は額面4位ですが、42歳に揃えると2位タイまで上がります。
日産884.6万円に対しホンダ885.1万円。その差はわずか0.5万円です。額面では75.5万円離れていた2社が、年齢を揃えるとほぼ同じ位置に来ます。つまり両社の年収差は、ほぼ全額が「平均年齢が3.0歳違う」ことで説明できるということです。

「ホンダのほうが日産より75万円高い」という比較は、同じ年齢の人が受け取る金額の話ではありません。同年齢で比べれば、日産とホンダの賃金水準は実質的に同じです。この2社で迷っている方は、年収ではなく事業の安定性・配属の選択肢で判断すべきだ、というのがこのデータの結論になります。

補正値の使い方と限界:42歳補正は「平均年齢1歳=年収25万円」という一律の傾きを当てた試算値で、有報の開示値ではありません。実際の昇給カーブは30代後半で急になり50代で寝るため、平均年齢が10歳以上離れた企業同士の比較には向きません。今回の8社は40.0〜44.8歳に収まっているため、補正の精度は比較的高い場面です。
同じ年齢調整で順位が動く例はデンソー(額面1位→補正3位)やコマツ(建設機械1位がクボタに交代)でも起きています。業種横断の序列は大手企業の平均年収ランキング【年齢調整版】にまとめています。

【最重要】2026年3月期は営業黒字へ転換——Re:Nissanの現在地

転職を検討するなら、年収データと同等かそれ以上に重要な情報です。そしてここが、多くの記事が1年古いまま止まっている部分です。

2026年3月期 営業損益
+580億円
期初想定は600億円の赤字
1,180億円の上振れで黒字転換

2026年3月期 最終損益
▲5,331億円
2年連続赤字だが
前期▲6,709億円から1,378億円縮小

Re:Nissan 人員削減の実績
▲12,711名
連結132,790→120,079名
目標2万人に対し1年で6割超が進行

2027年3月期 見通し
純利益+200億円
売上13兆円・営業利益2,000億円
3期ぶりの最終黒字を計画

指標 2026年3月期(最新) 2025年3月期 2027年3月期 見通し
売上高 12兆79億円 12兆6,332億円 13兆円
営業損益 +580億円 +697億円 +2,000億円
経常利益 10.8億円
当期純損益 ▲5,331億円 ▲6,709億円 +200億円
自動車事業FCF 下期にプラス転換 マイナス 通期黒字化を目標
米関税の影響 約2,750億円の負担 継続
✅ 「赤字が続いている」だけでは実態を見誤ります
2026年3月期の▲5,331億円は、生産体制の統廃合と減損処理という一過性の構造改革費用が中心です。本業の稼ぐ力を示す営業損益は580億円の黒字で、期初想定の600億円赤字から1,180億円上振れしました。下期には自動車事業のフリーキャッシュフローもプラスに転じています。
背景にあるのは固定費削減の進捗です。Re:Nissan発表から10か月で7つの車両生産拠点の統廃合をすべて発表済み(最後は2026年1月の南アフリカ・ロスリン工場売却)、固定費削減は2025年度第3四半期累計で1,600億円、2026年度末には2,500億円に達する見込みです。1時間あたりの開発単価も15%改善し、目標の20%削減に向けて進んでいます。

Re:Nissanは今どこまで進んでいるか

項目 計画(2025年5月13日発表) 2026年3月期時点の実績
人員削減 2027年度までに約2万人(全従業員の約15%) 連結で▲12,711名(132,790→120,079名)
車両生産拠点 17拠点→10拠点へ統合 7拠点すべての処遇を発表済み
固定費削減 2026年度末までに2,500億円 2025年度Q3累計で1,600億円
開発単価 20%削減 15%改善済み
設備投資・研究開発費 優先順位付けによる圧縮 設備投資▲13.5%・研究開発費▲9.1%
自動車事業の営業損益・FCF 2026年度までに黒字化 営業損益は2025年度に黒字化・FCFは下期プラス
⚠️ 国内で影響が大きいのは追浜工場です
2025年7月15日、日産は追浜工場の車両生産を2027年度末に終了し、日産自動車九州へ移管すると発表しました。日産車体湘南工場への生産委託も2026年度までに終える予定です。追浜は母国の主力拠点で、生産能力500万台に対して生産実績が320万台、全社稼働率が64%まで低下していたことが背景にあります。
研究開発拠点としての追浜は残る方向ですが、生産技術・工場勤務での応募を検討している方は、配属拠点が統廃合の対象かどうかを必ず確認してください。

2026年度はRe:Nissanの最終年度

2026年3月期決算の説明会で、イヴァン・エスピノーサ社長は「Re:Nissanは業績改善にとどまらず、日産の足場を固め、会社を次の段階に導く土台作りだ」と述べています。2026年度(2027年3月期)はRe:Nissanの最終年度にあたり、ここで純利益200億円の黒字化を達成できるかが、転職者にとっての実質的な判断材料になります。

なお日産は、ホンダ・三菱自動車との「日産・ホンダ・三菱アライアンス」を通じて次世代EVプラットフォームの共有や部品の共同開発を進め、20〜30%のコスト削減を狙っています。2025年2月に破談した経営統合とは別枠の、個別領域での協業です。

「1999年の経営危機」との比較:今回は倒産するのか?

比較軸 1999年の経営危機 2026年の現状 評価
最終損益 ▲6,843億円(2000年3月期) ▲5,331億円(2026年3月期) 赤字幅は縮小中
営業損益 赤字 +580億円の黒字 本業は黒字を維持
販売台数の推移 縮小中 334万台(ピーク時579万台) 構造的低下は継続
再建計画 日産リバイバルプラン(ゴーン) Re:Nissan(エスピノーサ社長) 2026年度が最終年度
即時倒産リスク あり 低い 資金的には安全圏
リストラの規模 国内5工場閉鎖・約2.1万人削減 車両工場17→10・約2万人削減 ほぼ同規模の構造改革

1999年の危機では、ゴーン氏の日産リバイバルプランで2000〜2007年にV字回復を果たしました。今回も「即倒産」ではなく「再建中」という状況で、しかも営業損益はすでに黒字に戻っている点が当時と異なります。ただし1999年と違うのは、EV競争と中国市場の不振という業界全体の構造変化が背景にあり、販売台数の回復シナリオが描きにくい点です。

⚠️ 転職判断への示唆
日産への転職を「安定性」だけを理由に選ぶのは、現時点では適切ではありません。ただし「営業損益は黒字化し、Re:Nissanは最終年度に入っている」という事実は、1年前の情報だけで判断するのとは違う絵を示しています。賞与の変動リスクを理解したうえで、事業の方向性と自分の職種の位置づけで判断するのが実務的です。

ホンダ・マツダとの3社比較(2026年3月期で統一)

いずれも課題を抱える3社ですが、赤字の質と回復シナリオは大きく異なります。年度を揃えて比較しないと結論が逆になるため、すべて2026年3月期で並べます。

比較軸 日産 ホンダ マツダ
平均年収(2026年3月期) 857.1万円 932.6万円 711.2万円
42歳補正値 884.6万円 885.1万円 699万円
売上高 12兆79億円 21兆7,966億円 4兆9,182億円
営業損益 +580億円 ▲4,143億円 +516億円
最終損益 ▲5,331億円 ▲4,239億円 +351億円
赤字・減益の性質 構造改革費用+販売台数の構造的低下 一過性(EV開発中止の損失処理) 米関税1,549億円の減益要因
2027年3月期 見通し 純利益+200億円 純利益+2,600億円 純利益+900億円
リストラ規模 2万人削減・車両工場17→10 EV関連部門の再編 なし(マツダ2の国内生産終了)
安定性の評価 ⚠️ 再建中/営業黒字は回復 🔶 一過性問題・回復基調 ✅ 黒字維持/関税リスク大
💡 意外な事実:営業利益では日産がマツダを上回っています
日産の営業利益580億円に対し、マツダは516億円です。マツダは最終黒字を確保している一方で米関税が1,549億円の減益要因となり、営業利益は前期比72.3%減まで落ちました。「日産=危機/マツダ=安泰」という単純な図式は、2026年3月期の数字では成立していません。
一方のホンダは営業▲4,143億円と3社で唯一の営業赤字ですが、これはEV損失1兆5,778億円を一括計上した結果で、それを除いた調整後営業利益は1兆393億円です。3社とも「赤字」「黒字」の一語では実態がつかめないため、営業損益と一過性要因を分けて読む必要があります。

年代別・役職別年収の目安

年代別年収目安(口コミベース)

年代 平均年収目安 年収レンジ 特徴
20代前半(新卒〜3年目) 420万円 350〜480万円 基本給中心。業績連動賞与の影響が出始める
20代後半(4〜7年目) 570万円 510〜640万円 主任昇格時期。残業代含む
30代前半(8〜12年目) 700万円 630〜780万円 PE2昇格。責任増加。評価差が出始める
30代後半(13〜17年目) 820万円 720〜920万円 課長代理昇格圏内。有報平均に近づく
40代前半(18〜22年目) 930万円 820〜1,060万円 管理職昇格期
40代後半〜50代 1,050〜1,150万円 950〜1,450万円 課長〜部長。成果主義強化で変動幅が拡大

※口コミデータと有報の平均年収・平均年齢から逆算した推計であり、会社が開示している数値ではありません。2026年3月期の全社平均857.1万円が前期比▲38万円である点を織り込み、前バージョンの目安からそれぞれ引き下げています。

役職別年収(PX〜部長)

役職 年収レンジ 昇進目安 ポイント
PX(一般職) 400〜650万円 新卒〜5年目 基本給中心。賞与比率が低い段階
PE2(総括職) 700〜900万円 6〜10年目 20代後半〜30歳で昇格。試験はほぼ通る
PE1(課長代理) 800〜1,000万円 10〜15年目 管理職候補でないと通らない関門。みなし残業30時間分
課長 1,100万円以上 15〜20年目 完全管理職。業績連動比率が最も高い
主管 1,200〜1,400万円 20〜25年目 複数課統括
部長 1,400〜1,800万円 25年目〜 部門責任者。Re:Nissanの影響が最も直接的
⚠️ PE1が実質的な関門です
日産の総合職はPX→PE2→PE1と昇格します。PE2への昇格試験は基本的に落ちないとされる一方、PE1試験は管理職への昇格が見込まれる人でないと通らないというのが口コミでの共通見解です。ここで停滞すると年収は800万円台で頭打ちになります。
加えて2025年度から評価制度が変更され、成果が報酬によりダイレクトに反映される仕組みになりました。実力主義が強まる一方で中高年層の給与水準は抑制される可能性があり、上表の役職別レンジも今後変化しうる点に注意してください。なお昇格審査ではTOEICスコアが技術系・専門職も含めて一律の基準として使われており、語学要件の重さは日産の特徴です。

新卒初任給(2024年度実績)

学歴 初任給(月額) 年収見込み目安 備考
博士了 295,000円 約480万円
修士了 270,000円 約440万円 ホンダ(2025年度295,700円)を下回る
学部卒 250,000円 約410万円 ホンダ(2025年度270,000円)を下回る
高専卒 207,000円 約340万円

※2024年度入社実績。年収見込みは初年度賞与4.5ヶ月分で計算しています。2026年度以降の改定については公式の公表が確認できていないため、応募時は採用要項で最新値を確認してください。業績悪化局面では初年度賞与も影響を受ける可能性があります。

日産の業績悪化はなぜ起きたのか——構造的問題の整理

要因 内容 年収への影響
販売台数の構造的低下 ピーク時579万台(2017年度)→334万台(2024年度)。40%超の減少 収益基盤の縮小→賞与原資の減少
北米・中国市場の不振 主力市場でのシェア低下。中国では現地EVメーカーとの競争激化 業績連動賞与に直接影響
過去の「台数重視」経営 販売奨励金(インセンティブ)の多用でブランド価値が低下 収益性の構造的低下
EV戦略の遅れ 「リーフ」でEVを先駆けたが、次世代EV・SDVへの転換が後手に 研究開発費増大→利益圧迫
工場稼働率の低迷 生産能力500万台に対し実績320万台。全社稼働率64%で固定費過多 Re:Nissanで削減中
米国の関税政策 2026年3月期に約2,750億円の負担 回復シナリオの下振れ要因

ただし2026年3月期には明るい材料も出ています。新型「ルークス」と新型EV「リーフ」の好調により、国内販売台数が17か月ぶりにプラスへ転じました。一部の新型車では納車が数か月待ちになるなど、供給体制の不備による機会損失も指摘されており、需要そのものは戻りつつあるという評価もあります。

中途採用の実態と年収交渉

職種 経験年数 年収レンジ目安 2026年の採用温度感
EV・電動化技術 3〜10年 700〜1,100万円 ✅ 継続採用(Re:Nissanでも優先領域)
自動運転・AI・ソフトウェア 3〜10年 750〜1,200万円 ✅ 積極採用(SDV化で需要大)
IT・デジタル 5〜10年 850〜1,200万円 ✅ DX推進で需要あり
開発・設計(機械系) 3〜5年 600〜800万円 ➡️ 採用は継続も選考は慎重
生産技術 3〜5年 580〜750万円 ⚠️ 工場統廃合計画の影響に注意
管理・コーポレート 5年〜 600〜900万円 ⚠️ 販管費削減で採用は慎重
💡 中途採用時の年収交渉で押さえるべき3点
① 日産の中途採用は前職年収+10〜30%程度が標準的なオファーですが、Re:Nissanによる人件費削減圧力があるため以前より交渉余地は狭まっている可能性があります。EV・SDV・AI関連の希少スキルを持つ場合は別枠で高めのオファーが出ます。IT・ソフトウェア職の相場全般と照らして自分の市場価値を確認しておくと、提示額の妥当性を判断しやすくなります。
提示年収の「基本給部分」と「賞与見込み」を必ず分けて確認してください。857.1万円という数字には3割前後の変動部分が含まれており、内訳を確認しないまま前職と比較すると実質条件を見誤ります。
③ 語学力(TOEIC750点以上)はグローバル企業として特に重視されます。書類段階での通過率を上げるには職務経歴書の改善が最短で、エージェント経由なら社内選考の仕組みも理解しておくと無駄がありません。最終面接の詰め方はこちらにまとめています。

福利厚生・働き方の主要データ

項目 内容 特徴
平均残業時間 20.3時間/月(有報2026期) ホンダ23.7時間より短い
フレックス制度 スーパーフレックス(コアタイムなし) 自由度が高い
有給取得 平均19.0日/年 高い取得率
年間休日 121日 夏季・年末年始各9日
住宅補助 家賃の75%が支給される仕組み(新卒から6年間) 自動車業界でも屈指の手厚さ
社員寮 自己負担は月1〜2万円程度
男性育休取得率 51.4%(2023年度) 製造業では高水準
家族手当 配偶者13,000円/月・子5,000円/月
リモートワーク 制限なし 事務系中心
✅ 住宅補助は年収以上に効く可能性があります
新卒から6年間、家賃の75%が補助される制度は、月10万円の物件なら年間90万円相当の可処分所得に相当します。額面年収だけを比べるとホンダに75万円劣後して見えますが、42歳補正でほぼ同水準であることと合わせると、若手時点の実質的な手取り感は日産のほうが上回る場面もあります。転職で年収だけを比較すると、この差は見えません。

転職先としての日産:向いている方・慎重に考えるべき方

✅ 日産への転職に向いている方
  • EV・自動運転・SDV・AI関連のスキルを持つ(採用優先度が高い)
  • 営業黒字転換とRe:Nissan最終年度という局面を、底値での参入と捉えられる
  • グローバルキャリアを求めている(ルノー・三菱との連携、海外拠点)
  • 短期的な賞与変動を許容でき、中長期の業績回復に賭けられる
  • 若手のうちの実質手取りを重視する(住宅補助75%・残業20.3時間)
  • 「ホンダより75万円低い」で判断していたが、同年齢では同水準だと知って考え直したい
⚠️ 慎重に検討すべき方
  • 「安定性」だけを転職理由に選ぼうとしている
  • 生産技術・工場勤務を希望している(追浜など統廃合対象拠点に注意)
  • 販売管理・コーポレート系職種を希望(削減対象に含まれる)
  • 入社直後から高水準の賞与を期待している
  • 勤続の長さ=安定と考えている(勤続年数は1年で1.3年短縮)
  • 語学要件(TOEIC)を負担に感じる(昇格審査で一律に課される)

よくある質問(FAQ)

Q

日産自動車は倒産する可能性はありますか?

A
現時点で倒産リスクは低いとされています。2026年3月期は最終赤字▲5,331億円と2年連続の赤字ですが、営業損益は580億円の黒字に転換しており、本業で稼げていない状態ではありません。赤字の主因は工場統廃合と減損処理という一過性の構造改革費用です。赤字幅も前期の▲6,709億円から1,378億円縮小し、2027年3月期には純利益200億円の黒字化を計画しています。ただし転職者として「安定企業」という前提で選ぶのは現状に即していません。「Re:Nissan最終年度の結果を待たずに入るか」という視点で判断してください。

Q

ホンダと日産、年収はどちらが高いですか?

A
額面ではホンダ932.6万円・日産857.1万円でホンダが75.5万円上回ります。ただしホンダの平均年齢は43.9歳、日産は40.9歳と3.0歳の開きがあり、1歳25万円で42歳に揃えるとホンダ885.1万円・日産884.6万円で0.5万円差になります。つまり同じ年齢で比べれば賃金水準はほぼ同じです。加えて日産は新卒から6年間の家賃75%補助があり、若手時点の実質手取りではむしろ上回る場面もあります。両社の違いは年収ではなく、事業の局面(ホンダはEV損失の処理中、日産は再建の最終年度)にあります。

Q

「Re:Nissan」2万人削減で自分が対象になる可能性は?

A
削減の中心は生産部門で、中途採用を積極的に進めているEV・SDV・IT関連職種は対象外となる可能性が高いです。一方、統廃合が決まっている7つの車両生産拠点に配属される場合は転籍・配置転換の可能性があります。国内では追浜工場の車両生産が2027年度末に終了し、日産自動車九州へ移管されます(研究開発拠点としては存続の方向)。販売管理・コーポレート系も削減対象に含まれます。連結従業員はすでに1年で12,711名減っており、計画は着実に進行中です。応募する職種・拠点が計画のどの区分に当たるかを、エージェントを通じて必ず確認してください。

Q

平均年収が38万円下がったのはなぜですか?今後も下がりますか?

A
2026年3月期に支払われた賞与が、赤字だった2025年3月期の業績を反映しているためです。有報の平均年収は「その事業年度に実際に支払われた給与」の平均なので、決算と賞与のあいだには約1年のタイムラグがあります。したがって2027年3月期の有報に反映されるのは、営業黒字580億円へ転換した2026年3月期の業績です。下げ止まり、あるいは戻る方向が自然な見立てになりますが、最終損益は依然赤字であり、賞与原資の回復ペースは未知数です。過去には2021年3月期に796万円まで下がった実績があり、800万円前後までの振れ幅は想定しておくべきです。

Q

ホンダとの経営統合は今どうなっていますか?

A
2024年12月18日に報道され、12月23日に基本合意書を締結した経営統合協議は、2025年2月13日に両社の取締役会で正式に打ち切りが決議されました。ホンダが株式交換による子会社化を提案し、対等統合を求める日産と折り合わなかったことが理由です。合流予定だった三菱自動車も協議から離脱しています。ただし統合とは別枠で「日産・ホンダ・三菱アライアンス」が動いており、次世代EVプラットフォームの共有や部品の共同開発で20〜30%のコスト削減を狙っています。年収体系は日産単独前提で維持されます。

Q

「896万円」と「857万円」、どちらが本当の年収ですか?

A
どちらも有価証券報告書の記載値ですが、年度が違います。約895〜896万円は2025年3月期、857.1万円は2026年3月期=最新値です。2026年8月時点で「896万円」を掲載しているサイトは更新が1年遅れています。なお857.1万円は平均年齢40.9歳・勤続14.9年の全社員平均であり、20〜30代前半の若手は下回ります。転職時の提示年収の現実的な参考値は600〜850万円のレンジです。

まとめ:日産自動車の年収を正確に理解するための核心

  • 最新平均年収は857.1万円(2026年3月期・有報)。前期比▲38万円。手取りは年約620万円・月約52万円
  • 多くのサイトが古い「896万円」または「877万円」を掲載中。最新値は857.1万円
  • 42歳に揃えると884.6万円で、ホンダ885.1万円と0.5万円差。額面75.5万円の差はほぼ全額が平均年齢3.0歳ぶん
  • Web上の年収推移表は2020〜2023年3月期の4年分が有報値と一致しない。実際の直近の底は2021年3月期の796万円
  • 2026年3月期に営業損益が+580億円へ黒字転換。期初想定の600億円赤字から1,180億円の上振れ
  • 最終損益は▲5,331億円で2年連続赤字だが、前期▲6,709億円から1,378億円縮小。主因は一過性の構造改革費用
  • Re:Nissanは7つの車両生産拠点すべての統廃合を発表済み。連結従業員は1年で12,711名減。2026年度が最終年度
  • 2027年3月期は売上13兆円・営業利益2,000億円・純利益200億円で3期ぶりの最終黒字を計画
  • 勤続年数が16.2年→14.9年へ1年で1.3年短縮。「勤続の長さ=安定」という前提は崩れている
  • 新卒6年間の家賃75%補助は業界屈指。額面差だけで判断すると実質条件を見誤る
  • 向いているのは:EV・SDV・AI系技術者/向かないのは:安定性目的・生産技術・工場勤務・コーポレート系希望

日産を他業界も含めて位置づけたい方は、大手企業の平均年収ランキング【年齢調整版】で全体の序列を確認してください。同じ年齢調整はトヨタ自動車デンソーアイシン豊田通商にも適用しており、額面ランキングとは違う序列が見えてきます。

【参考データ】日産自動車株式会社 有価証券報告書(2026年3月期・第103期)および過去13期分の「従業員の状況」、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(2026年5月13日公表)、経営再建計画「Re:Nissan」(2025年5月13日発表)および進捗説明資料、各社有価証券報告書(トヨタ自動車・本田技研工業・デンソー・スズキ・三菱自動車・SUBARU・マツダ)、日本経済新聞「ホンダと日産、経営統合の破談発表」(2025年2月13日)・「日産、追浜工場の生産27年度末に終了」(2025年7月15日)、マツダ2026年3月期決算(2026年5月12日公表)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」、OpenWork等の社員口コミデータ。42歳補正値は「額面+(42.0−平均年齢)×25万円」で当サイトが算出した試算値であり、有価証券報告書の開示値ではありません。年代別・役職別年収は口コミベースの参考値で、有報の全社平均とは集計基準が異なります。年収は個人の職種・役職・評価・入社時期によって変動します。本記事は2026年8月時点の情報です。

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