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ライオンの平均年収711万円【2025年12月期】42歳に揃えると資生堂に120万円逆転される理由|ピークまで残り16万円

42歳に揃えると656万円——資生堂に逆転される理由
歯磨き・ハブラシ・ハンドソープ・洗濯洗剤——日本人の生活に欠かせない製品を手がけるライオン株式会社(証券コード4912)。2025年12月期の有価証券報告書ベースで平均年収は711万円、前期673万円から38万円の増加です。
ただしこの711万円を額面のまま同業他社と並べると、判断を誤ります。ライオンの平均年齢44.2歳は、生活用品メーカーの中でも高いほうだからです。本記事では最新の有報データをもとに、年齢を揃えた比較・手取り実額・等級別の年収まで整理します。
この記事でわかること
- 2025年12月期の最新値711万円(「665万円」は2年古い数値)
- 【独自】42歳に揃えると656万円。額面で勝っている資生堂に120万円逆転される
- 【訂正】競合比較の数値に大きな誤りがある(三菱ケミカル「1,738万円」ほか)
- 年収711万円の正確な手取り額(他サイトの試算は約25万円低すぎる)
- 等級G1〜G7別の年収テーブルと2024年新人事制度
- 単体従業員は横ばいなのに連結が+692人という構造変化
- 2025年12月期の業績と、年収への波及の見通し
ライオンの平均年収【2025年12月期・最新】
有価証券報告書ベースの推移
| 決算期 | 平均年収 | 前期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 711万円 | +38万円 | 第165期・有報は2026年3月26日提出 |
| 2024年12月期 | 673万円 | +8万円 | — |
| 2023年12月期 | 665万円 | — | 多くの記事がまだこの値を使っている |
| 2021年12月期 | 727万円 | ピーク | ここから原材料高で調整局面へ |
665万円は2023年12月期の値。その後2024年12月期673万円、2025年12月期711万円と2年連続で上昇しています。とくに直近は+38万円と大きく伸びており、2021年のピーク727万円まで残り16万円まで戻ってきました。
「ピーク後に減少傾向」という説明は2023年時点のもので、現在は回復局面と表現するのが正確です。
データソース別の比較
| 情報源 | 平均年収 | 対象・備考 |
|---|---|---|
| 有価証券報告書(2025年12月期) | 711万円 | 単体従業員3,059人の平均・平均年齢44.2歳前後 |
| 有価証券報告書(2024年12月期) | 673万円 | 前期 |
| OpenWork(159人回答) | 643万円 | 営業575万円/研究599万円/マーケティング696万円 |
| エン カイシャの評判(74人) | 657万円 | レンジ300〜1,500万円 |
| OpenMoney(50件) | 654万円 | レンジ450〜1,200万円 |
差は約68万円。口コミサイトは回答者が有報の平均年齢44.2歳より若い層に偏るため、低めに出ます。同じ構造は資生堂や他業界の記事でも確認しています。
加えてライオンの場合、有報の対象は単体3,059人で、連結8,346人(うち海外・生産子会社を多く含む)とは母集団が違います。本社・研究所を中心とした単体社員の数字だと理解してください。
【この記事の核】42歳に揃えると656万円まで下がる
当サイトでは企業間の年収比較にあたって、「額面+(42.0−平均年齢)×25万円」で平均年齢を42歳に揃える方法を使っています。平均年齢が高い会社は額面が上振れするため、そのままでは比較になりません。
ライオンの平均年齢44.2歳に適用すると、711万円 −55万円 = 約656万円になります。
| 企業 | 平均年収 | 平均年齢 | 42歳補正 | 順位の動き |
|---|---|---|---|---|
| 花王 | 865万円 | 40.6歳 | 約900万円 | 1位 → 1位 |
| 資生堂 | 708万円 | 39.3歳 | 約776万円 | 4位 → 2位 |
| 小林製薬 | 755万円 | 41.2歳 | 約775万円 | 2位 → 3位 |
| ライオン | 711万円 | 44.2歳 | 約656万円 | 3位 → 4位(最下位) |
出典:各社有価証券報告書(花王・資生堂は2025年12月期、小林製薬は2025年12月期、ライオンは2025年12月期)。ライオンの平均年齢は直近で確認できた44.2歳を使用しています。42歳補正は当サイトの試算です。
資生堂(708万円・39.3歳)はライオンより4.9歳若い組織です。42歳に揃えると資生堂776万円 vs ライオン656万円で120万円の差がつきます。額面3万円のリードが、同年齢比較では120万円の劣後に転じる——これがライオンの年収を読むうえで最も重要な点です。
小林製薬(755万円・41.2歳)とも、額面44万円差が補正後119万円差へ拡大します。ライオンの711万円は「年齢の下駄」がかなり大きく乗った数字だということです。
平均年齢44.2歳・平均勤続17.0年という数字は、離職が少なく年功的に積み上がる構造を示しています。同年齢比較では見劣りしますが、「40代半ばまで在籍すれば700万円台に届く」ことが平均値として確認できるとも読めます。
逆に言えば20代・30代のうちは相対的に低く抑えられるということでもあり、早期に年収を上げたい人には向きません。ここは価値観の問題です。
競合比較で流通している数値の誤り
- 花王「802万円」→ 正しくは865万円(2025年12月期・平均年齢40.6歳・勤続16.7年)
- 資生堂「730万円」→ 正しくは708万円(2025年12月期・39.3歳)。資生堂は2年連続で下落しています
- 小林製薬「725万円」→ 755万円(2025年12月期・41.2歳)
- ユニ・チャーム「843万円」・エステー「676万円」は決算期が揃っておらず、当サイトでは平均年齢が確認できなかったため補正表から除外しています
- 三菱ケミカルホールディングス「1,738万円」→ 三菱ケミカルグループの有報値は約1,060万円(2025年3月期)。678万円もの誤りです
- 富士フイルム「1,033万円」→ 約1,124万円(2025年3月期)
- 積水化学工業「912万円」→ 約935万円(2025年3月期)
- 信越化学工業「856万円」→ 約876万円(2025年3月期)
- 「化学系メーカー平均647万円」の出典は、dodaの「医薬品メーカー」平均です。化学と医薬品では母集団が違うため、比較基準としては不適切です
比較の基準としては、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の平均給与478万円を使うほうが確実です。ライオンの711万円は、これを233万円上回る水準になります。
化学大手との位置づけ(2025年3月期・有報ベース)
化学業界全体では中位圏です。ただし総合化学・精密化学はビジネスモデルも景気感応度もライオンとは根本的に異なります。ライオンが強みとするB2C(消費者向け)事業は景気変動の影響を受けにくく、安定性という別の軸で評価すべき会社です。
同じ消費者向けメーカーという括りでは、JT(1,004万円・41.0歳)やアサヒグループホールディングス(1,218万円)のほうが高水準ですが、アサヒは持株会社で対象が192名・平均勤続2.7年と母集団がまったく異なる点に注意が必要です。ミズノ(699万円・43.0歳)あたりが、規模・年齢構成ともライオンに近い比較対象になります。
年収711万円の手取り額
年収711万円の手取り試算(東京都・44歳・独身・扶養なし)
扶養控除・各種控除により実際の手取りは変動します。平均年齢44.2歳は介護保険料の対象で、健康保険料に介護保険分が上乗せされます(年4〜5万円程度の負担増)。
「年収665万円で手取り約478万円(所得税46万円)」としている試算がありますが、所得税を過大に見積もっています。665万円・44歳の場合、正しくは所得税約23万円・手取り約503万円(月約41.9万円)です。
額面と手取りの関係は手取り30万円の年収はいくらかや手取り25万円の目安もあわせて確認してみてください。
【2024年新人事制度】等級制度と給与体系
ライオンは2024年に人事制度を刷新し、全社にジョブ型の考え方を導入しました。従来の年功的な等級運用から、職務グレードの比重を高める方向へ移行しています。
| 等級 | 職位目安 | 年次目安 | 年収目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| G1〜G2 | 主務クラス | 入社〜3年 | 350〜500万円 | 賞与はほぼ同一水準 |
| G3 | 主事クラス | 3〜7年 | 500〜600万円 | 1〜6年目は賞与額がほぼ横並び |
| G4 | 課長代理クラス | 8〜12年 | 600〜720万円 | 昇給が加速するターニングポイント |
| G5 | 課長クラス | 12〜18年 | 720〜900万円 | 管理職登用。裁量権が大幅に拡大 |
| G6 | 部長クラス | 18年〜 | 900〜1,200万円 | 事業部門の責任者 |
| G7 | 統括部長クラス | 選抜制 | 1,200〜1,500万円 | 全社横断的な統括役割 |
等級別の年収レンジは公式に開示されていません。口コミ・求人情報を突き合わせた目安です。
全社平均711万円は、等級表でいうとG4(600〜720万円)の上限付近。つまり平均年齢44.2歳の社員が到達している位置が、おおむねG4〜G5の境目だということです。
年収カーブの分岐点はG5(課長クラス)への昇格で、ここを超えられるかどうかで生涯年収が大きく変わります。同じ構造はイオン(G職の上限700万円前後・S職昇格が分岐点)でも確認できます。
年代別・職種別の年収
| 年代 | 平均年収(目安) | 年収レンジ | 職位目安 |
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 約436万円 | 350〜500万円 | 主務→主事 |
| 30〜34歳 | 約515万円 | 450〜600万円 | 主事〜課長代理 |
| 35〜39歳 | 約580万円 | 550〜720万円 | 課長代理〜課長 |
| 40〜44歳 | 約638万円 | 600〜850万円 | 課長クラス |
| 45〜49歳 | 約696万円 | 650〜950万円 | 課長〜部長 |
| 50〜54歳 | 約733万円 | 700〜1,200万円 | 部長クラス |
| 55〜59歳 | 約759万円 | 750〜1,500万円 | 部長〜統括部長 |
口コミ・統計データからの推計であり、公式開示ではありません。この年代別データは有報が711万円へ更新される前の集計をもとにしているため、直近では全体的に上振れしている可能性があります。
| 職種 | 口コミ平均 | 特徴 |
|---|---|---|
| マーケティング職 | 696万円 | ブランド戦略の立案・実行。ヒット商品への貢献が評価に直結 |
| 研究開発職 | 599万円 | 基盤技術研究・製品開発。オーラルケア領域の専門性が強み |
| 営業職 | 575万円 | 消費財卸・小売向けの提案営業 |
出典:OpenWork(159人回答)。元記事は「営業職741万円が最高」としていましたが、OpenWorkの集計ではマーケティング職696万円が最上位で、営業職は575万円と最も低い部類です。出典によって職種の順位が逆転するため、単一ソースを断定的に扱わないほうが安全です。
賞与・初任給・働き方
2025年12月期は単体従業員が▲9人とほぼ横ばいなのに対し、連結は+692人と大きく増えています。海外事業の拡大が人員面に表れている形です。
これは年収データの読み方にも関わります。有報の711万円は単体3,059人が対象なので、連結ベースで増えている海外・生産部門の人員は含まれません。アシックス(有報の対象は単体988人で、販売子会社は別法人)と同じ構図です。
賞与は年3回
ライオンの賞与は年3回支給という点が業界内でも珍しい特徴です。年2回が主流のなか、収入のサイクルが分散されるため家計管理はしやすくなります。
| 等級 | 年間賞与の目安 | 変動幅 |
|---|---|---|
| G1〜G3(一般職) | 約80〜130万円 | 入社6年目まではほぼ固定 |
| G4〜G5(中堅〜課長) | 約140〜210万円 | 個人評価・部門業績で変動 |
| G6〜G7(部長〜統括) | 約220〜350万円以上 | 会社業績連動の割合が増加 |
賞与の金額・支給月は口コミベースの情報で、公式開示ではありません。提示条件を確認する際は「賞与の月数」ではなく「想定年収の総額」で聞くのが確実です。
新卒初任給
大卒の初任給は月額25.2万円前後(2025年度)です。元記事は「厚生労働省 令和5年調査の大卒平均約24万円を上回る」としていましたが、直近の調査では大卒初任給の全国平均は24万円台後半まで上昇しています。数年前の平均値を比較基準に使うと評価を誤るため、応募時点の最新額は公式採用ページで確認してください。
2025年12月期の業績と、今後の見通し
| 指標 | 2025年12月期 | 前年比 |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 4,220億円 | +2.2% |
| 営業利益 | 363億円 | +28.1% |
| 事業利益 | 308億円 | +16.8%(4期ぶり増収増益) |
| 海外売上比率 | 約26% | 拡大傾向 |
ライオンはIFRSを採用しています(有報は第165期・2026年3月26日提出)。
他サイトの多くは「業績回復で今後の年収上昇が期待される」と書いていますが、2025年12月期の711万円(+38万円)がまさにその反映です。賞与に業績が反映されるまでのタイムラグを考えると、2026年12月期の有報でさらに上振れる可能性があります。
会社は2026年からのインド市場参入や組織変革も打ち出しており、これまでの保守的な体制から転換を図っている局面です。中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」の「収益力の強靭化」が計画どおり進めば、2021年のピーク727万円の更新は現実的な射程にあります。
「Vision2030の成果が出れば3年後(2028年頃)に平均年収700万円超」と書いている記事がありますが、2025年12月期の時点ですでに711万円に到達しています。665万円という2年前のデータを起点に将来を予測しているため、目標地点が実績を下回ってしまっている状態です。
中途採用の年収事例と転職戦略
| ポジション | 基本月給 | 予定年収 | 求められるスキル |
|---|---|---|---|
| サプライチェーン企画職 | 62万円〜 | 900〜1,100万円 | SCM戦略・物流改革経験 |
| 海外事業管理(管理職候補) | 48万円〜 | 800〜1,000万円 | 海外事業経験・英語力 |
| マーケティング職 | 56万円〜 | 800〜950万円 | ブランド戦略・消費財マーケ経験 |
| 研究開発職(中堅) | 45万円〜 | 700〜850万円 | 界面活性剤・化学技術 |
| 営業職(経験者) | 40万円〜 | 650〜850万円 | 消費財・卸営業経験 |
求人情報からの事例であり、募集状況により変動します。
上表の予定年収は700〜1,100万円と、全社平均711万円を上回る水準に集中しています。これは中途採用がG3〜G5相当の即戦力ポジションに絞られているためです。
つまり「ライオンの平均年収711万円」は中途入社の目安にはならない——むしろ提示されるのはそれ以上、というのが実態に近い読み方です。交渉すべきは年収額そのものより入社時の等級で、G4とG5では200万円近い差が出ます。
転職で高年収を実現するために必要なスキル
- 消費財マーケティング経験:ブランド戦略立案・消費者インサイト分析・売上貢献実績の定量的提示
- 研究開発・化学技術:界面活性剤・オーラルケア・ヘルスケア関連の研究経験は特に高評価
- 海外事業経験:アジア市場での事業開発・英語力。2026年のインド参入で需要が拡大
- SCM・生産技術:工場経験・サプライチェーン改革実績は転職市場でも高い評価
- 成果の定量化:「担当ブランドの売上をXX%向上させた」など数値での実績提示が必須
書類段階の対策は書類選考に通らない理由と対処法や転職活動の進め方、エージェントの使い分けもあわせて準備しておくと、提示等級の交渉余地が広がります。今後需要が伸びる職種という観点では、消費財メーカーでもデータ活用・海外事業の採用ニーズが拡大しています。
よくある質問(FAQ)
平均年収665万円と711万円、どちらが正しいですか?
ライオンと花王・資生堂ではどちらの年収が高いですか?
ライオンの年収は近年下がっていますか?
年収711万円の手取りはいくらですか?
新卒と中途採用で年収に差はありますか?
職種別ではどの職種の年収が高いですか?
副業・兼業は認められていますか?
まとめ:ライオンの年収を正確に理解するために
- 2025年12月期の平均年収は711万円(前期比+38万円)。「665万円」は2年古い数値で、2021年のピーク727万円まで残り16万円
- 42歳に揃えると約656万円まで下がる——平均年齢44.2歳は生活用品メーカーの中で最も高く、額面には年齢の下駄が乗っている
- 額面3万円勝っている資生堂に、補正すると120万円逆転される(資生堂776万円 vs ライオン656万円)。小林製薬とも44万円差が119万円差へ拡大
- 裏返せば勤続17.0年で着実に積み上がる会社。40代半ばで700万円台に届く一方、20〜30代のうちは相対的に抑えられる
- 競合比較に大きな誤りがある——三菱ケミカル「1,738万円」は実際には約1,060万円。花王802万→865万円、資生堂730万→708万円、小林製薬725万→755万円
- 「化学系メーカー平均647万円」の出典はdodaの医薬品メーカー平均。比較基準は国税庁478万円を使うほうが確実
- 手取りは711万円で約533万円・月44.4万円。他サイトの「665万円で478万円」は所得税を過大に見積もっており、正しくは約503万円
- 単体従業員は▲9人でほぼ横ばい、連結は+692人。有報の711万円は単体3,059人が対象で、海外・生産部門は含まれない
- 2025年12月期は営業利益363億円(+28.1%)で4期ぶり増収増益。業績回復は711万円にすでに反映済みで、2026年12月期にさらに上振れる可能性
- 中途採用の予定年収は700〜1,100万円と全社平均を上回る。交渉すべきは年収額でなく入社時の等級(G4とG5で200万円近い差)。他社水準は大手企業の平均年収ランキングもあわせて確認を
出典:ライオン株式会社 有価証券報告書(第165期・2025年12月期/2026年3月26日提出、および過年度分)・2025年12月期決算短信、各社有価証券報告書(花王・資生堂・小林製薬・富士フイルム・三菱ケミカルグループ・積水化学工業・信越化学工業)、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(平均給与478万円)、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、OpenWork・エン カイシャの評判・OpenMoney等の口コミデータ、各種求人情報。42歳補正値は当サイトの試算です。等級別年収・年代別年収・賞与・残業時間は口コミおよび公開情報にもとづく推計を含み、公式開示ではありません。有価証券報告書の平均年収は単体従業員が対象で、連結従業員とは母集団が異なります。実際の年収は等級・職種・評価・入社時期により異なります。本記事は2026年8月時点の情報です。
